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後でね♡
しおりを挟む「お仕事があるので!
お仕置きはその後でお願いします♡」
俺の目は、やっぱり♡だったと思う。
目をまるくしたディゼが、吹きだして笑った。
肩を揺らして笑ったメファが、初日の俺に、仕事を教えてくれる。
今日の俺のお仕事は、薬草苑の水やりと、触手さんから、えっちな体液を採取
することだ!
こんなかわいい顔で、えっちな薬つくってるんだなあ♡
メファ、かわい――――♡
うっとりする俺を、緋の瞳を吊りあげたディゼが、ぽこぽこしてくれる。
すねて、唇をとがらせて、紅い眦のディゼが、か――わ――い――――!!
これ、ぜったい、ご褒美だ――――!!
とろけた俺は目が♡になって、仕事の手が止まるので、だめだめだ。
「仕事初日だ!
がんばります!」
きらきらの泉の水をじょうろに汲んで、水が大すきな薬草にかける。
土の湿り気を見て、そんなに水を必要としない薬草にはかけない。
ぬるぬるの触手さんから零れる体液は、えっち成分満載なので、素手では
触らない。
素手で触ると皮膚から吸収して、はあはあ♡ しちゃって、反応した触手さんに、産卵えっちされちゃうらしい。
めちゃくちゃ危険――――!!!
手袋をして、触手さんから滴る体液を採取する。
ぴんくの、透明の、黄色の、色ごとに、硝子の瓶に分けて保存する。
メファが教えてくれることを、ちゃんとメモして、ひとつひとつ、間違わない
ように、気をつける。
「えらいね、リユィ」
メファが頭をなでなでしてくれたら、うれしくて、ぽーってする!
「えへへ♡」
「あー、かわいーけど、なんかむかつく」
ぎゅー。
抱きしめてくれるディゼが、かわい――!
「メモ取ってないと、前に教えたでしょ! とか、メモ取ってないの!? とか
散々怒鳴られた記憶がある……と思う。
メモ取るんだけど、どこに書いたか、ぱっと出なくて、ぱっと反応できなかったりしてさ。
オンラインのメモを使ったら、検索できるようになって、改善したけど。
社会人にとったら当たり前なんだけど、その当たり前が、俺には難しかったなあ」
しょんもりしたら、メファが頭をなでなでしてくれた。
「リユィは、がんばったんだね」
「結果が出ないと意味ないって、怒られた」
薄暗い事務所で、怒鳴られた記憶が、ぼんやり蘇る。
思い出すだけで、しょんもりだ。
「でも、がんばった。
えらかったね」
はちみつの瞳で、メファが笑ってくれる。
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