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オンライン小説の威光*

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「……して、いい?」

 そっと、ささやく。


 いつも、だめ、と言われてた。

 ディゼは、俺のお尻をいじってくれるけど。
 俺は、ディゼに触れたことがない。


 ディゼの指が、俺の耳朶を、やさしく辿る。
 頬から、ゆうるり降りた指が、濡れた唇をなぞった。


「……したい?」

 こくりと頷いた俺は、燃える頬で、そっと、ディゼの股間に顔を埋める。


「ぁ♡……した、ぃ♡……ディー……」

 ちゅ、ちゅ、と服のうえから口づける。
 ひくりと震えたディゼは、俺の頭を、やさしく撫でた。


「いいよ、リユィ」

「……ぁ、ディー……♡」

 嘗めていい。
 おゆるしを貰えただけで、イきそうになる俺は、ディゼが大すき過ぎると思う。

 思わず股間をベッドに擦りつけてしまった俺に、くつくつディゼが笑った。


「俺の嘗めながら、自分でお尻いじって」

「や、やだ! 恥ずかし……」

 ぶんぶん首を振ったら、ディゼの指が、俺のおとがいに掛かる。

 上向かされて見あげたディゼは、涎がじゅるりと溢れそうなほど、色気と艶を
滲ませて、滴るほどかっこよかった。


「何でも、ご奉仕、してくれるんだろ?」

「泣いてやだって、ゆってない!」

 熱い頬でふくれたら、声をたててディゼが笑った。


「んー、じゃあ、嘗めるだけ?」

 こくこく、俺は頷いた。


「リユィには、ご褒美?」

 こくこく、俺は頷く。

 わしゃわしゃ俺の頭を撫でたディゼは、にこりと笑う。


「お尻、自分でいじれたら、嘗めていい」

「ふぇえええええ!!」

「泣いてもだめ」

 極上のかんばせで、ディゼが笑う。


「や、やだ! は、恥ずかしー……ディーがして」

 ぎゅう、と抱きついたら、ディゼの大きな掌が、俺のお尻を割り開いた。


「くぷくぷ、濡れてる。
 いじりたくて、たまらないくせに」

「し、したことない!!」

 耳まで燃えて、叫んだ。


「じゃあ今して」

「やだ!! ディーがいじめる……!!」

 涙目で、いじめてる本人に抱きついたら、


「あーもー、かわいーな!」

 ぐぷりと長い指を、期待に濡れたお尻に、捻じ込まれた。


「はぁん……♡ あ、ん♡……はぁ……あ♡ ディー……きもち、ぃ……♡」

 甘えた声で啼く俺の頭を、ディゼの大きなてのひらが、撫でてくれる。


「ご奉仕して、リユィ」

 くすくす笑うディゼに、熱い頬で頷いた。


「はい、ディー♡」

 ディゼの服を、くつろげる。
 現れた、俺のと全然違う、おっきくて太くて逞しいのに、うっとりした。

 俺の目は、♡になってると思う。

 ジェミのを見た時の、おぞましさと吐き気が吹き飛ぶくらい、口づけたくて、
喉の奥までくわえたくて、たまらない。

 ふるえる唇で、ちゅ、と口づけると、ディゼが微かにふるえた。

「……リユィ」

 囁きが、かすれてる。
 俺の頭に差し込まれた指が、くしゃりと髪を揺らした。

 ディーも、欲情してくれてる……?

 思うだけで、眩暈がするほど、気持ちいい。


 ちゅ、ちゅ、と口づけて、そっと唇を開いて、喉の奥までくわえこむ。
 零れる先走りを啜り、浮きあがる血管を嘗めあげ、唇で挟んで、扱いた。

 じゅぷ、じゅぷ、卑猥な水音が鳴り響く。

 おっきいのに、口のなかを擦られるのまで気持ちいいのは、俺の淫魔の
血なのかな。

「……ん……はぁ……♡ んむ♡」


 喉の奥までくわえ込んで、きゅうっと締めるようにする(えっちなオンライン小説に書いてあった!)と、俺の頭を撫でるディゼの指が止まった。

「……は、ぁ……♡ きもち、ぃ……リユィ……あんま、すると……イ、く……
 つか、どこで覚えた!」

 突然目を剥いて怒るディゼに、俺は目を瞬いた。


「きもちい?」

 ちゅちゅ、と先端に口づけて、ちゅうっと吸いあげる。

 くぷりと零れる雫は、苦じょっぱい筈なのに、蕩けるような甘い蜜みたいに
感じるのは、俺が淫魔の血をひいてるからだと思う。


「…………俺以外の、しゃぶってねえよな?」

 ゴゴゴゴゴ――――!!

 魔力が溢れるほど怒ってくれるディゼが、うれしい♡

 俺はこくこく頷いた。


「前世でさ、俺、ちっともご縁がなかったから、えっちなオンライン小説、
めちゃくちゃ読んでた。そこにご奉仕の仕方が載ってて、やってみた!」

 えへん!
 胸を張る俺に、目をまるくしたディゼが、首を傾げる。


「小説? 本か?」

「そんな感じ」

「えろいの読んでた?」

「めちゃくちゃ♡」

 こっくり頷いた俺に、ディゼが肩を揺らして笑う。



「読む暇ないくらい、可愛がってやる」









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