エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

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それから。、その後、

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 ずっと流されるままだった。

 何をされてもかまわない。自分自身が相手を欲しくて、飢えたままだった。

 本能が相手を求めているのに、必死で抗って、そしておきるのは、抗うことのできない爆弾のような欲情。

 そうして、今、相手が見つかってしまった。彼が相手をしてくれると。

 それだけで、いいから。   今だけでもいいから。俺といっしよにいてよ。
 後から、何も言わない。今だけ、俺に、欲しいものを与えて欲しい。

 どれだけ時間が過ぎたんだろう。暖かくて、気持ちよくて、欲しいものが与えられて、このままいたいと思って。

「····ん··」
 まだナカで、埋まっているのモノがある。
 どれくらい時間が経ったのか。少しは、意識がはっきりする。

「落ち着いた?」
 たぶん、正気に戻ったのが、彼にわかったようで、目を合わせて言ってくれた。けど、この状態で言われても、恥ずかしい。

 恥ずかしい過ぎて、自分からキスして、ごまかそうとした。

 彼が少し笑って、答えてくれた。いつの間にか、また坐位になってて、正面からくっついて、軽く揺さぶられる。

 その度に気持ちよくて、またぼうっとする。彼の首筋に手を回して、暖かさを受け取っていた。

「苦しくない?」
 ずっとしているからだろう、俺より彼の方が大変なんじゃないかと、思うけど、気づかってくれる。

「大丈夫」
 当たり前の返事しかできない。彼の匂いも、何に似ているのか考えたいけど、今はわからない。安心できて、優しくて、落ち着く匂い。

 この匂いがなんか好きだ。
 匂いのことのばかり考えていたら、

「いっぱい気持ちよくなろうね」
 そう言われて、恥ずかしさもこみ上げてくるから、発情期も少し落ち着いたみたいだ。
 うつむいて、顔の見えないまま
「うん」
 と返事した。

「·····もう···だめ···」
 体のナカが痙攣して、ひくついているのがわかる。ナカにあるモノをギュっと抱きしめている。

「……んっ」
 お互いにイッたみたいで、自分のナカが、なんだか暖かい。

 二人で顔を見合せて、少し笑ってしまった。

 そして、いつの間にか眠ってしまった。


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