僕と父と弟(妹)の話

河まきじ

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最初に

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「ありがとう」
 そう言って、彼はトレーごと受け取ってベッドサイドにある小さなテーブルに置いた。そして、トレーの上にあったスープ皿(かな?)を手渡してくれた。

(…なにこれ?)
「食べられそう?」
「これは?」
「あれ?、好きだったよね、ミルク粥」
(えっ、あっ、やばい!)
「そうです!、ありがとうございます」
「ゆっくり食べるといいよ」
「はい」

 そう言われて、ミルク粥とやらを食べる。スプーンで掬って食べてみるけど…。
(おいしくない、ことはないけど…、甘いなぁ…、こんな時は普通のお粥が食べたいなぁ…塩あじのやつ…、そっか、ひょっとしたらお米がないのかも、よくあるよな、お米ってたしか地域が限られるって)

 甘く味のついたミルク粥を食べながら、話の続きがやっと始まった。

「食べながらになるけど、どうしてこんなことになったのか、ちゃんと話そう」
 やっと話してもらえると、安堵した。
「お願いします」

「まず……」
 そうして聞いている。
 最初に、ある家に招待されて行ったこと。
 仕事の事もあったが、子供達の交流もということで、いくつかの家から、子供達が来ていたこと。
 そして、親達は仕事やら、情勢の色々があって、長く話しをしていた。

 子供達の方は、社交の練習も兼ねて、お茶会のようなものをしていた。(らしい。)その時に、子供達がケンカを始めて、俺が巻き込まれて、水に落ちたみたい。
 でも、落ちて直ぐに助けられたから、俺は得に問題なく、普通にしてた。
 帰ってきてから、徐々に具合が悪いなり始め、熱が出始めてからは、どうなることかと心配していた…。

 ということみたい…。
(あれ?、家ってどんなとこ?、それにお茶会って何?、ケンカ?してたの?)
 頭の中にハテナが10や20浮かんだ。
 本当に知りたい事が、隠し気味に話されて、もっと詳しく聞きたいけど、今この場で聞くのが正しいのか、自分ではわからない。

(でも、まぁ)
「教えてくれて、ありがとうございます」
「だいたい、わかった?」
「そう思います」

 食べ終わったお皿を渡して、水を飲み終わると、また眠くなってきた。

「あまり無理するとよくないから、もう休んだ方がいい」
 そう言われると反論できないし、実際のところ眠い…。

「すみません、休ましてもらいます」
「ゆっくり寝るといいよ」
「はい」

 ベッドに横になると、すぐに眠ってしまった。
(考えたいことも色々あるけど、また後でいいや…)

 問題を先送りした感は気のせいかな?

















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