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とびきり甘やかしてくれるみたいです?

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 アイドルグループさんでさえ、ううん? と首を傾げたくなる方もいらっしゃる時があるような気がするけど、イケメン村はほんとうに全員が、口から魂が出そうな輝くかんばせだった。

 顔面☆オール5の実力……!
 す、すごい……!

 顔面の評価がなぜあったのかを、心の底から理解した。
 これは皆に訴えたい。

『真剣にイケメン村だ!!』って!


 ぎゅ、と繋がったままの手が握られる。

「結芽、口開いてる」

 ぶすりと拗ねたように呟く陵の、ほんの少し尖った唇が、尊すぎる――!

 思わず拝んだら、くすくす、やわらかな笑い声が耳朶に触れる。


「ようこそ、白銀村へ、おひめさま。
 思わぬ大雪で村が停電してしまったのですが、この邸は自家発電でご不便のないようにしております。
 急な変更で申し訳ないのですが、こちらの客室のご用意でもよろしいでしょうか?」

 胸に手をあてて微笑んでくれた人の、やわらかに波打つはしばみの髪がさらさら揺れる。
 髪とおそろいの色素の薄い榛の瞳が、楽しそうに閃いた。

 まつげ、なが――!
 鼻、たか――!
 顔、ちっさ――!!

「結芽」

 ぶすくれた頬で、陵が手を引いた。

「客室見てから決める?」

「あ、いえあの、だ、大丈夫です。
 泊めて戴けるだけでありがたいです。
 どうぞよろしくお願いします!」

 垂直に頭をさげたら、並んでいたイケメンの皆さまが安堵したように微笑んでくれた。

「よかった。
 急なことなので、申し訳なくて」

「いえ、こちらこそ停電の大変な時にお邪魔してしまって申し訳ないです」

 ほわー、ほんとにきれーな顔ってあるんだなー。
 すごいなー。
 映画とかドラマみたいだなー。

 思わず頬をつねってみた。
 うん、痛い夢だな。


「客室に案内するよ」

 微笑んだ陵が手を引いてくれるのに、ありがとうと笑ったら、陵の肩に榛の髪の人の手がのった。

「何ひとりで先走ってるのかな?
 おひめさまは、まだ選んでないでしょう?」

「……あや

 ぐ、と詰まった陵が、吐息した。


「……選ぶ?」

 首を傾げる私に、絢と呼ばれた榛の髪の人が頷いた。

 さっき陵もそんなことを言ってた。
 何かを選ぶのかな?
 浴衣?
 貸してくれたらうれしいな!
 冬は寒そうだけど。
 着方、いまいち解らないけど。


 きょとんとしている間に、私の前に、凄まじいイケメンの皆さまが並んでくれる。

 顔面が輝いてるよ!
 皆、きらきら!
 すごい!
 思わず拍手した。

 ちいさな美少年まで照れくさそうに並んでいて、びっくりする。

「おひめさま」

 うっとりした目で見あげてくれるなんて、サービスが凄過ぎる――!


「我らは皆でおひめさまにご奉仕させて戴きますが、おひめさまのお傍でお仕えする者をひとり、お選びください。
 いつもひめの傍にいて、ひめをとびきり甘やかす者を」

 絢が微笑んで、胸に手をあてた。






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