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おまけのお話

ちゅ

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『ジゼしゃまを起こす』という従僕最大の任務に失敗しがちなリトです、こんにちはこんばんは!

 いつもの失態を取りかえすべく、今日はジゼしゃまに、わいろをつくるのです!

「えへへ」

 ぽふぽふ揺れる耳としっぽが、真白な寝台で眠るジゼをくすぐった。

「……ん……リト、もうちょっと……」

 もごもご呟いて

 ぎゅう

 抱っこしてくれるジゼに、頬が燃える。


「今日は、おやすみ、でしあ。ゆくり、ねむねむ、してくだ、しあ」

 やさしくジゼの頭をなでなでしたら、くぅくぅ寝息が零れてく。

「えへへへへ」

 顔はきっと、熔けてると思う。
 頬杖をついたリトのしっぽは、ぽふぽふだ。

「リトー、わいろ、作るんだろ?」

 ひょっこりジゼの寝室に顔を覗かせた料理長コゴに飛びあがる。

「あい!」

 きゅ、とジゼの手をにぎって
 ちゅ、とジゼの指先に口づけたリトは、熱い頬でふわふわ笑う。

「ゆくり、寝てて、くだしあ」

 ちゅ

 眠るジゼのおでこに、唇をくっつけたリトは、ぽふぽふのしっぽで寝台を降りた。



「……見てるこっちが恥ずかしい……」

 コゴが耳まで真っ赤だ。

「ごめなしあ?」

「そんなにうれしそうに言われてもな!」

「しー、でし!」

「お、おお」

 くぅくぅやすらかに眠るジゼの頭をなでなでしたリトは、そっとジゼの寝室を抜け出した。
 向かうのは厨房だ。


「ほとけーき、つくゆ、でし!」

 むんとちっちゃな拳を握るリトに、コゴが首を傾げる。

「どんなのかわかんねえが、とりあえず言われたものは用意してあるぞ」

「ありあと、ござまし!」

 麦の粉と、牛乳と卵、重曹があれば、だいじょぶなはず!
 たっぷりのはちみつとバターもばっちりだ。


 たくさん眠った休日の朝に、はちみつとバターたっぷりの、ふかふかのホットケーキ!

 喜んでくれるといいな。

 思うだけで、頬が熱い。
 ぽふぽふ揺れるしっぽに、厨房の皆が真っ赤な顔で胸を押さえてる。


「くゆくゆ~、まじぇまじぇ~」

 ふんふん鼻歌を歌いながら、リトが種を混ぜ混ぜする。
 こんがり熱した鉄のフライパンに、たっぷりバターを溶かしたら、しゅわしゅわちいさな泡が立った。

「はー、いー匂い、でし!」

 コゴが焼き型を持ってきてくれて、フライパンに乗っけたら、種をそうっと流しいれる。
 ジュッと音をたてて香ばしい香りが広がった。

「おお!」

 覗き込む皆の目がきらきらしてる。
 ぽつぽつ穴が開いたら引っくり返すよ。

「おお!」

「えへん」

 ぽふぽふしっぽと胸を張ったリトは、三段重ねのホットケーキを焼きあげた。

 四角く切ったバターをのせて、はちみつをたっぷりかけたら、できあがり!


「ジゼしゃまー、わいろ、できたでし!」

 とろけた頬でホットケーキと茶器を乗せたカートを押して寝室に戻ったら、起きたジゼが、拗ねてた。


「……リトがいなかった」

 ぷっくり膨れる、涙目なジゼが、可愛すぎる──!


「ジゼしゃまに、わいろ、作たでし」

「わいろ?」

 きょとんとするジゼの前で、クロッシュを取ったら、あまい香りが広がった。


「僕、作たでし! ジゼしゃま、どぞ!」

 蒼の瞳がまるくなって、とろけたように笑ってくれる。


「……リトが食べさせてくれるなら、食べる」

 きゅ

 リトの指を握るジゼがほんのり紅くて、燃える頬で笑った。
 はちみつでいっぱいのホットケーキを切り分ける。

「ジゼしゃま、あーん」

「……あーん」

 もぐもぐしたジゼの瞳が、輝いた。


「……うまい」

「愛、いぱい、でし!」

 きゅ、とジゼを抱きしめて笑うリトのしっぽが、ぶんぶんだ。


「……今度は、一緒に、つくろう」

「あい! さみしく、させたでし。ごめなしあ」

 ジゼの髪をなでなでしたら、ぎゅうぎゅう抱きしめてくれた。


「ちゅう、してくれたら、ゆるしてあげる」

 おねだりするジゼが、今日もとびきり、かわい──! です!



 ちゅ








────────────

 のんびり更新のおまけまで読んでくださって、ありがとうございます!

 リクエスト2巡目(笑) いぬぞ~ 様の、リトとジゼのいちゃいちゃでした!


 いちゃいちゃしてる……!(笑)と思ったのですが、もしかしてもっと糖度が要る……?(笑)

 ご心配もありがとうございました!
 味覚は、甘みと、酸味と、おいしい、が解るようになりました!(笑)
 繊細な味はわからないので、今はとりあえずおいしいです(笑)




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