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どきどきの結果発表だよ!

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 玄関に輝く試験結果の前には、人だかりができていた。

 おそるおそる、生まれたての小鹿の足で近づいた。
 

 成績が上位10位以内だと生徒会、上位100位以内だと全員のらぶらぶメーター上昇、上位200位以内だとらぶらぶメーター上昇アイテムひとつもらえる、201位以降は、全員のらぶらぶメーター下降、最下位の場合らぶらぶメーター爆下がりという、恐ろしいシステムだった。


「おねがいします!
 最下位はやだ────!!」

 泣きながら、紙の端っこを見る。


『1位 トエ 100点
 2位 アルフォリア・ゼア・ルエス・ビエル 98点
 3位 ジェミ・カタブ 96点
 4位 メファ・ティアルエナ 95点
 5位 キーザ・チヤラ 90点』

 上位見ちゃった!

 うわ、トエ1位だ! すごい!


 思わずトエを探したら、周りの人の声が降ってくる。


「……殿下の上を行くなんて──」

「空気読めなさすぎだろ、どこの平民だよ」

「クソが」

 刺さる視線の向こうに、トエを見つけた。


「……抜かれちゃったね」

 後ろから降る、ちいさな声に振り向いた。

 アルフォリアが、さみしく唇の端をあげていた。


「アルフォリアは、がんばったよ!」

 思わず、叫んだ。

 前世のゲームの知識で、皆が求める完璧な王子を演じるために、アルフォリアがどれだけ努力してるか、知ってるから。


「トエも、がんばった。
 それで、いいんだ。
 皆が精いっぱい頑張るのが大切で、順位なんて何にも関係ない!」

 拳を握る俺に、嘲笑う声が降ってくる。


「底辺に言われてもな」

 ビキリと固まった俺は、すすすすと、紙の端っこ、反対側に移動した。


 長い長い白い紙の一番端に、俺の名前が輝いてる!!


『368位 リユィ 5点』


 5点!
 俺の懸命のがんばり、5点!!

 ちなみに、369位はない。

 ??

 ゲームでは、最下位は369位のはずだったけど……??

 3人で69とかもうね!
 さすが『愛のラビリンス』!


 隣を見たら、名前が輝いてた。


『368位 レイト 5点』


 ────主人公いた!!

 最下位仲間だ!
 ふたりで最下位!

 思わず手をとりあって喜びそうになった俺は、ぴんくの髪の下から放たれる殺人光線に、あわてて手を引っ込めた。


「リユィ、よくがんばったな!
 白紙じゃなくて、ちゃんと答案を埋めてあった。
 その努力に免じて、5点を進呈する!」


 テチが、白い歯きらんで笑ってくれる。


 ああ、あれだ。
 名前を書いたら5点。

 俺の努力は、0点だった!!


 嘆く俺の隣で、ぴんくの髪が逆立った。

「お、おかしいよ!!
 全然ゲームのテストじゃなかった!
 こんな問題、見たことない!!」

 ぶうぶうふくれるレイトに、うんうん頷いたのは俺だけだった。


「いや、見たことあるほうがおかしいだろ」

 キーザの突っ込みに、ジェミも頷く。


「見たことあったら、犯罪だな」

「ぐぬぬぬぬぬ!」

 ぴんくの髪が逆立ってても、レイトはかわいい。







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