【完結】もふもふ獣人転生

ジゼしゃまと一緒！ （絵付き小話）

「俺の画像など、どうでもいいが、リトのを撮ろう」

　拳を握るジゼに、リトはぴょこんと跳びあがる。

「はぅあ！　あ、あのあの、僕の、あの……」

　熱い頬でぱたぱたしっぽを揺らすリトを、伸びたジゼの腕が抱きしめる。

「画像を見る暇もないほど、傍にいて欲しいのに……」

　声が、ちいさく、ちいさくなる。

「……勉強などで忙しいのは理解しているが……リトはすぐ、いなくなるから」

　落ちた声が、掠れて消える。

　耳まで燃えて跳びあがるリトと、ほんのり赤いジゼに、ものすごく複雑な顔をしたテデがちいさく吐息した。

「一緒に撮りますか」

「はえ！？　じ、ジゼしゃま、いしょ、ぼ、僕──！？」

　仰け反ってうろたえるリトに、テデが笑う。

「みみみみみ様が見たいと言ってくださったので、仕方なく！　撮ってあげるよ」

　ぴょこんと跳びあがったリトのしっぽが、ぶんぶん揺れる。

「みみみみみしゃま、天使──！」

「間違いない」

　リトを抱っこしてくれるジゼが、うむうむしてる。

「では大変不服ながら、撮りますよー、ふたりとも、笑ってくださいー！」

　テデが笑って映像魔道具を構える。

　カシャ──！

「……お」

　撮れた絵を見たテデが赤くなって、覗き込んだジゼも真っ赤になった。

「……俺は、こんな、顔を、して、る……のか……」

　耳まで真っ赤なジゼが、ちっちゃな顔を掌で覆ってる。

「私にもくれるんだろうな」

　覗き込んだゲォルグが、にこにこしてる。

「ぼ、僕、僕、僕も、ほしぃ、でし……！」

　耳まで燃えたリトのしっぽが、ぶんぶんだ。
　熱い頬で見あげたら、テデが頭を撫でてくれた。

「画像を見てる暇があるなら、本人を抱っこしてあげてね」

「はぅあ──！」

「ぐぅ──！」


　ジゼと一緒に胸を押さえたリトが、うずくまる。



　胸が、熱くて、痛くて、ぎゅーっとする




　でもその痛みは、とても切なくて、とても、あまくて


　あなただけに、向かってゆくのです









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　みみみみみ様が見たいと言ってくださったので、リトとジゼが一緒の絵に小話をくっつけてみました！　
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リトのしっぽは、ぶんぶんです（笑）
こしょばゆくても我慢するジゼ（笑）