エリートなΩと心の折れたα ~疲れたオメガとやさぐれたアルファ

河まきじ

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バース検査。過去⑶。

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「病院に行って、検査受けて来なさい」
「けど!」
「けど、じゃないの、そろそろ二次性もわからないと、進学だって困るでしょう」
「………」
 何も言い返せなかった。事実だから。
 
 大学でも、二次性のせいで、行く場所が狭まってしまう。アルファが多い学校は、オメガにとっても安全とは言いがたい。
 ベータとアルファなら、まったく問題ないのに。

「なあ、もしオメガだったらどうする?」
「もしって?」
「お前がだよ」
 琉生がそんなことを言いだす。

「ないと、思うけど」
「だよな、オメガだったら将来大変だろうし」
「そうだな」
 軽く、否定しているが内心あきらめもあった。心のどこかで、もしかしたらとも、思っていた。どのみち、検査に行かないと、わからない。

「わかったら、教えてくれるか?」
 琉生は、そんなことを言った。
「なんで?」
「気になるじゃん、俺達付き合い長いし」
「別に、気にすることないと思うけど」
 あんまり、言いたくない。なんとか、回避したい。

「でもさあ~」
「······わかったから、結果でたらな」
 たぶん、言うことはないと思う。ごめん。
それに、16まであと半年はあるから、それまで引き延ばして、  うやむやにしてしまおう。
そうすれば、言いんじゃないか。


そんなことを考えても、時間は過ぎていった。あっという間に、あと1ヶ月で16になる。あきらめて、病院を予約し来週には、行くことになった。
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