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エンディング後の話。、
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「~ちゃんと聞いてる~~~」
「大丈夫。ちゃんと聞いてるよ」
飲み終わった空き缶を片付けしながら返事をすると、少し泣きだした君は、ぐずぐず言いながら、また言いだした。
「だって、俺悪くないもん……」
「わかってる。また無理言われて引き受けたんだろ、大変だったらやめたらいいのに」
「けど~~……」
酔っぱらってまた泣き出したので、橫に座って抱きしめた。必死でがんばるのはわかってる。
さんざん無理をしたあとに、こうして酔っぱらいになり愚痴を吐く。
僕でよければいくらでも、なぐさめてあげるけど、もう少しゆったり仕事ができる状況だといいのにと思うのは、わがままなのかな。
「やめたいの?」
「絶対ヤダ」
「冗談だよ、でも何かあったら助けるから」
「……ありがと…………」
「……?」
「………」寝ちゃったみたい。
ベッドまで運んで寝かせると、少し目を開けた。
「いっしょに寝てくれないの?」
「ちょっとだけ片付けたらね」
「わかった。まってる、ごめんね…」
「すぐ来るから」
酔ってぽやぽやしてくると、子どものように、甘えてくる。
愚痴を言っても、仕事を辞めたいとは言わない。こうして、僕にとってのかわいい酔っぱらいができてしまう。
あまり飲み過ぎるのも、良くないとは思うが、辞めさせるのはかわいそうだし、なにより普段でも、甘えてくれるのは嬉しい。
仕事が忙しいと、どうしても家事をする時間はなくなってしまう。
本人は、家事ができないと落ち込んでいたけど、掃除や家事なんて、できる方がやればいいと思う。僕ができることは、何でもしてあげる。
そんなことを考えながら、ちょっとだけ明日の準備をして、君が寝ているベッド入った。
アルコールの匂いとほんの少しミントの匂い。寝ている姿を見て、そして抱きしめて寝た。
「僕のがんばり屋さん」
暖かくていとおしい。
しあわせだと思った。
「大丈夫。ちゃんと聞いてるよ」
飲み終わった空き缶を片付けしながら返事をすると、少し泣きだした君は、ぐずぐず言いながら、また言いだした。
「だって、俺悪くないもん……」
「わかってる。また無理言われて引き受けたんだろ、大変だったらやめたらいいのに」
「けど~~……」
酔っぱらってまた泣き出したので、橫に座って抱きしめた。必死でがんばるのはわかってる。
さんざん無理をしたあとに、こうして酔っぱらいになり愚痴を吐く。
僕でよければいくらでも、なぐさめてあげるけど、もう少しゆったり仕事ができる状況だといいのにと思うのは、わがままなのかな。
「やめたいの?」
「絶対ヤダ」
「冗談だよ、でも何かあったら助けるから」
「……ありがと…………」
「……?」
「………」寝ちゃったみたい。
ベッドまで運んで寝かせると、少し目を開けた。
「いっしょに寝てくれないの?」
「ちょっとだけ片付けたらね」
「わかった。まってる、ごめんね…」
「すぐ来るから」
酔ってぽやぽやしてくると、子どものように、甘えてくる。
愚痴を言っても、仕事を辞めたいとは言わない。こうして、僕にとってのかわいい酔っぱらいができてしまう。
あまり飲み過ぎるのも、良くないとは思うが、辞めさせるのはかわいそうだし、なにより普段でも、甘えてくれるのは嬉しい。
仕事が忙しいと、どうしても家事をする時間はなくなってしまう。
本人は、家事ができないと落ち込んでいたけど、掃除や家事なんて、できる方がやればいいと思う。僕ができることは、何でもしてあげる。
そんなことを考えながら、ちょっとだけ明日の準備をして、君が寝ているベッド入った。
アルコールの匂いとほんの少しミントの匂い。寝ている姿を見て、そして抱きしめて寝た。
「僕のがんばり屋さん」
暖かくていとおしい。
しあわせだと思った。
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