【完結】最愛の推しを殺すモブに転生したので、全力で救いたい！

おまけのお話

ちがう話になった

　尖ったエルフ耳の先まで真っ赤なレトゥリアーレが、わたわたしてる。
　最愛の推しは、いつも可愛い。
　うっとりする僕に、赤い頬でレリアが告げる。

「あ、あの、ルル、ちょ、ちょっと、濡れて、その……ち、……ち……く、び……が、透けて、る、から、これ、着て」

　シャツを脱いだレリアが、僕のちっちゃな身体をおくるみみたいに包んでくれる。

　いやいやいや、１歳の僕の乳首を気にするのは、レリアだけだから──！

　それより大変な国宝が、今、目の前に──！

「れーあ、ちくび、ぜんかい！　みせたら、だめぇ──！」

　あわあわレリアのシャツで、レリアの乳首を押さえた！

「……いや、うん、そんなに乳首を気にしなくていいんじゃないかな……」

　ずぶ濡れのキュトたんが遠い目だ。

「乳首、大事──！」

　飛んできたヴァツェーリヤが、びしょ濡れになって、透け透けになってしまったグィザの乳首を押さえてばたばたしてる。

「くろ、ちくび、ない」

　クロの耳としっぽが、しょんもりしてる！

「安心するんだ、クロ。男の子にだって、ちゃんとある！」

　キュトたんがクロの乳首を露出させようとするのを、ちっちゃな手でばたばた止めた。

「みせないの──！」

「カオスだね……」

　騒ぎに駆けつけたエォナがあんぐり口を開けてる。

「え、えと、エォナも水遊びして、透け透けになる？」

　ちょっと赤い頬のチチェの言葉にガクンと顎を外したエォナが、真っ赤になって跳びあがった。

「そ、それは兄ちゃにお願いしたいから！　僕じゃないから！」

「くちゅ！」

　くしゃみ出た！

「た、大変だ、ルルが風邪をひいてしまう！」

　僕を包んで抱きあげてくれたレリアが、精霊の泉を走ってゆく。

　水のうえって、走れるんだね。
　エルフの長、すごい。

「グィザ、あたためる！」

　びしょ濡れのグィザを抱え込むヴァツェーリヤの目が爛々してる。

「兄ちゃ、あったまろー！」

「濡れてないから」

　真っ赤になって腰に抱きつくエォナに、チチェが突っ込んでる。

「クロー、一緒にお風呂はいろー」

「きゅとたんと、いっしょ！」

　抱きあげてもらったびしょ濡れのクロが、前足でびしょ濡れのキュトを抱きしめた。

「ま、待って、待って、出遅れたから！　俺も話題に混ぜてくれ──！」

　駆けつけた風磨たんが泣いてる。

「ふまたん、なかないの」

　今日もネィアは凛々し可愛い。

「何の騒ぎだ？」

　ゼドが家から顔を出して

「ろー、びしょ濡れか！」

　ジアがあわててタオルを持ってきてくれる。

「風呂に入れます、私が！！！」

　僕を抱えて走ってくれるレリアの目も爛々してる。

　精霊の泉はきらきら揺れて、夏の陽射しを振りまいた。
　クロとの水浴びのはずが、なんだか違うわちゃわちゃなりましたが、ちっちゃなゼドの村の皆は、今日も元気です。

「くちゅん！」

「あぁ、ルル！」

　くしゃみひとつで、この世の終わりみたいな顔になってくれる最愛の推しが、可愛すぎる！

　僕はレリアとお風呂、ヴァツェーリヤはグィザとお風呂、クロはキュトたんとお風呂、チチェはエォナとお風呂だ。

「え、これ、お風呂の話？」

　首を傾げる風磨たんに、クロが元気に答えた。

「ちくび！」







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　水浴びのお話のはずが、なんだか違うお話に……（笑）
　とりあえず皆出そうと思うと、わちゃわちゃします、いつも！（笑）

　２の次の無料期間は9月２１日（土）１７時から２３日（月）１６時５９分までの予定です。
　もしよかったら、無料期間にどうぞです。

　この間更新した時に読んでくださった方がいらしたのでまた更新してみたのですが、たくさんの方が読んでくださったみたいで、お気に入りやいいねやエール、とてもとてもうれしいです。
　心から、ありがとうございます！

　読んでくださる方がいらっしゃるなら、季刊くらいで、おまけを更新できたらいいなと思っています。
　楽しんでくださったら、とてもうれしいです。