エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

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夜は長くて、⑶

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 どうしても、自分の好きな体勢で、したくなってしまう。
 ベッドの上で、自分の膝の上に彼を乗せ、坐位になって。

 そうすると、体がくっつきやすいし、なにより負担が、かかり難いと思う。向かい合わせてなら、顔も見やすいし。

 恥ずかしそうで、少し正気で、甘えくれないのは残念だ。

 前と同じように、肌の上を滑らすように撫でていく。ほんのり暖かい彼の体温が、また少し上がったように感じる。

 くっつかれすぎて、動けなくなってしまう。笑いながら動けないよ、と言っても、恥ずかしいのか、返事をしてくれない。

 小さな声で、好きにしていいよと、言われた。

 発情期の終わりが近いから、意識がしっかりしてる。それでも、まだ終わってないと、言ってる。

 どっちでもいい。こうして、腕の中にいてくれる。今のうちに、伝えなくては。

「大好きだよ」と

「いっぱい気持ちよくなろうね」
 彼が、苦しくないように。また自分と居てくれるように。

 肌を合わせて、彼と繋がる。
 暖かくて、いとおしい。

 彼の喘ぎ声に、ぞくぞくする。
 それだけで、気持ちいい。

 でも、ずっとは繋がっていられない。でも、ずっと繋がっていたい。

 つい、首筋に歯を立ててしまう。赤くなったそのアトを舐め上げた。

 彼の体が、ひくひくと痙攣しはじめた。もうすぐ、限界が近いのだろう。

 ずっといっしょにいたいけど、終わりはくる。

 夜は長くても、いつか明けてしまうから……。










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