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おまけのお話 がんばるキーザ!
つながる想い
しおりを挟むジェミは、僕をまぶしそうに見つめて、ほのかに笑う。
「俺は、節操皆無なキーザも、すきだったよ」
「………………は!?」
仰け反る僕に、ジェミが笑う。
「誰もが欲しがる、ものすごく綺麗なお人形みたいに思ってた。
俺の手が届くと思っていなかったから、傍にいられるだけで、うれしかった」
ぽかんと開いた口がかっこわるいので、あわてて閉じた。
「はじめて逢った時から、キーザがすきだ。
そんなのキーザは知ってるとばかり、思ってた」
……涙が、あふれた。
ジェミの藍の瞳がまるくなる。
「……は、はじめて逢った時から、ジェミがすき……!」
こぼれる涙と抱きついたら、ジェミの逞しい腕が抱きしめてくれる。
「……ともだちじゃ、なく?」
ちいさな声に、ぶんぶん頷く。
「はじめて逢った時からずっと、ジェミは僕の理想の恋人だよ!」
ぎゅうぎゅう、だいすきなジェミを、抱きしめる。
「…………俺の性癖が最低なの、聞いただろ?
……無理矢理なら、キーザは俺に抱かれてくれるかもしれないと思って……」
うつむくジェミを、抱きしめる。
「どんなジェミも、愛してる!
……あ、あのあの、ぼ、僕、ジェミになら、お、お尻、さ、捧げて、も、いい、よ……!
ジェミも僕にお尻を捧げてくれるよね?」
ほんわり紅に染まっていたジェミの顔から、血の気がどんどん引いてゆく。
「…………は?」
「僕、すっごいらしいんだよ。
ぜったい、ぜったいジェミを気持ちよくしてあげる!
今までの僕は、ジェミのためにあったんだよ。
ジェミを僕の可愛い子にするために――――!!」
拳を握る僕を抱きしめたままのジェミの腕が、硬直した。
「…………………………え。
……いや、あの、そ、それは…………」
「僕、ジェミを愛してる!
だから僕はお尻を捧げられるよ!
ジェミは??」
凛々しいかんばせが、苦渋に染まる。
「…………ジェミは、いや?」
しょんぼり肩を落とす僕に、ジェミはぶんぶん首を振った。
「い、いいいいや……!
お、俺は、キーザを愛してる!」
ぎゅう
抱きしめてくれる腕が、熱い。
「……俺のために、変わろうとしてくれてるのかと思って、たまらなくうれしかった。
でも俺は、どんなキーザも……すきだ」
耳まで真っ赤なジェミが告げてくれる言葉が、ほんとうだと思えないくらい、僕の理想で。
あふれる涙と、燃える頬で、抱きしめる。
「ぼ、僕、ずっと、ずっと、ジェミがすき。
ジェミだけが、ずっと、ずっと、大すきなんだ」
「……夢みたいだ」
ジェミのちいさな声が、かすれてる。
「僕も、夢みたい」
強制力で、邪魔されても。
僕に『断る』という選択肢が用意されなくても。
僕はずっと、ジェミが大すきで。
ジェミも僕を、想ってくれてた。
リユィが、ぐるぐる回る檻の世界を壊してくれたから。
ほんとうの初恋が繋がって
僕は、大すきなジェミを、抱きしめられる。
僕の唯一を、抱きしめられる。
「うわあん!
ジェミ、あいしてる――!
ぜったい、ぜったい、しあわせにするから――!!」
涙と叫んで、抱きしめる。
耳まで真っ赤になったジェミは、僕の背を抱いてくれた。
「とびきりしあわせにして、キーザ」
ささやきが、唇にとける。
ほんとうのはじめての恋が繋がって
僕とジェミの未来は、とろけるようなしあわせになるのです。
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いつも心からありがとうございます!
キーザとジェミのらぶらぶでした!
リクエストはこちらで終了となります。
ありがとうございました!
今日は吹雪でした!
めちゃくちゃ寒くなりましたが、お加減いかがでしょうか?
今年はアルファポリス様にお邪魔させて戴いて、勇気を戴いて、最初は思ってもいなかったBL大賞様に応募させて戴きました。
皆さまに応援して戴いて、とてもとてもありがたい年になりました。
読んでくださった方、お気に入りに入れてくださった方、とても貴重で大切な一票を投票してくださった方、ほんとうに、ほんとうにありがとうございます。
どうかあったかくなさって、よいお年をお迎えください。
あなた様のきたる年が、虹のしあわせに輝きますように!
応援ありがとうございます!
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