万能ドッペルゲンガーに転生したらしい俺はエルフに拾われる〜エルフと共に旅をしながらドッペルゲンガーとしての仕事を行い、最強へと至る〜

ネリムZ

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アンデッドの国

とある転生者の独白

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 俺はただのゴミやった。
 政治家は平等などいじめゼロなど言っておるが、実際はそんな事はありえへん。
 親の力が強かったり、力が強かったりする奴が上に立つ。
 俺はその中で最底辺だった。

 親父はギャンブル中毒者だった。暴力は数え切れへん程振るわれた。
 母親はそんなクズを養うためにせっせこ働いた。
 まぁ、こんな親父やったから浮気していたけどな。

 そんな母親の不倫相手を親に持つ奴が俺をいじめていた。
 この辺の大地主で誰も逆らへん男が色々な事をして来た。
 暴力、略奪、とにかく色々とやられた。
 反撃してみたかった。

 だが、奴には当然取り巻きが存在する。
 だから反撃しても返り討ちにあうだけやった。

 どうしてこんな目にあうんだと、どうして俺だけがこんな状況にいるんだと、なんども世界を呪った。
 何故俺はこんなに辛い思いをしないといけないんだ。
 どうして弱者なんだ。
 どうして強者の餌になっているんだと。

 何度も何度も自問自答を繰り返して自分の境遇を呪った。
 でも、あくまで考えているだけで俺の人生が変わる事は当然なかった。
 辛かった。だけど耐える事しか出来なかった。
 俺には力がなかった。

 そんな俺の仲間はウェブ小説だった。
 本では買えないから、念の為に持たされたスマホで読むしかなかった。
 面白かった。
 雑魚を圧倒的な力で屠る力は見てて圧巻だった。
 苦戦だの王道など俺には必要ない。

 圧倒的な力で雑魚を屠る、それが欲しかった。
 自分を主人公だとして何度も何度もシュミレートした。
 ハーレムにも興味無い。
 俺が求めていたのは圧倒的な力で敵をねじ伏せる爽快感。

 だから成長系は嫌いだった。
 成長系は辛い状況でも絶対は改善される。
 だが、そんな事はありえないと現実を突きつけられる感覚がして嫌いだった。
 追放系もや。
 なんで物語の中でも虐げられなければならんのや。

 後からのざまぁまでに俺の精神は持たない。
 とにかく力が欲しかった。
 だが、俺はただ物語の世界にだけ心を踊らせていた。
 努力をしない奴に力は手に入らない。

 ただ現実を非難して世界を呪って夢にだけ意識を向けている。
 そんな俺に力は絶対に手に入らなかった。
 現実がどれだけ辛くてもそれを改善する様な事は一切しなかった。

 そんなある日やった。
 俺はトラックに轢かれて、目が覚めたら骨だけの体になっていた。
 すぐに理解出来た。
 異世界転生だと。
 言葉が出せなかったが、脳内で『ステータスオープン』と言ったらテンプレ通りのステータスプレートが開けたんや。

 レッサースケルトンLv1
 スキル:無し

 パラメータは存在しないタイプのステータス画面だった。
 しかもスキルは無いし、この場所は見た感じ洞窟のどこかだ。
 しかも、俺と同じような骨だけのクソみたいな体を持った奴らがうろちょろしていた。
 そして、その中で一層の存在感を放っている奴がいた。

 大きな杖を持ったスケルトンだった。
 リッチ、そんな単語が頭に浮かんだ。
 俺は成長系が嫌いだ。だけど、色々と読んでいた。
 レベルがあり、スキルがある世界。
 この世界なら俺は強くなれる、そう確信した。

 それからは簡単やった。
 俺を召喚したであろうリッチにバレないように身内を倒しまくった。
 抵抗されないから殺すのは容易だった。

 スキル【同族殺し】【骸骨特攻スケルトンキラー

 この二つを獲得した事により拳で倒すのも簡単になった。
 レベルが上がれば身体能力が上がり、どんどん倒せるようになった。
 バラバラになった骨を削って武器を作り出して、洞窟にいるモンスターを倒しまくった。
 コウモリのようなモンスター、トカゲのようなモンスター、とにかく殺した。

 もう虐げられるのは嫌だったから、強くなるために必死に殺した。
 目標はあのリッチを殺すことやった。
 時に人間を発見した。
 初めての人間だったから会えたのが凄く嬉しかった。

 だが、相手から向けられた目は当然敵意と殺気だった。
 当然だろう。
 今の俺は人間ではなくモンスターなのだから。
 ⋯⋯俺は嬉しかった。
 心の底から笑った。

 この世界は最高だ。
 俺を敵として攻撃しに来る人間がわんさかいる。
 そんなヤツら殺してもなんとも思わへんからなぁ!
 だから人間も殺した。

 洞窟にいる奴らをどんどん殺して、レベルを上げてスキルを増やして行った。
 快感やった。
 人間達の怯える目が声が、俺の魂を高揚させる。
 こんなにも虐げる側と言うのは気持ちのかと、俺は止まらなかった。

 誰かが言った。復讐は何も産まないと。
 誰かが言った。相手の気持ちが分かる人になれと。
 誰かが言った。いじめられたからっていじめるなと。

 バカか!
 俺は虐げる人達の気持ちが分からなかったが、実際なると凄く楽しい。
 人間を殺しても感じるのは最高に楽しいと言う事だった。
 そして俺に変化が起こったのは転生してから数日後。

 レベル100達成。進化可能。
 進化先:スケルトンナイト、スケルトンメイジ、スケルトンファイター

 剣、魔法、拳のどれかを選べって事か?
 俺はこれまでスケルトンの骨を削った武器を使って人間を殺した。
 そして人間から奪った剣を使って人間を殺した。
 だが、俺が選んだのはスケルトンメイジだった。

 理由は簡単や。
 俺が一番恐れ、誰よりも存在感の強かったリッチ。
 あいつを超えるためだ。

 それから魔法を手に入れた。
 扱い方は簡単やった。
 化学でやった事をイメージしたら簡単に魔法は使えた。
 だから色々な魔法を使って人間を殺した。

 殺す度に俺の中に何かが入って来る感覚がした。
 それが堪らなく心地よかった。

 いつからやったか。
 とあるスキルが手に入った。

【眷属化】

 これを人間に使うと俺の部下が増やせた。
 ゾンビだった。スケルトンじゃないのが少しだけ不思議だった。
 召喚魔法を覚えたらきっとスケルトンを兵士として呼び出せるやろ。
 レベル上げが打ち止めになった所で俺はステータスを詳しく調べだした。

 沢山のスキルが手に入ったからや。
 そこで俺はとある画面を発見した。
 それはこの世界の詳細やった。
 そのありえない情報に最初は現実逃避をしていた⋯⋯だが、よくよく考えたら俺にとって最高なだけじゃないかと思ったのだ。
 日本人が他にもいる。そしてそいつらを殺す運命にある。

 もしかしたら、俺をいじめていた奴らがいるかもしれない。
 そいつらが居たら、ぐちゃぐちゃに痛めつけてぶち殺してやるんだ。
 その欲望が出来てから俺は加速した。
 洞窟から抜け出し、近くの村や町を襲った。

 殺し殺し、全てをゾンビに変えて行った。
 魔法と物理、どっちも扱える俺やら隙はなかった。
 大量の兵力が手に入ると同時にレベルもガンガン上がって行く。
 そして再び進化先が選べるようになった。

 次に選んだのはリッチだ。
 さらに死霊系のスキルが手に入り強化された。
 スケルトンを呼び出して同士討ちさせ強くする。
 この方法は俺を召喚したあのリッチすら知らない事だと思う。
 前世の知識がある俺だから出来るチート技や。

 しかし、俺にも魔力の限界があるし呼び出したスケルトンも成長が遅かった。
 だから諦めて技術向上を狙った。
 だが、弱すぎた。
 俺と比べて知性がないスケルトン共では多少の事では強くならなかった。

 だから即刻諦めた。
 強い奴をゾンビにした方が効率が良いと考えた。
 だからどんどん大きな町も狙って滅ぼして行った。
 そしてエルダーリッチとなり、装備も国宝の物が揃った時、既にあのリッチは敵ではなかった。

 だから殺す事はせずに他の転生者を探した。
 運良く最初に見つけたのは前世で俺を虐げていた奴だった。
 人間に転生したようだった。
 死ぬギリギリまで拷問して楽しみ、ゾンビの餌にした。

 最近、上等過ぎるゾンビが手に入った。
 しかもゾンビになった後でも自我があり、自身の生前の名前すら覚えている。
 実質なネームドだ。
 この世界の魔物は下位、中位、上位のクラスに分かれている。

 別として、レア、ネームド、レジェンドと言う分岐がある。
 その上が魔王やアルティメットと言ったクラスだ。
 レア中位、ネームド下位などと呼ばれるクラス分けになる。
 魔王やアルティメットは単体である。別格ゆーこっちゃ。

 そして今は人間の国を支配している段階だ。
 もうすぐ、俺は新たな進化を迎えて魔王クラスになる。
 ⋯⋯楽しみだ。
 アンデッドロード!


 ◆

 ゼラは現状、ネームド上位です。
 元はレア下位です。変身先が増えて位が上がり、名前を貰ってネームドに。

 下位、中位、上位。
 レア、ネームド、レジェンド。
 魔王。
 アルティメット。

 こんな感じで別々です。
 亜種系の魔物はレアとなります。
 なので通常の魔物は『位』しかありません。
 リッチは中位。
 エルダーリッチは上位。

 分かりずらくてごめんなさい。
 とにかく魔物には『クラス』と言うのが存在しますって事です!
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