殺し屋と霊

桐原まどか

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殺し屋と霊

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〈彼〉は失敗したのだ…。
まさか、息の根を止めたはずのターゲットが、霊魂となって攻撃してくるなんて…。
想定外もいいところ。ギャグ漫画もかくやの展開だ。
しかし…〈彼〉は一流の殺し屋だ。
まさか依頼人に、幽霊になったターゲットを近付ける訳にいかない。
こうなれば…なりふり構わず、〈彼〉はいわゆる霊能者を頼った。
霊能者は言った。
「自分を殺したあなたを憎み、狙っている」
「あなた自身が祓うしかない」
※※※※
数年の時と修行を経て、〈彼〉は一流の霊能者になった。元々血腥い世界にいた身。
そうして、〈彼〉が技術を修得する間、結界を張っていてくれた、あの時の霊能者―彼女が言った。
「準備はいい?」
〈彼〉が頷くと結界を解く。
一斉に襲い来る、あの時のターゲットを始めとした、〈彼〉に恨みを持つ霊魂がひと塊になって、嵐のごとく。彼は踏ん張った。
気を集中し…「破っ!」
の一声で消し飛ばした。
こうして〈彼〉は霊すら殺せる殺し屋として、界隈に再び、名を轟かせることになった…。
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