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ラジエラ編
14 END
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リオンとの買い物で、首を傾げられながらそれでも食料品などを買って、帰った。
次の日には、ギルドに次の街へ行くと告げる。
「そうですか……手続きは、あまりありませんが、少々お待ちくださいませ」
ギルドカードを受け取った受付の人は、あの日のグルガスのように、何やら設定をいじっているようにも見える。
それを待っている間に、ギルドの掲示板の説明をリオンがしてくれる。
「これが、S~Aランクの掲示板です。隣が、B~Cランク、その隣がD以下の掲示板となります。私たちがパーティとして受けられるのは、この掲示板ですが、あなたが一人で受けるときに見るべきは隣の掲示板です。ほぼ、どのギルドでもこの並びは変わりません」
並び順が変わらないなら、どこに行けばいいのかわかりやすくていい。
ラジエラも、グレハスも大きな支部だったが、小さい支部というのもあるのだろうか?
小さな支部がある街ならば、それほど人もいないだろうし、暮らしやすいのではないか?と思うのだが。
「掲示板で、依頼を見るときはまず緊急のものがないか確認してください」
「き、緊急?」
「特定指定の魔物などが出てきた場合、住民に被害が及ぶ前に討伐する義務が、冒険者には生じます。緊急の依頼掲示板は普段カウンターの中に隠されていますが、ここに掲示板が四枚並ぶときは、真っ先に確認してください。そして、それが自分の手の及ぶ範囲でしたら行動してかまいません」
そこに、ランクの指定などは特にあったりしないが、明らかに手に負えないとなれば、やめたほうがいいという。
討伐依頼が主なので、部位さえ持ってくれば達成とみなされ、ギルドの鑑定、確認の元、金額が振り込まれる。
「また、ランクの依頼を受ける時に見るべきは、依頼内容と報酬についてです。ほぼ、依頼の報酬はお金と決まっていますが、時には報酬がお金ではない事があります。それは特殊な依頼ですので、なるべくなら手を出さない方が無難でしょう。討伐依頼や採取依頼ですと、ギルドで依頼金額を固定していますから大丈夫ですが、低ランクになればなるほどある、雑務依頼などは報酬が一定化されておりません。報酬に納得するならば、よろしいのですがあまり受けるのをおすすめはしません」
「そう、なんだ……」
まぁ、依頼は受けないからあまり詳しく聞いても……とは思うのだけれど、ただ、気になっていたことは知れたのでよかった。
そうこうしている間に、受付の人から呼ばれた。
事務処理が終わりました、との事でギルドカードが帰ってくる。
色は変わっていなかったけれど、中は何が追記されているのか。ちょっと気になる。
「また、ラジエラにいらしてくださいね」
「……う、うん」
ギルドに何かしたっけか?と思うけれど、とりあえずうなずいておく。
あ、もしかするとリオンとフラムドたちに言った言葉なのかも知れないと思う。
まぁ、返事をしてしまった後だから、どうにも成らないけれど。
「手続き、終わったのか?」
「お、終わった」
「じゃあ、馬車の手配でもするか」
「え?」
え?と反応した俺に対して、え?とフラムドが聞き返してくる。
馬車、という移動手段など全く想像していなかった。
そもそも、馬車はあまり好きではない。ここからなら何日か乗ることになるのだろう。絶対嫌だと思った。
「ば、馬車?」
「お前はどうやって砦の街に行こうとしてるんだ?馬か?馬なんて乗ったこと無いんだろうが!」
「と、徒歩で?」
はぁっ!?死ぬ気かっ!?とフラムドは驚くけれど、なぜ驚かれたのか。
「フラムド、思い出してください。彼、グレハスの街からラジエラまで歩いてきてるんですよ?それに……彼に合わせると言ったのは、私たちの方ですよ?彼に合わせて徒歩で行くべきでしょう」
「いや、まぁ……言ったけどよ……いや、やっぱ徒歩だぞ?いつぶりだよ!?」
「文句言わない、愚痴愚痴言わない。なら、先に砦の街に行っていてもいいですよ?私は、彼と一緒に行きますからね」
「行かねぇとは言ってねぇだろ!?」
あーもうっ!!とフラムドはそれでも納得していないような感じでため息を吐いた。
そんな二人を放置しながら、歩き出す。
そういえば、初日にあったあの渋滞のような状況には成らないのだな、と周りをみて思う。
姉が言っていた言葉を、ふと思い出した。
「美人は三日で飽きる、かな?」
なるほど、それがこの現象かと覚えておく。やはり、姉は偉大だと思い出す。
次の街へ行く、と門を通れば、良い旅を、と門番に送り出された。
さて、と帝国の方角にある森に突き進む。
どれだけ進めば、砦の街に行けるのかはわからないが、まだ冬ではない。
食料には困らずに行けそうだ、と森の植物をみて思った。
次の日には、ギルドに次の街へ行くと告げる。
「そうですか……手続きは、あまりありませんが、少々お待ちくださいませ」
ギルドカードを受け取った受付の人は、あの日のグルガスのように、何やら設定をいじっているようにも見える。
それを待っている間に、ギルドの掲示板の説明をリオンがしてくれる。
「これが、S~Aランクの掲示板です。隣が、B~Cランク、その隣がD以下の掲示板となります。私たちがパーティとして受けられるのは、この掲示板ですが、あなたが一人で受けるときに見るべきは隣の掲示板です。ほぼ、どのギルドでもこの並びは変わりません」
並び順が変わらないなら、どこに行けばいいのかわかりやすくていい。
ラジエラも、グレハスも大きな支部だったが、小さい支部というのもあるのだろうか?
小さな支部がある街ならば、それほど人もいないだろうし、暮らしやすいのではないか?と思うのだが。
「掲示板で、依頼を見るときはまず緊急のものがないか確認してください」
「き、緊急?」
「特定指定の魔物などが出てきた場合、住民に被害が及ぶ前に討伐する義務が、冒険者には生じます。緊急の依頼掲示板は普段カウンターの中に隠されていますが、ここに掲示板が四枚並ぶときは、真っ先に確認してください。そして、それが自分の手の及ぶ範囲でしたら行動してかまいません」
そこに、ランクの指定などは特にあったりしないが、明らかに手に負えないとなれば、やめたほうがいいという。
討伐依頼が主なので、部位さえ持ってくれば達成とみなされ、ギルドの鑑定、確認の元、金額が振り込まれる。
「また、ランクの依頼を受ける時に見るべきは、依頼内容と報酬についてです。ほぼ、依頼の報酬はお金と決まっていますが、時には報酬がお金ではない事があります。それは特殊な依頼ですので、なるべくなら手を出さない方が無難でしょう。討伐依頼や採取依頼ですと、ギルドで依頼金額を固定していますから大丈夫ですが、低ランクになればなるほどある、雑務依頼などは報酬が一定化されておりません。報酬に納得するならば、よろしいのですがあまり受けるのをおすすめはしません」
「そう、なんだ……」
まぁ、依頼は受けないからあまり詳しく聞いても……とは思うのだけれど、ただ、気になっていたことは知れたのでよかった。
そうこうしている間に、受付の人から呼ばれた。
事務処理が終わりました、との事でギルドカードが帰ってくる。
色は変わっていなかったけれど、中は何が追記されているのか。ちょっと気になる。
「また、ラジエラにいらしてくださいね」
「……う、うん」
ギルドに何かしたっけか?と思うけれど、とりあえずうなずいておく。
あ、もしかするとリオンとフラムドたちに言った言葉なのかも知れないと思う。
まぁ、返事をしてしまった後だから、どうにも成らないけれど。
「手続き、終わったのか?」
「お、終わった」
「じゃあ、馬車の手配でもするか」
「え?」
え?と反応した俺に対して、え?とフラムドが聞き返してくる。
馬車、という移動手段など全く想像していなかった。
そもそも、馬車はあまり好きではない。ここからなら何日か乗ることになるのだろう。絶対嫌だと思った。
「ば、馬車?」
「お前はどうやって砦の街に行こうとしてるんだ?馬か?馬なんて乗ったこと無いんだろうが!」
「と、徒歩で?」
はぁっ!?死ぬ気かっ!?とフラムドは驚くけれど、なぜ驚かれたのか。
「フラムド、思い出してください。彼、グレハスの街からラジエラまで歩いてきてるんですよ?それに……彼に合わせると言ったのは、私たちの方ですよ?彼に合わせて徒歩で行くべきでしょう」
「いや、まぁ……言ったけどよ……いや、やっぱ徒歩だぞ?いつぶりだよ!?」
「文句言わない、愚痴愚痴言わない。なら、先に砦の街に行っていてもいいですよ?私は、彼と一緒に行きますからね」
「行かねぇとは言ってねぇだろ!?」
あーもうっ!!とフラムドはそれでも納得していないような感じでため息を吐いた。
そんな二人を放置しながら、歩き出す。
そういえば、初日にあったあの渋滞のような状況には成らないのだな、と周りをみて思う。
姉が言っていた言葉を、ふと思い出した。
「美人は三日で飽きる、かな?」
なるほど、それがこの現象かと覚えておく。やはり、姉は偉大だと思い出す。
次の街へ行く、と門を通れば、良い旅を、と門番に送り出された。
さて、と帝国の方角にある森に突き進む。
どれだけ進めば、砦の街に行けるのかはわからないが、まだ冬ではない。
食料には困らずに行けそうだ、と森の植物をみて思った。
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