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「あっ…」
思わず声が出てしまった……。近くには誰もいないから、声は聞かれてないと思う。
僕の見ている先には、仲の良さそうな二人がいた。
ベンチと言うにはちょっと無骨な長方形の石?がそのまま置かれている。椅子に使われたり、誰かが寝ているのを見かけたりと、色々便利に使われているものだ。
そのベンチのようなものに、並んで座っていた。仲が良さそうに笑顔で話をしているように見えた。
なんだか楽しそうに話をして、声を掛けにくい…。
学校の中庭の外れにあって、よく見ないとわかりにくい隅のところにある。
でも、人が座っていればわかるし、そうして誰と誰がいるのかは見ればわかってしまう。
僕はそのベンチに座っていた片方の人物をよく知っていた。だって一応、僕の婚約者なのだから。
昼の予鈴も鳴り、あと少しで午後の講義が始まる。僕は急いで教室に戻っていった。
本当は話があったから、探していたのだけど…。
午後の授業が始まり、ため息と共に理由のわからない気持ちを持て余したまま、勉強する。気分がイマイチなのか、どうも頭に入らない。
特にものすごくショックを受けた?、わけでは無い。婚約者と言っても、恋愛感情からではないし、結局のところ家同士の契約みたいなものだ。
お互い仕方ないねって、笑っていたくらいなのだから。
夫婦にはなれなくても、兄弟みたいに、
家族のように暮らそうって思っていたから。
でも条件として、恋人を作るのはちゃんと結婚してからのはずだったのに…。
そうしているうちに授業が終わり、まともに勉強できてないままに、だらだらと片付けをして放課後になった。
図書館に寄って勉強しようか、なんて気分にもなれず、このまま帰ることにした。
迎えが来る時間でもなかった。待っていてもよかったけど…。
今待っていて、もし鉢合わせしたら?
ヤダな…。
いいや、歩いて帰ろう……。
一人でゆっくり歩いて帰れば。
歩けば結構な時間がかかるけど、何も考えずに歩くにはちょうどいい。
誰にも会いたくなかったし、会いたいとも思わない。
自分の気持ちに整理がつくまで、一人で居たい。
そうしよう。
思わず声が出てしまった……。近くには誰もいないから、声は聞かれてないと思う。
僕の見ている先には、仲の良さそうな二人がいた。
ベンチと言うにはちょっと無骨な長方形の石?がそのまま置かれている。椅子に使われたり、誰かが寝ているのを見かけたりと、色々便利に使われているものだ。
そのベンチのようなものに、並んで座っていた。仲が良さそうに笑顔で話をしているように見えた。
なんだか楽しそうに話をして、声を掛けにくい…。
学校の中庭の外れにあって、よく見ないとわかりにくい隅のところにある。
でも、人が座っていればわかるし、そうして誰と誰がいるのかは見ればわかってしまう。
僕はそのベンチに座っていた片方の人物をよく知っていた。だって一応、僕の婚約者なのだから。
昼の予鈴も鳴り、あと少しで午後の講義が始まる。僕は急いで教室に戻っていった。
本当は話があったから、探していたのだけど…。
午後の授業が始まり、ため息と共に理由のわからない気持ちを持て余したまま、勉強する。気分がイマイチなのか、どうも頭に入らない。
特にものすごくショックを受けた?、わけでは無い。婚約者と言っても、恋愛感情からではないし、結局のところ家同士の契約みたいなものだ。
お互い仕方ないねって、笑っていたくらいなのだから。
夫婦にはなれなくても、兄弟みたいに、
家族のように暮らそうって思っていたから。
でも条件として、恋人を作るのはちゃんと結婚してからのはずだったのに…。
そうしているうちに授業が終わり、まともに勉強できてないままに、だらだらと片付けをして放課後になった。
図書館に寄って勉強しようか、なんて気分にもなれず、このまま帰ることにした。
迎えが来る時間でもなかった。待っていてもよかったけど…。
今待っていて、もし鉢合わせしたら?
ヤダな…。
いいや、歩いて帰ろう……。
一人でゆっくり歩いて帰れば。
歩けば結構な時間がかかるけど、何も考えずに歩くにはちょうどいい。
誰にも会いたくなかったし、会いたいとも思わない。
自分の気持ちに整理がつくまで、一人で居たい。
そうしよう。
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