能力者とダンジョンがありふれた世界の最高位迷宮管理者〜ようこそ神が救いし世界へ

ネリムZ

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二章 能力専門学校

14話 爆撃され警察来た

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 俺の頭は真っ白に成った。

「私の目標は、迷宮都市のダンジョンを攻略して、迷宮都市を作った管理者にその目的を聞くこと! その為に、召喚のアビリティを持ち、その実力を見込んで貴方をスカウトします! 雨宮天音さん!」

 手を差し伸べてくれる雪姫。

 俺は未だに頭が真っ白だった。

「でも、その」

「私は貴方をスカウトしています。何処ぞの管理者ではありません」

「ッ! ⋯⋯少し、時間を置いても良いですか?」

「はい。前向きな答えを、待ってます」

 そうして、雪姫は屋上を去った。

 ◇

 俺が部屋で寝ている時の事だった。

 パリン、とガラスが割れる音を響かせて、中に丸い球体が入って来る。

「ッ!」

 俺はすぐにスペルカードを取り出した。

「発動!」

 昼は戦闘用、夜は防衛用のスペルカードを所持している俺。

 部屋や家に被害が出ないように守り、コートも俺を守るように結界を張る。

 刹那、俺の部屋の家具を破壊しながら少し壁に亀裂を出し、爆音と光を外にまで出しながら爆ぜた。

 俺も少し吹き飛ぶ。

「今の装備の俺を吹き飛ばすって、ただの爆弾じゃねぇな。こんやろう。誰だよ。シャドウキャット!」

 俺の影に護衛用の戦闘が得意なモンスターが潜んでいる。

 犯人を追って貰う。

「は~部屋が」

 証拠の為に直す訳にもいかない。

 家族も目は冷めるし、隣人も目が覚める。

「あぁもう最悪だ!」

 よし、犯人を金栗二号と名ずけよう。

「はぁ。深夜テンション」

 コートには二尾のように紐が内側に付いている。

 自動防衛や攻撃にも使える特別の紐⋯⋯帯に近いかもしれない。

 そんな黒い帯が俺の頭を撫でてくれる。

 あれから数十分、亜久はあの中でも寝ているが、流石に両親は起きている。

 警察が来て、部屋を調べたり、質問して来たりする。

 二人いた。

「なにか何か心当たりが?」

「高校生ですよ! ある訳ないじゃないですか!」

 ちょっと政治家や金栗のモンスターの顔が思い浮かんだ。

「彼、嘘ついてますよ」

 畜生! 嘘か真実かを聞き分けるアビリティ保有者のようだ。はは、便利だね。

「何故、嘘を?」

「嘘なんてとんでもない。ちょっと嫌な思いをさせてしまった相手を思い浮かべただけで、爆破されるような事はしてませんよ」

 実際、迷宮都市で過ごしている人達は幸せそうだった。

「犯人に心当たりは?」

「ないですね」

 俺に質問して来る警察が、嘘発見器の隣の警察を横目で見る。

「真実です」

 心当たりがあったらさっさと対処してるよ。

「アビリティに関わる事は我々の管轄では無い。そして、最近その手の人材が忙しくてね。本格的な調査は時間が掛かりそうだよ」

 それ、俺のせい?

「あの、自分のアビリティでパソコンとか、直して良いですか?」

「現場を残すために、それは許可出来ない」

「はい」

 アイテムストレージに入れていたスマホしか残ってないよ。

 警察が帰り、両親と会話する。

 俺がこのままここに居て、両親にも敵意が向けられたら最悪なので、俺は迷宮で過ごす事にした。

「はぁ。まさか夜をダンジョンで明かす事に成るとは」

「そうですね」

「秋って何時も管理者の部屋で仕事してるの?」

「いえ。マスターが今日からここで過ごす、ようなのでここに移しました。マスターの寝顔見ながら頑張ります」

「程々にしろよ? 皆心配してるよ」

「仕方ないです。私にしか出来ない事ですから」

「ほんと、ごめん」

「良いんです。マスターがそんなに頭を下げないでください」

「ありがとう。おやすみ」

「おやすみなさい。マスター」

 翌日、俺は学校に向かっている。

「流石はウチの最高峰のベット、すぐに寝れたぜ」

 深夜で眠かったのもあるかもしれない。

「天音!」

「千秋、どうしたの焦って?」

「寧ろなんで天音がそんな平然としているか分からないよ! ニュースに成ってたけど、爆破されたんだよね? 大丈夫だったの?」

「ああ、問題ないよ」

 部屋も壁に亀裂が入り、家具が全壊したくらいで問題は⋯⋯あるな。

 ゲームデータ。バックアップって重要だよね。ほんと。

「今日の昼雪っちも来るよ」

「ッ! ご、ごめん。他用が会ってな。皆で食べてくれ」

「えー、まぁ良いけどさ。結菜ちゃんも居ないし。大和のハーレムが形成したけど良いの?」

「まぁ、良いんじゃない?」

「雪っちが大和に惚れたらどうするの?」

「⋯⋯」

「ごめんごめん」

 ◇

 俺は今、仮面を付けている。

 やっぱり昼の時間は色んな生徒が色んな場所に散らばる。

 俺は今日、「青と緑のグループの奴らは魔道具を所持している」の情報を頼りに、そのグループの奴らから情報を聞くために行動する。

 その為に、賠償金も払い終わり、現在は基礎訓練に励んでいる黄雅にそれをやらせる。

「頑張ってきます!」

「頑張ってくれ!」

 そう言えば、あれ以来カオスからのクエストが無いな。

 ま、良いけどさ。

 黄雅が青グループの二人組に向かって堂々と歩いて行った。

「おい、お前ら」

「ああん?」

「なんだてめぇ? て、お、お前!」

「まじかよ」

「「最弱の黄色じゃねぇか!」」

 ブフ! え、グループの下っ端的な存在の人達にもそう言う認識なの?

 ちょっと可哀想だぞ。

「ああ。最弱の黄色こと、黄雅だ。お前ら、最近魔道具を手にしているようだが、何処で手に入れた?」

「あぁん? 何処でその情報を手に入れた!」

「情報屋でも使ったんか?」

 情報屋? 加藤並には情報を専門にした人が居るのか?

 にしても黄雅、精神的な成長を感じれるな。

 アビリティを上手く使うには、まずは己の精神を鍛える必要がある。

 俺も自分のアビリティを使いこなす為に良く言われたなぁ。

「聞きたいか?」

「ああ」

「なら、それ相応の頼み方があるだろ!」

「⋯⋯それは出来ない。師匠の弟子として、そんなみっともない事は出来ない!」

 こいつ、過去の事棚上げしたな? ま、俺もいちいち責めるつもりはないけどさ。

「なら、力尽くで聞いてみろよ」

「ああ、ならそうさせて貰うぞ!」

 黄雅もモンスターとの戦いで成長している。

 が、それは複数人での戦いであり、個人で、しかも相手は二人。

 黄雅は敗北した。

 一人が黄雅の動きを拘束、もう一人が一方的にボコる。

「やっば! 弱すぎww」

「これが黄グループのボスって、こりゃあ俺ら青グループに合併だな」

「だな!」

 うーん。ちょって期待していた。

 黄雅だって強くなっている。精神的な面も成長している。

 だから少しは善戦すると思っていた。しかし、ここまで一方的になると。

「魔道具、ほんと恐ろしい道具だな」

 さて、仮面の生徒、行きますか。
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