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二人の経緯
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僕達は男同士だけど結婚することになっている。理由は政略だ。
僕、ルークと婚約者であるミルドレッド。
僕は、子爵家。
ミルドレッドは侯爵家。
ミルドレッドの家は侯爵家。でも国境に近くて、その国境近くの砦を守る為、その砦には必ず侯爵家の人間が筆頭になる。
今は、戦争もないし争い事もない。でもまったくないわけではない。
小競り合いは多少ある。盗賊だって出るし、微妙な雰囲気は随所にあり、表立ってはない。だけ。
その国境近くは、僕の家も近くて侯爵家とは、付き合いが長いと言える。
だから、僕の家からもその砦に詰めれば、それだけ重要かつ、目が多い、となる。
それだけこの国から国境を見ている、と言えるからだ。
だから、四男と三男なんて、ちょうどよい人選となる。だからこそ、ついでに婚約してお互いの家が繋がっていると分かりやすくしてあれば、なおさらよいことになる。
そんなこんなで婚約となり、お互いに仕方ないね、と言える状況だったはず。
でも、そう思っていたのは僕だけだったのかもしれない。
ミルドレッドは侯爵家の四男。
本当は、女の子がよかった親御さんが、希望を持っていたために名前だけは先に決まり、今度こそはと言うことらしかった。
でも、生まれたのは男の子。残念だけど名前はもうこれで決まっていたから、そのままこの名前になったようだ。
それを聞いていたのか、四男だからか、ミルドレッドはいつかこの家を出て一人で暮らそうと思っていたらしい。
自分は必要のない人間だって…。
返って僕、ルークは子爵家の三男。どちらかと言えば僕も、家ではものすごく必要ではない。
悲しいけど、家を継ぐのは長男とそれを補佐する次男くらい。僕は居ても居なくてもいいかなって感じだ。
大事にされなくても、そんなに邪険にされたこともない。本当に普通の家で普通に育ってきた。親の愛情がなかったとも思わないし、見捨てられたとも思えない。
ちゃんと学校にも行ってるし、その学費だって出してもらってる。
だから婚約だって仕方ないと思ってたし、こんなものかなと半分は諦めていた。
両家の考えとして、国境近くの砦に二人で行って欲しいとなった。それは両家の繋がりとして婚約ありきの話だった。
ある意味、それは家とすれば、居て助かるけど、居なくなっても大丈夫とも言えることだ。
だって必ずしも砦は安全ではないのだから…。
二人で話をした。
僕、ルークと婚約者であるミルドレッド。
僕は、子爵家。
ミルドレッドは侯爵家。
ミルドレッドの家は侯爵家。でも国境に近くて、その国境近くの砦を守る為、その砦には必ず侯爵家の人間が筆頭になる。
今は、戦争もないし争い事もない。でもまったくないわけではない。
小競り合いは多少ある。盗賊だって出るし、微妙な雰囲気は随所にあり、表立ってはない。だけ。
その国境近くは、僕の家も近くて侯爵家とは、付き合いが長いと言える。
だから、僕の家からもその砦に詰めれば、それだけ重要かつ、目が多い、となる。
それだけこの国から国境を見ている、と言えるからだ。
だから、四男と三男なんて、ちょうどよい人選となる。だからこそ、ついでに婚約してお互いの家が繋がっていると分かりやすくしてあれば、なおさらよいことになる。
そんなこんなで婚約となり、お互いに仕方ないね、と言える状況だったはず。
でも、そう思っていたのは僕だけだったのかもしれない。
ミルドレッドは侯爵家の四男。
本当は、女の子がよかった親御さんが、希望を持っていたために名前だけは先に決まり、今度こそはと言うことらしかった。
でも、生まれたのは男の子。残念だけど名前はもうこれで決まっていたから、そのままこの名前になったようだ。
それを聞いていたのか、四男だからか、ミルドレッドはいつかこの家を出て一人で暮らそうと思っていたらしい。
自分は必要のない人間だって…。
返って僕、ルークは子爵家の三男。どちらかと言えば僕も、家ではものすごく必要ではない。
悲しいけど、家を継ぐのは長男とそれを補佐する次男くらい。僕は居ても居なくてもいいかなって感じだ。
大事にされなくても、そんなに邪険にされたこともない。本当に普通の家で普通に育ってきた。親の愛情がなかったとも思わないし、見捨てられたとも思えない。
ちゃんと学校にも行ってるし、その学費だって出してもらってる。
だから婚約だって仕方ないと思ってたし、こんなものかなと半分は諦めていた。
両家の考えとして、国境近くの砦に二人で行って欲しいとなった。それは両家の繋がりとして婚約ありきの話だった。
ある意味、それは家とすれば、居て助かるけど、居なくなっても大丈夫とも言えることだ。
だって必ずしも砦は安全ではないのだから…。
二人で話をした。
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