花は何時でも憂鬱で

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新歓パーティー1

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【場面が代わりある会場にて】

No side


「これから、夜の部。新入生歓迎会パーティを始める。パーティといっても羽目を外しすぎることのないように節度を弁えて…………面倒だ。こんな、堅苦しい挨拶なんていらないな、まあ、適度に楽しめ。」


手渡された書類をそのままに
唯賀は壇上を降りながら
耳の割れそうな歓声が会場のあちこちから上がり、会場のボルテージが上がっているのを感じていた。



「駿。お疲れ様です。」

「おつかれ~。」

「後のメンバーはどうした?来ていないのか。」

「まっさか~。来なかったら後でこっぴどく会長に怒られるのにっ……。んン!ちょっと!窒息死しそうになったんだけど。何~?あ、もしかして俺と会長が話してるの見てヤキモチやい、」

会計の美波が余計なことを
言おうとしているのを察知した都筑は急いで美波の口を塞いだ。けれど、美波はその手を取り去って都筑に文句をつける。


「薄寒いことをいうのは、やめてください。それとですね。あなたはバカなんですか。駿に怒られるから来たなんて言って。そんなこと言ったら、こっぴどく説教されますよ。パーティ会場でそんな目にはあいたくないでしょう?」

「俺が何だって?」

「何でもないですよ、駿。それと、他の生徒会メンバーは、あちこちに散らばってますね。庶務の双子は食べ比べ競争してますし、書紀は芸術科の生徒に捕まっているようですし、広報は………何処いったんでしょう、行方不明といったところですかね。」

「また、アイツは勝手にどっか行ったのか。まぁ、いい。それで?どうだ今年の一年は?やっぱり、親の肩書きだけか。」

「他は知りませんけど、何といってもあの子に間違いはないでしょう。」

都筑は涼し気な瞳を少し細め
思い出したように
鼻から抜けるようにクスリと笑う。


「おぉ~。副会長がそんな風に笑うなんて珍しいね~。副会長が言ってる子って今日の、あれ何だっけ名前は確か~。」

「荒谷新くんですよ。」

「名前まで調べたのか」

「でもさぁ~。来てなくない?その子。来れば、ちょ~目立つじゃん。」

「そうなんですよね。少し、残念です。」

「美波、お前はどうだ?」

「えぇ、俺?う~んとねぇ、A組の子は可愛い子多かったけど。なんかピンとこないっていうかさぁ。何かいまいちかなぁ。」

「お前の恋人の好みは聞いていない。」

「え~?そうだっけ?そう言う会長はどうなの?」

「俺は、特にはいないが。あぁ、そうだ新歓が明日の天候次第で延期に、」

唯賀の言葉を遮るように
出入り口付近が騒がしくなり始め
生徒会の面々は一様にそちらへ視線を向けた。

「何の騒ぎでしょうか?」





「よしっ。何とか間に合った!
パーティはまだ、終わってないっぽいな。」

荒谷のその台詞と
装飾を施された食堂の扉の前に来てようやく理解した。

「帰る。」

「ちょっ、何で来て早々帰るんだよ。」

「無理やり、どこに連れて行くのかと思ったら何でこんなのに参加しなくちゃいけないんだ。」

「何でって、パーティだから。」

「そういう気分じゃない。」

「まぁまぁ、良いじゃん。気分明るくパーティにレッツゴー!!」


そうして、強引に
パーティ会場への扉は開かれた。







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