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おまけのお話 しあわせお花見
しあわせお花見
しおりを挟むお弁当がぐっちゃりなったのと引っ繰り返っちゃって、せっかくのお花見が
できなかったので!
おべんとつくって、ディゼと一緒にお花見にゆきたいのです。
まださくらは咲いてる、がんばってくれてる!
「ディーと一緒に、お花見~♪」
ふんふん鼻歌を歌った俺は、お弁当作りの応援要員の検討を始めた。
アルフォリア → ぐっちゃりご飯、ザリザリ卵に、にこにこしそう、ふたたび。
メファ → 苦手な食材を使ったら、涙目メファがものすごく可愛くても可哀想!
キーザ ―→ 料理したことなさそう。偏見? ごめんよ、キーザ!
ジェミ ―→ 料理上手そうだけど、凝り過ぎて俺が作ったのじゃなくなりそう。
レイト ―→ たぶん俺と同じレベル。
イォ ―→ 学園の寮にまで呼んだら、寮監のゾイが怒りそう。
ゾイ ―→ 闇黒反対。時給払えば手伝ってくれるかなー?
トエ ―→ 時給払ったら手伝ってくれそう!
「ここはやっぱり、トエでしょ!
困った時のトエ!
俺と一緒にお弁当作ってください! おねがいしまーす!」
放課後の教室で、満面の笑みで頭を下げた。
「えとえと、時給は1500円くらいで、ど、どうかな?」
俺の1.5倍だよ!
胸を張ったら、トエがふくれる。
「…………と、もだち……に時給、払うの?」
息をのんだ俺は、破顔する。
「トエ、だいすき――!」
ぎゅう、と抱きついたら、瓶底眼鏡の向こうのトエが真っ赤に染まる。
「手伝ってくれる?」
ちっちゃな顔を覗き込んだら、真っ赤な頬で頷いてくれた。
「じゃあお返しに、俺の魔道具の被検体になってね」
きらめく瓶底眼鏡に、引き攣った。
「…………ひ、ひけんたい……?
な、なんか、怖い香りがする――!」
あわあわする俺に、トエが声をたてて笑う。
「メファのえっちな薬が大成功したでしょう。
でも、相手がいなくてさみしい人もいると思うんだよね。
相手がいる人は、メファのお薬。
相手がいない人は、僕の魔道具。
一緒に売ったら一緒に爆売れだと思わない?」
「思う!」
拳を握る俺に、瓶底眼鏡の向こうのトエの瞳が輝いた。
「リユィのおかげで、僕はもうゲームマスターじゃないから。
大すきな魔道具を、趣味のも実用的なのも、色んなのを造ってみようと思って。
その第一弾、資金源にもなりそうだからね」
照れくさそうに、うれしそうに、トエが笑う。
「今、頑張って造ってるんだ。
使ってみた感想を、リユィとディゼによろしくね!
えっちの一環として楽しんでよ」
にこにこしたトエが手渡してくれたのは、大人な玩具っぽい魔道具の試作品
だった。
お、おぉう!
げ、現物をリアルで初めて見たよ……!
応援ありがとうございます!
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