エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

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それから。、

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 今回の発情期が、あまりにも強すぎて相手を求めてしまった。
  相手の声を聞いているだけで、どうしようもなくなり、助けて欲しかった。

「助けてあげる」
 そう言われて、もう無理だった。

 おぼつかない足で、なんとかドアを開ける。立っているのもギリギリで、ドアを開けたとたん、座り込んでしまった。

 抱きしめてくれた時に、本当に安心した。

「体は大丈夫?」
 聞かれて、泣きそうになった。

「ごめんなさい」
 俺の発情期に巻き込んでしまった。

 そういえば、名前もちゃんと聞いたかどうか、覚えてない。それなのに優しくて、意地を張らなくてもいいのだと思える。
 ドアの鍵が、かかった音がした。

「抱き上げていい?」
 体に力が入りにくいけど、立てないこともない。
「なんとか立てるから」
 そう言って、なんとか立とうとしたけど、自分が思っているより早く、横抱きにされた。

「まって、俺重いから」
「大丈夫、羽のようにとはいかないけど、抱き上げられるから」

 まともな時なら、絶対拒否してる状態を、ふわふわした頭では拒否できずに、そのまま受け入れた。

 ワンルームの広いとは言えない部屋に戻って、ベッドに座る。
 横に座っている彼からは、何か匂いがする。何の匂いかわからないけど、
 自分の好きな匂いだとは思った。

「発情期を治めるのだから、そういうことになるけどいい?」
「うん」
 自分でも、子どもみたいな返事してるなとは思った。

 あとはお互いに、流されるままだった。


 ベッドに二人で倒れこみ、どちらともなくキスをした。お互いに本当の恋人が求めているような、深い口づけ。
 頭がだんだんぼうっとして、もっと欲しくなる。

 パジャマシャツの下に、手を入れられて肌を滑っていく。少しだけ荒れた手のひらが、自分の肌をまさぐるように撫でられて、それだけでも気持ちいい。

「痛くない?」
 なにに言われてるのか、わからない。
 撫でられて、そばにいてくれて、それだけでも、嬉しくて、気持ちいい。もっといっぱい撫でて欲しい。

 いつの間にか、彼は壁にもたれて俺は向かい合わせに座るように、彼の膝の上にいた。
 背中から手を回して、俺のナカを指でかきまわされ、ビクッビクッと背中が痙攣する。

「大丈夫?痛くない?」
 そう言われても、もっと激しくして欲しいだけだった。

 自分からキスをして、彼にお願いをする。

「もう···きてよ···」
 体の中から欲しいと伝わってくる。
 もう、ナカをめちゃくちゃにして欲しい···。
「いい?」
「···うん」

「······んっ」
 後ろから少しづつ、入ってくる感覚。
 ナカが擦れて、気持ちいい。少しづつ埋まっていく。

「···ぁ···」
 コツンと奥まであたる。ナカがひくひくしてる。

「痛くない?」
 こんな時なのに、優しく聞いてくれる。
 もう何も取り繕うことはないから、自分のして欲しいことを、
 いっぱいしてもらおう。

「···お願い···、いっぱいしてくれる?」

「いいの?」
「うん」

 返事はどうしても、子どものようだ。

「いっしよにいるよ」
 なんとなく、場違いな返事と思っても、嬉しくて、満たされるようだった。










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