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おまけのお話
今度こそ泳ぐ!
しおりを挟むせっかくの夏だったのに、海が、ディーに阻まれてしまいました!
いや、うん、抱っこして運んでくれたし、いちゃらぶ楽しかったし、あんまり不服じゃないんだけど、でもせっかくの海に入れなかったよ!
なので、リベンジです!
「いや、リユィ、もうクラゲだらけだからさ」
トエに止められたけど、俺は怯まない!
「俺、いちおー魔界の元王子だもん。くらげさんとお話できるもん!」
……たぶん。
あれ、魔物じゃないと話せないのかな?
いや、くらげって魔物っぽいから、何とかなると思う! たぶん!
「海行くのー? 僕も行くー!」
レイトが手を挙げたので、海リベンジは可愛い3人でゆくことになりました!
……俺も可愛いに入れてもいいよね?
だめって言われたら真剣に泣くから!
メファは日に焼けると赤くなって、酷いと水ぶくれができて大変らしいので、海は無理なんだって。
今度、温水プールに一緒に行く約束だよ!
「気をつけてね、色々と」
微笑んで手を振ってくれるメファが、めちゃくちゃかわいー。
もう秋っぽいので、海の家は閉店だし、くらげだらけだから海水浴客はいない。
サーファーっぽい人たちと、犬を連れた散歩っぽい人たちがぱらぱらしてるくらいだ。
「……ねー、水着着て、泳ごうとしてるの、僕たちだけじゃない?」
ぐるぐる眼鏡を外した、超絶かわいいトエが、引き攣ってる。
「くらげ、リユィが何とかしてくれるんでしょ? 波打ち際でぱしゃぱしゃしよーよ。写真撮ろー!」
めちゃくちゃやる気なレイトがありがたい。
波が打ち寄せる白い砂浜に、近づいてみた!
「えー、くらげさん、くらげさん、今から泳ぎます。害意0です! 刺さないでください!」
呼びかけてみた!
……し──ん……
トエとレイトの目が胡乱な気がするけど、きっと気のせいだもん!
ぱしゃぱしゃ波が、足をくすぐる。
「おお! ちょっと冷たい?」
「最近ちょっと涼しくなってきたからねえ」
トエがうむうむしてる。
「でもまだあっついよ、泳げる泳げる!」
レイトが勇者だ!
さすが主人公!
ばっしゃ──ん!
果敢に海に入っていった!
「がばごぼがは……!」
お約束な感じなので、わたわたトエと一緒に救出に向かう。
「しょ、しょっぱ! 海の水って、真剣にしょっぱいね!」
笑うレイトがきらきらだ。
「主人公って感じ」
「でしょ!? 撮って、撮って!」
自信満々なレイトが可愛い。
BLゲームの世界なので、写真な魔道具があるんだよ。
パシャリ
海で、皆で、笑顔で、写真を撮ってる。
ほんのちょっと前からだと考えられないようなしあわせに、胸がぎゅっとする。
「そーいえば、リユィ、泳げるの?」
「バタ足なら!」
ちっちゃな胸を張ってみた!
「ふっふーん、見てこれ、持ってきた!」
砂浜に駆け戻ったレイトが広げたのは、浮き輪だ。
準備万端、ありがとう!
早速皆で膨らませて、海におそるおそる入った俺は、バタ足を披露してみた!
「おお!」
「……進んでる、のか……?」
トエの突っ込みが鋭い。
「がんばれー、リユィー!」
レイトの応援が雑だよ!
────────────
はじめましての方、いつも見てくださる方、心からありがとうございます!
お気に入り2000越え、びっくりして、ものすごくうれしいです。
たくさんのいいねもありがとうございます!
応援してくださるお気持ちが、とてもうれしいです。
不定期更新になりますが、ちょこちょこリユィとディーのお話を更新できたらなと思っています。
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