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ぴゅー
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リトはあわあわレォンに向き直る。
「無礼、ごめなしあ。皆、レォンしゃま、攻撃すりゅ、勘違い、ごめなし」
噛んだ!
ぺしょりと耳としっぽを垂れるリトに、翼を揺らしてレォンが笑う。
おお、噛んだことに反応してくれた! なんてやさしい!
剣を収めた皆から敵意と戦意が消えたのを理解してくれたのだろう、レォンはぽふりと鼻息をついた。
「ひゃあ!」
リトの耳としっぽがボフボフ揺れて、ジゼが胸を押さえてる。
「皆しゃま、ごめなしあ、でし!」
振り返って叫ぶリトに、ルァルを先頭に並んだ皆が丁寧に頭をさげてくれた。
「闇龍殿に刃を向けてしまったことを、心より謝罪する。
勘違いして、申し訳なかった」
「申し訳ありませんでした!」
深く頭をさげる皆と一緒に、リトも頭をさげた。
「ごめなしあ!」
ぽふりと龍のおっきなしっぽが揺れる。
『謝罪を受けるよ。歯医者は、どうかなあ?』
「は! すぐ聞く、でし!」
あわあわ皆に向き直ったリトは声を張る。
「龍の、歯医者さ、おねが、しましあ!」
顔を見合わせた皆が、引き攣った。
「そ、その、龍の歯医者というのは、寡聞にして存じあげないのだが──」
ルァルの目が、テデを見る。
びくりと震えたテデは、そうっと前に進み出た。
「あ、あの、龍殿に、人間の治癒士の治癒魔法が効くのか解らないのですが、もし痛みや腫れが抑えられるのであれば、そこの力持ちに引っこ抜いてもらえば、な、何とかなるかもしれません!」
ほぼ指名されたカィトが青くなって、ジゼの裾を掴んだ。
「……一緒に頼む」
うるうるな涙目に、かわいそうになったのだろうジゼが仕方なさそうに頷いて、カィトの手をぽんぽんしてる。
「はぅ──! なんて輝けるジゼ×カィト──!」
隣で真っ赤な頬を両手で覆ったアリアスが悶えてる。
一緒に悶えたくなったリトは、あわあわレォンに向き直る。
「治癒まほ、効く、試しゅ、いぃでし、か?」
『試す?』
「いたぃ、ぴゅー! か、ぴゅーなぃ、ためしゅ!」
ぴゅーと手を振るリトに、ジゼが両手で顔を覆ってる。
「……攻撃力は凄まじいけど、それ、通じないんじゃ……」
赤い顔で突っ込むノァの前で、レォンの瞳が瞬いた。
『おお! 副作用は?』
通じた! よかた!
「テデ、ふくさょ、あゆ?」
「ふくさよ?」
首を傾げるテデに、ジゼが唇を開く。
「副作用はあるかと、闇龍様が心配なさっている」
「え!? ジゼさま、闇龍様の言葉が解るんですか!」
仰け反るテデに、ジゼは胸を張った。
「リトの言葉は、解る」
ふふん。
鼻を鳴らすジゼに、リトの頬が熱くなる。
ぽわぽわ揺れるしっぽで、頭をさげた。
「ジゼしゃま、ありあと、ござまし」
「当然だ」
誇らしげに胸を反らすジゼに、ルァルが肩を揺らして笑ってる。
「治癒魔法の副作用としては、魔力が合わない場合、稀に痛みが出ることがあります。ただ闇龍様の魔力と比べて僕の魔力は小さいので、あまり問題はないかと。……効果も少ないかもしれませんが」
眉をさげるテデの言葉に『どうかな?』リトはレォンを見あげる。
『もしょもしょしてる。なんて?』
通じてなかった!
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