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初給料もらったよ!

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「うわあん……!
 メファ……!!」

 メファに抱きついたら、メファのちいさな手が、俺を抱きしめてくれる。


「……リユィ、すごく、いー匂い、する」

 うっとりした、はちみつの瞳で囁いたメファの手が、俺のお尻の割れ目を辿った。


「……あ♡」

 待て待て待て!!
 触られたら反応しちゃう、淫魔の血が、危険────!!


「リユィ、かわいー♡
 ここに嵌めて、僕だけのにしたい♡」

 メファの手が、俺の下着のなかへと入り込むのを、緋の瞳を吊りあげたディゼが止めた。


「真剣にお仕置き」

 目を吊りあげるディゼがかっこよくて、お仕置きに期待すぎて、お尻がきゅんきゅんして、♡の目で見あげたら、


「こ────ら──────!!
 反省は!?」


 余計叫ばれた。


 うれしかったのは、ひみつ!








 メファはとてもやさしくて、丁寧に教えてくれる上司だった。

 かわいくてやさしくてエルフだなんて、理想の上司だ!


 でもこれで、やさしー♡ とか油断して、あんまり仕事を覚えられないと、呆れられるんだよ、解ってる!

 心象もめちゃくちゃ下がる。間違いない。

 なので最初から頑張るよ!


『この間、教えたよね?』
 を言われないように、頑張ってメモをとる。

 わからないことは、確認!

 ふんふん頷いて、実践してみる。
 気づいたこととか、教えてもらったことを、書きとめる。


 前世のしょんもりな記憶のおかげで、俺、かなり優秀な新入社員じゃないかな!?


「えへへへへ」

 胸を張ったら、顔を覆ったメファとディゼの耳が赤かった。

 ふたりとも、かわいー!






「今日はよく頑張ってくれました。
 3時間頑張ってくれたから、3000円ね。
 現金が必要みたいだから、はい、どうぞ」

 メファが、手渡しで3000円くれた!
 ジャパンな感じのお札には、ビエル国らしく、国王がにっこり笑ってた。日本人じゃなかった。

 だよね。
 何となく安心して、お札を押し戴く。


「初給料だ!
 ありがとうございます、社長!!」

 垂直に頭をさげたら、メファが紅い頬で笑ってくれた。


「……なんか、社長って言われるの、うれしい」

「メファ、かわい──!」

 抱きつこうとしたら、ディゼに阻まれる。


「お仕置き、増えすぎて大変だなあ、リユィ?」

 にぃやり上がる唇の端が、凄絶にかっこいーです!!
 

 は──……♡
 俺の推しが尊い────♡


 思わず拝んだ。

 メファが笑って、ディゼも仕方ないなって笑ってくれる。


「これでトエに500円返して、明日のお昼御飯が食べられる!」

「がんばったな、リユィ」

 わしゃわしゃ頭を撫でてくれるディゼに、熱い頬で笑った。


「えへへ」


 ディゼのかっこいー笑みが、深くなる。



「さあ、お仕置きだ」









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