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ディーのもの*

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「ああもう、だから、そんな顔するな……!」

 尖った耳の先を紅くしたディゼが叫んで。
 俺は、ぎゅう、とディゼの手を握った。


「……ディーのおっきいの……嵌めて欲しい。
 ずっと、ずっと、して欲しかった」

 囁きを攫うように、抱き締められた。


 ぎゅう、とお尻を掴まれたら、

「ぁん……♡」

 甘えるような、悦びの声がこぼれた。

 ぴるんと♡の尻尾が揺れたのが解る。


「さわってい?」

 やさしく尻尾を撫でてくれるディゼに、熱い頬で首を振る。


「そ、そこは、だ、だめ……!」

「角は?」

「きゅ、急所だから……!」

 泣きだしそうな俺を抱きしめて、ディゼはちょっとつまらなそうに唇を
尖らせた。


「唯一には、触らせるんじゃねえの?」

 ふくれるディゼに、俺は、かあちゃんから教えてもらったことを思い出す。


『魔族の角と、淫魔の尻尾。
 どちらも急所で、どちらも大切。
 大切な人にも、触らせちゃいけないよ』

 やさしいのに、いかめしい声が、今も俺の頭の奥で響く。


『リユィが、リユィじゃなくなるから』

 かあちゃんの、真っ直ぐな、紫の瞳を思い出す。


「俺が、俺じゃなくなっちゃうんだって。
 だから、だめ。
 ごめんね、ディー」

 ぎゅう、と抱きついたら、鼻を鳴らしたディゼが抱きしめてくれる。


「じゃあ、他のとこ、可愛がる」

 ぎゅ、とお尻を掴まれたら、


「あんっ♡」

 こぼれるのはやっぱり、悦びの声だ。


 は、はずかし……!
 期待してます♡ えっちしてして♡ なの丸バレだ――――!!


 毎晩、俺のお尻を弄っていたから、ディゼは、俺のどこが気持ちいいのか、
俺のお尻がどれくらい広がるか、全部知ってる。

「……濡れてる」

 熱い吐息で囁かれて、ビクンと震えた俺は、ディゼに縋る。


「……って、……入れて、欲しぃ……」

「ああもう、煽るな!」

 真っ赤な顔でディゼが叫んで、懐からえっちなオイルの入った小瓶を取り出した。

 淫魔の俺のお付きだったから、ディゼはいつでも俺にえっちなことができるように、えっちオイルを常備させられてたんだよ! かわいそうに……!!


「……ごめん」

 しおしお悄気たら、ディゼのおっきい手が、俺の頭をぐしゃぐしゃ掻き混ぜた。


「責任とって、俺のになれ」

 唇の端をあげて、ディゼが笑う。


「ご褒美が過ぎる……!」

 ディゼに抱きついて泣いたら、くちゅりとディゼの指が、俺のお尻のなかに
入った。

「……ぁ……♡」

「泣いて、やめてって言っても、やめらんねえぞ?」

 くちゅくちゅ、俺のお尻を弄る指に、いつもみたいに、甘えるように腰を
振りながら、ディゼのうなじに腕を回す。


「あ、ぁん……♡
 い、言わない、もん……!」

 ぎゅうう、と抱きついたら、ディゼが、可愛くてたまらないものを見るかの
ように、やわらかに目を細めて笑ってくれる。

 ちゅ、と唇が重なって、離れる。
 甘えるように追いかけたら、ふに、と唇に指をあてられた。


「ん……ふ……♡」

 唇を開いて、いつもみたいに、ディゼの指を嘗める。

 ディゼの指は、どこを擦ると俺がきゅんきゅんしちゃうのか、全部知っていて、
やわらかに、舌を、口蓋のうえを、やさしくいじめてくれる。


「んん……ぁ、んぅ♡」


 ぴちゃり、くちゅり、甘えるようにディゼの指を噛んだら、喉の奥でディゼが
笑った。

「嘘だったら、何してくれる?」

 ディゼの囁きに、俺はうっとり、ディゼを見あげる。


「何でも、ご奉仕する。
 ……俺には、ご褒美だけど」

 そっと、ディゼのに、服のうえから触れる。

 ビクリと微かに、ディゼがふるえた。




 熱くて、おっきくなってる。


 俺の、せいで……?


 思うだけで、どきどきする。








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