君が望んだ終焉の果てに

屑籠

文字の大きさ
上 下
44 / 47
魔王城編

6 END

しおりを挟む
side:???

 起きれば、ベッドの上にいた。
 どうして、ここに眠っていたのか、ここはどこなのか。

「おはようございます、ご主人様」
「誰?」
「ご主人様が作り上げた一体、メイド型ゴーレム、侍女長型一号機でございます」
「メイド型ゴーレム?俺が、作った?」

 彼女は何を言っているのだろう?と首をかしげる。
 作った記憶など、ない。
 そもそも、ここはどこなのだろう?

「オビト?起きたの?」

 ひょっこりと部屋に顔を出したオルフェ。
 キョトン、とした顔でオビトは首を傾げる。

「旅の人?ここは、旅の人の家なの?」
「オビト……?」

 オルフェは首をかしげ、オビトを見ていた。
 どうにも、オビトらしくない。らしくない、というよりも奪われてしまっている気がする。

「オビト、フラムドは覚えている?」
「フラムド……?だれ?」
「……っ、オビト、ニュクスのことは?」
「ニュクス……?誰のこと?」

 オルフェは、息を呑み、悲しげに、顔を歪める。
 どうして、そんな顔をするのかオビトには分からない。
 
「旅の人?」
「オルフェ、でしょ?全く、君は、名前を覚えない子、だね」
 
 どこかで、聞いたことのあるセリフを吐きながら、オルフェはオビトを抱きしめた。
 もう時間がない、とつぶやいたオルフェはチラリとゴーレムたちをみる。
 彼女たちは、弁えたように頭を下げ、部屋を出て行った。

「どうして、進んじゃったのかな……?」
「オルフェ?」
「本当は、こんな風にしたかったわけじゃないのに」

 ごめんね、と囁くオルフェはオビトに口付けた。
 驚き、一瞬固まったオビトは、顔を段々と赤く染め、目を見開いた。

「なっ、なぁっ!?」
「あぁ、良かった。羞恥心はまだあったのか」

 ほっとした顔をしたオルフェは、それでも手を止めることもなく。
 オビトも抵抗してみるものの、それでもオルフェ相手だからか、本気で抵抗できない。

「ぁっ、んっ!オルフェ、なに?なん、で?」
「オビトが好きだから、じゃだめ?」

 だめだって言っても、止められないんだけど、と笑う。
 抵抗しても、無駄だってわかったから、手で自分のものとは思えない声が漏れる口を塞ぐ。

「んっ、ふっ、ぁっ……、ぅぅ……」
「可愛いな、オビト」

 必死に声を抑える姿を可愛いという。こっちは必死なのに、と睨めば、オルフェは楽しそうに笑う。
 可愛い、可愛いというけれど、オビトにはそれどころではない。
 オルフェの手がオビトの体を弄るたび、オビトは何も考えられなくなってしまう。

「ア、ゃ、ぅ……っ、ひっ、アッアァッ!」

 中に入ってきた指が震え、中を弄るたびに腰をくねらせ、オビトは逃げるように動くが、オルフェはそんなオビトの様子も楽しそうに見ていた。

「ん~、そろそろいいかな?」

 ずるずると中から指が抜けていくと、体を震わせながらもオビトはほっと息を吐く。
 
「ねぇ、オビト。覚めない夢は無いと思わない?」
「ふぇっ?ゆ、め……?ぁっ、アァーーっ!!」

 問われた事を頭で理解しようとするうちに、ぐぷっ、と音を立てながら中にオルフェのものが入ってきた。
 オビトは訳も分からず、目の前のオルフェの体にしがみつく。
 中をオルフェの熱いそれがこすり上げるたびに、声が止まらない。
 移動していくそれが、リアルに感じられて息を詰める。そんなオビトをよしよしとオルフェは頭を撫でた。
 オビトの中が緩むたびに、オルフェのモノが進む。
 どれだけの時間がたっただろうか?奥に、オルフェのモノが付いたのが分かる。
 はぁ、はぁ、と荒い息が漏れ、少し動くだけでも体が震えた。

「はっ……、はぁ、……んっ?」

 オビトは少し落ち着いてくると、中にあるその存在を、少し、懐かしいと感じた。

「オビト?」
「おれ、どこかで……ぁ、んっ!」
「そっか……でも、今は俺に集中して?」

 そうして、口を塞がれ少しずつ中も動く。
 オルフェに抱き着き、少しでもぞわぞわとする感覚を逃がそうと、体を揺らす。
 ゆっくり、確実にオルフェの動きは早くなっていく。
 中のしこりが突かれるたびに声は酷く上がり、余計にオルフェへと抱き着いた。

「ん、くっ、だす、よ?」
「ん、あ、ぁああぁあああああっ!!」

 中で、出された熱いしぶきにびくびくと体が震えた。
 はぁはぁと息が上がる中、悲しそうな顔をしたオルフェは、そっとオビトの顔を撫でて額を合わせる。

「オビト……おやすみ、そして……さよなら」
「おる、ふぇ……っ?」

 視界から消え入りそうなオルフェへと手を伸ばしたかったが、オビトの体は先ほどまでオルフェの体をつかんでいた筈なのに、鉛でもついているかのように動かない。
 ぼやける視界、ぴしっ、ぴしっ、と世界が軋む音。
 行かないで、と言いたくでも出ない声で、もがき続けながら闇の中に落ちた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

青少年病棟

BL
性に関する診察・治療を行う病院。 小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。 ※性的描写あり。 ※患者・医師ともに全員男性です。 ※主人公の患者は中学一年生設定。 ※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...