エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

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終わった後。、

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 一回食べて寝て、だいぶしゃっきりしてきた。色々世話を焼かれて、ありがたいやら、恥ずかしいやら······。

 実際のところ、かなり···助けてもらってありがたいけど。
 体があちこち、悲鳴を上げている···。変なところが痛いし、関節もちょっと痛い···。

 本当に····
 恥ずかしいそれにつきる···
 いったい、何をどうしていたのか···

 でも、恥ずかしくても確認しないといけないことがあるから、どうしても聞かなくてはならない。

「え~と、渡辺さん?」
「はい」

「あの···、ちゃんとお名前を聞いてなかったので·····」
「そうですね、お互いに名字は聞きましたが、名前を聞いてませんでしたので」

「すみません····」
「大丈夫ですよ」
 なんか色々、今さら感、満載だ。

 ここまで、こういう関係になってしまったのに、お互いに名前を知らないって、アリなのか?。


「それで······、今さらなんですが、ちゃんとお名前をお聞きしたいと思いまして······」
「じゃあ、ちゃんと自己紹介をします、僕は、渡辺   一太といいます」

「あの···、水澄   星也です···」
「どういう字を書くんですか?」

 少し変わっている名前は説明がに必要だ。

「えっと···、みすみの方は前に説明したと思いますが、ほしなりは···」
「?」
「星という漢字に也(なり)です」

 仕方ないので、机の上のペン立てからボールペンとメモを取ってもらって、書いていった。
 はっきり言って、自分の名前が好きではない。
 よく言われるアレがあるから。

「これって···」
「よく言われます·····」
 そう。星に也と書いて、星也(ほしなり)だけど、もう一つ、とても有名な読み方がある。
 けど、絶対に某有名キャラの名前読みではない。

「そうですか···」
 それ以上、突っ込まれなかったからそのままにした。

「渡辺さんの漢字は?」
 話題は変えるに限る。

「僕の漢字は、簡単ですよ」
 そう言って、書いてくれたのは、よく見る渡辺の漢字と漢数字の一と太い、だった。

「そうですね」
 それ以上続かなかった。

「あ、すいません、」
「どうしたんですか?」
 急に謝られても、何かあったのか?

「そういえば、何日か前に会社の方だと思いますけど、メッセージがありましたよ」
「えっ…」

「確認してもらったら、いいと思いますけどあの時にきてたから、とりあえず僕が連絡させてもらったのですけど」
「······そうですか、···ありがとうございます···」

 これ、出勤したら絶対言われるやつだ。連絡してもらって助かるけど、行ってから、何言われるか···、手に取るようにわかる···。

 渡辺さんが、スマホを持ってきてくれたので、確認した。
 日付を見ながら、見てない分を見ていった。
 あの発情期前の連絡から、2日後に、中山くんから、落ち着いたら連絡くださいと、松本さんから、相手は誰ですか?だ。誰が言うか。

 それと渡辺さんが、打ったメッセージは、簡潔で発情期がきたようなので、休みますだった。
 俺が打ったとも取れるような文面だけど、ちょっと違うような気もする。

 ちょうどいいので、今の内に連絡しておこう。

 [急に長く休んでごめん、迷惑かけたから出勤したら、埋め合わせするね]
 そんな感じで、中山くんにメッセージを送った。

「終わりました?」
 声をかけられて、前を向いた。
「すいません」
 色々見てたら忘れてた。

「いきなりですけど、これから僕達付き合いませんか?」
 渡辺さんが、真面目に言ってきた。

「へっ?」
「こういう関係になったのだし、このままで終わりというのも、どうしても寂しいと思って」

 こちらとしては、これで終わりでもかまわないけど······。
 一瞬、ヤリ逃げって言葉が浮かんだ。こちら側でもそういうのか?。

「だけど、渡辺さんが迷惑になるんじゃないですか?」
 遠回しに回避できないか言ってみた。

「いえ、まったく大丈夫ですよ、誰もいませんので」
 伝わらない····。

「それか、水澄さんには誰か好きな人がいるとか?」
「そんな人はいません···」

 そんな人がいたら、発情期に苦労はしない。お付き合いするとか、仕事ばかりで考えなかったから。

「それじゃお付き合いしましょう!」
 爽やかに言われても、どうしよう···









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