エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

文字の大きさ
上 下
52 / 67

中山くんの話(第三者)

しおりを挟む
 時間が少しさかのぼり、水澄が休暇をとるため、中山に連絡した辺りです。



 水澄さんから連絡があり、発情期がきたから、休むと。

 もうすぐくる、と言っていたから別に驚くことでもない。前もってわかっていたので、水澄さんはちゃんと準備をしていた。
 あとは、自分が対応しておくだけ。

 だけど、風当たりはいいとは言えないけど。

 僕達に 、迷惑にならないようにと、水澄さんは先回りして、色々な事に対して、準備をしてくれる。

 それでも、からかったり、軽蔑したり、わかってくれない人の方が多い。

 会社として、ヒート休暇は認められている。でもやっかみが絶えない。

 それがわかっているからこそ、目の前の事にも、抜かりのないようにと、水澄さんが必死になっている。

 どう見ても、理不尽な仕事にも対応している。でも、ちょっとと思わなくもない。

 がんばっているのはいいけど、もう少し、気を抜いてもいいと思う。

 いつも何かに、気をはりつめていて、職場では、本当に仕事ができる、
 ように見える。

 でも、それは水澄さんが、がんばってやっているだけであって、ギリギリなんじゃないかと思う時がある。

 たまに、顔色が悪くて、大丈夫ですかと聞いても、
 大丈夫だよ、とその返事しか、返ってこない。

 だから、できる事は手伝って、少しは負担を軽くしたいが、できない事も
 多々ある。
 水澄さん一人に、負担がかかっている。
 それでも、なんとかなるから大丈夫と、微笑みながら、言っている。

 これからは、水澄さんのもっと助けになるように、がんばらないと。


 ………それにしても、さっきもらったメッセージ…。
 ホントに水澄さんが、打ったのかな?

 定型文の見本みたいな文。水澄さんが打ったにしては……。
 何かひっかかる。ひょっとしたら、誰かといっしょにいたりして。

 ヒート休暇が終わって、出勤してきたら、絶対聞いてみよう!!

 カッコいい人とかと、いっしょにいたりして。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

想いの名残は淡雪に溶けて

叶けい
BL
大阪から東京本社の営業部に異動になって三年目になる佐伯怜二。付き合っていたはずの"カレシ"は音信不通、なのに職場に溢れるのは幸せなカップルの話ばかり。 そんな時、入社時から面倒を見ている新人の三浦匠海に、ふとしたきっかけでご飯を作ってあげるように。発言も行動も何もかも直球な匠海に振り回されるうち、望みなんて無いのに芽生えた恋心。…もう、傷つきたくなんかないのに。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

忘れ物

うりぼう
BL
記憶喪失もの 事故で記憶を失った真樹。 恋人である律は一番傍にいながらも自分が恋人だと言い出せない。 そんな中、真樹が昔から好きだった女性と付き合い始め…… というお話です。

ひとりのはつじょうき

綿天モグ
BL
16歳の咲夜は初めての発情期を3ヶ月前に迎えたばかり。 学校から大好きな番の伸弥の住む家に帰って来ると、待っていたのは「出張に行く」とのメモ。 2回目の発情期がもうすぐ始まっちゃう!体が火照りだしたのに、一人でどうしろっていうの?!

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

別に、好きじゃなかった。

15
BL
好きな人が出来た。 そう先程まで恋人だった男に告げられる。 でも、でもさ。 notハピエン 短い話です。 ※pixiv様から転載してます。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

離したくない、離して欲しくない

mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。 久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。 そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。 テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。 翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。 そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。

処理中です...