【完結】残念な悪役の元王子に転生したので、何とかざまぁを回避したい!

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反省した?

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「リユィは最高にかわいーよ」


 ぎゅうぎゅう抱きしめてくれるディゼは、合格!

 えへへへへ♡

 溶けた顔で笑う俺に、メファは頬をふくらませた。



「おもしろくない」

 ぎゅう、と俺の手を握って、ちょっとうるうるの上目遣いで、きゅ、と睨むメファが、か、かわい────!!


 やきもちメファのスチルは、輝いてた。

 憶えてる!


 でも3次元はもっと、輝いてる!!


「リユィ」

 むすっとしたディゼに小指を引っ張られて、きゅんきゅんした。

 あぁあもう、おっきいディゼが、かわい────!!


 もだもだしてたら、イォが吐息する。

「敵、多いな」

「道は険しいよ」

 イォの言葉にメファが頷いて、ターチが笑った。


「がんばりなさいな。
 薬は、薬師組合と国に掛け合ってみるわね!」

「よろしくお願いします!」

 メファと一緒に頭をさげる。

 おっきなリュックから丁寧に取り出した薬を、納品した。

 折れ曲がらないように、ちゃんと板にくっつけて持って来た納品書と、ターチがサインしてくれた受領書を交わしたら、 お仕事完了!


「お金になったらいいなあ!」

 メファの瞳がきらきらして、俺もこくこく頷いた。


「はじめてさんで痛くない薬とか、画期的だよ!
 薬を買ってくれた人も、メファも、しあわせになるといいな」

 メファのちいさな手を握ったら、はちみつの瞳が揺れる。


「…………僕は、リユィと、しあわせになりたい…………」

 ちいさな声を遮るように、伸びたディゼの腕が、俺を後ろから抱きしめる。


「だ──め。
 メファのただひとりは、他にいるから。
 ちゃんと探せ」

 ぷくりと膨れたメファは、ディゼと俺を見つめて、やっぱりぷくりと膨れる。


「ふんだ!
 ディゼがかっこわるかったり、情けなかったり、愛想尽きた時とかは、僕がいるんだからね!」

 両手を腰にあてて胸を張るメファは、物凄くかわいいけど!


「俺、かっこわるいディゼも、情けないディゼも、愛想が尽きそうなディゼも、大すき!」

 きゅ、とディゼの腰に抱きついた。

 ジャストフィット!
 俺に抱き締められるためのディゼの腰とか、最高!


「あ──も──かわいすぎる!! 喰いたい」

 かぷりと頬を噛まれた俺が、はわはわして、メファとイォはむっすり唇を引き結ぶ。


「あ──も──余所でやってちょうだい、余所で!!」

 スキンヘッドに青筋が輝くターチに追い出されて、本日のお仕事は終了です!


 ちょ、ちょっと印象よくなかったかな。


 真面目で立派な従業員になりたかったのに、ついディゼにくっついちゃった!

 職場でいちゃらぶかまされると、めちゃくちゃイラっ☆とするよね……!


 反省した!

 ごめんなさい!


 …………こんな反省ができるなんて、俺、めちゃくちゃしあわせかも…………♡♡

 
 は!!

 反省してな──い──!








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読んでくださって、心からありがとうございます!

リユィとディゼの漫画です。もしよかったら!

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