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だめらしい

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 合意なのに、だめだなんて、なんて世知辛い!

 ノィユは涙をのんだ。

 ここは、ひっそり、こっそり、ヴィルとえちえちな夜を──!


「契約しましたから! 違反したら、ヴィルお坊ちゃまの額に『契約違反 凌辱』出ますから! 時刻と回数まで王家に報告が上がって永代保管されますから!」

「ありえないぃいイイ──!」

 ロダとエヴィが絶叫してる。


「ご、ごめんなさい! 僕、僕、我慢します──!」

 号泣しながら誓う。


「……俺も。……ごめん、つい、口から、本音、出た」

「うわあん、ヴィル、僕、ちっちゃくてごめんなさい──!」

 泣きながらお膝に抱きついたら、真っ赤なヴィルが首を振る。


「……ちっちゃいノィユ、だから、俺の、伴侶に、なって、くれた。ノィユがおっきく、なるまで、ずっと、傍に、いられる。……うれしい」

 真っ赤な頬で、笑ってくれる。


「うわあん、ヴィル、あいしてる──!」

 ぎゅうぎゅう抱きついたら、ぎゅうぎゅう抱きしめてくれる。


「……俺も」

 ヴィルのあまいささやきに至上のしあわせを噛み締める息子に、両親が生温かい目になってる。


「いやもう僕も、おかあさんの攻撃をかわすのが大変で──! 鼻血と自制と自慰で死ぬかと思ったよ。なつかしいなあ」

 うむうむする父に(いやその陽の精霊みたいな顔で、ひとりえっちするんだ、じゃなくて、そんなことを3歳児の息子だけじゃなく、息子の伴侶とそのご家族とロダにまで打ち明けていいのか、父!)

「……はァア──!?」

 母の後ろにおどろおどろしい闇が出現してる。
 こわい。


 ノィユはきゅっと、拳を握る。

「ぼ、僕、誘惑しないように、がんばるね!」


 ………………。

 ちょっと沈黙したヴィルは、ふるふる首を振る。

 朱い頬で、ささやいた。


「……ゆうわく、して」


「──っ!」

 最愛の伴侶が凶悪に可愛いです。


 3歳児の理性を殺しにきてる──!






 ありがたすぎる至福なお野菜たっぷりご飯を食べて、皆でおっきいお風呂に入ったら(ヴィルとふたりで入ろうとすると、絶対にエヴィとトートが割り込んでくる仕様だよ)ヴィルと一緒に眠ります!

 これぞ伴侶!

 枕を持って、ヴィルの寝室(ノィユが襲おうとしてると判断されたのか、部屋を分けられた。しょんぼり)に行ったら、枕を持ったエヴィが来てて、枕を持ったトートまで来てた。

「お兄さまを犯罪者にしないためだよ、当然でしょ!?」

「僕はエヴィと一緒に寝るために」

 …………………………。

「……皆で寝る……?」

 あぅあ──!
 伴侶になったばっかりなのに──!

 今が蜜月なのに──!
 いや死ぬまで蜜月だけど、はじめての蜜月だよ!

 居候で寄生してる最底辺の極貧のくせに態度がでかいと叱られそうだが、ノィユがジト目になるのは仕方ないことだとゆるしてほしい!

 だって、ちっともヴィルとふたりきりでいちゃいちゃできないよ……!
 伴侶になったばっかりなのに!

 しかも!
 義弟伴侶と一緒に寝るだなんて──!


「……僕とヴィルが寝てるとなりで、えちえち始めないでくださいね……」

 釘を刺してみた!


「な、ななななな、な──!」

 噴火してるエヴィが、かわいい。






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