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おまけのお話 皆でおひる!
待望の!
しおりを挟む「リユィにいじわるしたら、今度こそ俺がぽこるからな」
ディゼが鼻を鳴らして、レイトが跳びあがる。
「も、もうしない!
…………ご、…………ごめ…………リユィ」
ちいさな声に、頷いた。
「強制力でしょ?」
唇を噛んだレイトは、首を振った。
「…………リユィが、うらやましかった。
ディゼに守られて、メファも、アルフォリアも、キーザも、ジェミも、トエも、
寮監のゾイも、教師のテチも、魔力最低クラスも、イォまで皆リユィがすきで。
皆に愛されて笑うリユィが、憎らしくてたまらなかった」
握り締められたレイトの拳が、かすかに震えた。
「胸が熱くて、痛くて、ギリギリして。
気づいたら、睨んで、ぶつかって、吹き飛ばしてた。
でも、どんなにリユィを罵ったって、吹っ飛ばしたって、ちっとも気持ちは
晴れない。
皆、リユィをすきになって。
皆、僕をきらいになるから」
ぴんくの瞳が、歪む。
「真っ暗な底なし沼に落ちてくみたいだった。
このゲームの世界の強制力は、闇を歪めて、増幅させることなのかもしれない。
自分の闇を受け容れて、愛して、やさしく包む前に、噴きあがる。
止められない」
ぎゅ、と目を閉じたレイトの唇が、ほどける。
「…………リユィが、救ってくれた。
お、御礼を、言ってあげて、も……いい、よ!」
真っ赤な顔で鼻を鳴らすレイトに、皆で笑う。
「せっかくのごはんが冷めちゃうよ!
食べよう!」
拳を握る俺に、レイトもあわあわ席についた。
「いただきまーす!」
「いただきます」
皆で手をあわせて、スプーンを掲げる。
「オムライスだぁあああ!」
きらきらの♡の目になってるだろう俺に、皆が笑う。
ふかふかの卵に、そうっとスプーンをすべらせたら、とろーりあふれる半熟卵が
チキンライスの赤に流れた。
「ほわぁああ!」
熱い頬で歓声をあげる俺に、皆がぷるぷるしてる。
「はい、ディー、あーん♡」
半熟卵がとろーり掛かったオムライスの載ったスプーンを差し出したら、緋の瞳がまるくなる。
「最初はリユィが食え」
「ディーにあげるの! ディー、あーん♡」
ディゼの尖った耳まで真っ赤になった。
トエとキーザとジェミが、によによしてる。
「ほら、あーんだよ、ディゼ」
キーザの声に
「そうそう、あーんだ」
ジェミが頷く。
「さっさと食わないと、メファとアルフォリアが可哀想だよ!」
レイトとイォが鼻を鳴らして、トエも頷いた。
「く……っ!」
真っ赤なディー、かわい――♡♡♡
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