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VSいじめっ子
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今の家から登校すると、世奈と途中まで一緒に成る事が判明した。
中学が近くて安心、そんな感想しか出て来なかった。
「それじゃ、気をつけて行きなね」
「お姉ちゃんもね」
「あいよ」
そして学校まであと少しと言う所で、あの男がやって来た。
大丈夫。名前は⋯⋯覚えてる。
「おはよう世羅ちゃん」
少し気まづい雰囲気を出しながらそう言って来る。
私は一度立ち止まり、深呼吸して激しく鼓動する心臓を落ち着かせる。
そして、振り返り目と目を合わせる。⋯⋯大丈夫、見える。
悪魔では無く人間に見える。
大丈夫。
「お、おはよう⋯⋯ございます」
途中で目を逸らしてしまったが、言えた。挨拶出来た。
裕也さん達の所に行ってから、まともに会話も出来なかった人と、久しぶりのまともな会話をした気がする。
一切動かない相手に不審がり、私は恐る恐る顔を横目で覗く。
ボケーッとした男がブラリと立っていた。
「だ、大丈夫?」
前の調子が戻って来たのか、先程よりも滑らかに言葉が出て来た。
少し近づいて顔を覗き込むと、一歩退かれてしまった。
「あ、ごめん」
「あ、いや。そうじゃなくてね。ちょっとドキッとしたって言うか。あはは」
「そっか」
二人で校門を潜る。何故か、周りの視線が気になった。
ただ、いつものとは違い、変わった目だ。
なんて言えば良いのか分からないのだが、嫌悪されてない事は分かる。
あの事件があったのだ。私の人生は、変わっているのかもしれない。
そう、思っていた。
しかし、私はいつものように呼び出された。
羽織、美波、花美のクソサンメンバーである。
「ちょっと強く成ったからってチョーシ乗んなよ!」
美波は傷が既に癒えている様で、いち早く牙を私に向けた。
今日は珍しく、と言うか初めてかもしれない。あの男が教室までついて来たのだ。
その影響か、三人ともイライラしている。
「そんなにカリカリしてるとシワが増えるぞ」
「ッ!」
そう言うと、美波から割と速い拳が顔面に飛んで来た。
なので、横に倒して避ける。修復して強化もされただろう、体育館の壁はその打撃を無傷で耐えた。
あのオーガの攻撃をどこまで耐えられるのだろうか。
「腹はもう良いのか?」
「陰キャのカスが、イキがるな!」
足の振り上げ。流石は武術経験者。その蹴り上げは速く鋭かった。
しかし、軽く横にステップしたら避けられるし、攻撃直後の隙で一撃を与えられる。
「ごふっ」
力の流れを一点に集中して強い打撃を生み出す。
そんな事をやった拳で美波を殴り飛ばした。
一点に攻撃を集中した事により、普通のパンチよりも当然痛い。
それだけではなく、衝撃も強く、美波は少しだけ吹き飛んでいた。
「あーあー、やっちゃったなぁ! これは完璧な暴力行為だなぁ!」
羽織がそう叫ぶ。先にやってるのはお前だろうが。
クソサンリーダーの羽織。こいつのレベルっていくつだろ?
「お前もう学校に⋯⋯がっ」
頭を握り、そのまま地面に倒した。歯が数本折れた気がする。
血も少し流れている。軽くやったけど、やりすぎたみたいだ。これがレベルの差ってヤツだね。
「そうだね。だからさ、最後くらい楽しくやろうかねぇ!」
「まじで、雑魚が、調子に、乗るな!」
スキルを使用して、流れ星の様に移動して来た美波が拳を突き出す。
武器を必要としない拳がメイン武器の場合、こう言う時に便利だ。
確かに、今の私でもきちんと集中してないと殴られそうだ。
だけどね。私は⋯⋯油断も何もしてない。
「調子に乗る? イキがってる? 残念だけどさ、私は至って冷静だし集中してるよ」
「なっ」
拳を躱し、隙だらけの相手の腹に鋭い突き出しを放つ。
そのまま背中を抑えて地面に突き倒す。一撃一撃の衝撃音が心を踊らされる。
「あ、あんた」
少しだけ震えている花美。何もしてこないなら都合が良いので、二人を足で顔を上に向けさせる。
そのままマウントポジションを取る。
今からする事なんて一つだけなのに、自称神は何も言ってこない。
見てないのか、それとも『世界』が重要であり、『個人』に興味はないのか。
「じゃ、一発目~」
まずはリーダー羽織。さっきので力加減は分かった。
成る可く長くなる様に殴る。何か言っている気がするが、歯が無くて上手く喋れてない。
段々と目に恐怖が現れて、涙を流し始める。
「人を殴るって何が楽しいのか私には分からなかった。でも、実際殴ってみると感想が出て来るね」
とある作品では楽しくないとか面白くないとか言ってたりする。
実際そんなもの、そんな感じだと私も思っていた。
私は腐っているようだ。腐っている風を装っている主人公とは違い、私は本当に腐っている。
「弱い者を殴るって、結構楽しいね。サンドバッグを殴るのってこんな感じなのかな」
羽織が完全に潰れたら、今度は美波を殴る。
さっきよりも少しだけ力を込めれるのでもっと楽しいと感じた。
だけど、ここで世奈や裕也さん達、家族の光景や紗奈さんが頭に浮かんだ。
どんな事情があろうとも、この人達を殴るのは⋯⋯嫌だな。
「終わったか」
だいぶ殴ったら、気絶した。残ったのは僕っ子で一番何もして来ない花美だけである。
「ドーン」
「ッ!」
マウントポジションから足に力を込めて無理矢理跳躍する。
地面を少し抉る高熱の光線が出現していた。
焦った。もしもあれが直に当たっていたら制服が破けているどころか、体に穴が出来ている。
「へーあそこから躱すのか。本当に強く成ったね」
猫なで声が基本で、僕っ子でぶりっ子な花美。
そんな奴なのに、今出ている声はどす黒く、低い声だった。
「あーあー、ボロボロにしちゃって」
羽織の顔に足を乗せてグリグリする。
その光景に私は目を見開いた。
「何驚いてんの? 僕はこの二人が嫌いなんだよねぇ。親が僕の親よりも立場が上だからさぁ、偉そうにされてたんだよねぇ。だからちょーぴっりスッキリしてたりね」
しかし、その声とは裏腹に、一瞬で肉薄して空気を切り裂く拳が突き出される。しかし、わざと私の顔の横に拳が来るように成っていた。
「うん。目で追えてるね」
私は大きくバックステップして距離を取る。すると、準備運動を始める花美。
「まーこいつらと滝宮くんの事は別だから。なんであの人がてめぇに靡いているのか分かんねぇけどさ。その顔が更に傷付いたら問題ないかな?」
「はは。そりゃあ無いよ」
刹那、花美の左目が蒼く輝いた。
中学が近くて安心、そんな感想しか出て来なかった。
「それじゃ、気をつけて行きなね」
「お姉ちゃんもね」
「あいよ」
そして学校まであと少しと言う所で、あの男がやって来た。
大丈夫。名前は⋯⋯覚えてる。
「おはよう世羅ちゃん」
少し気まづい雰囲気を出しながらそう言って来る。
私は一度立ち止まり、深呼吸して激しく鼓動する心臓を落ち着かせる。
そして、振り返り目と目を合わせる。⋯⋯大丈夫、見える。
悪魔では無く人間に見える。
大丈夫。
「お、おはよう⋯⋯ございます」
途中で目を逸らしてしまったが、言えた。挨拶出来た。
裕也さん達の所に行ってから、まともに会話も出来なかった人と、久しぶりのまともな会話をした気がする。
一切動かない相手に不審がり、私は恐る恐る顔を横目で覗く。
ボケーッとした男がブラリと立っていた。
「だ、大丈夫?」
前の調子が戻って来たのか、先程よりも滑らかに言葉が出て来た。
少し近づいて顔を覗き込むと、一歩退かれてしまった。
「あ、ごめん」
「あ、いや。そうじゃなくてね。ちょっとドキッとしたって言うか。あはは」
「そっか」
二人で校門を潜る。何故か、周りの視線が気になった。
ただ、いつものとは違い、変わった目だ。
なんて言えば良いのか分からないのだが、嫌悪されてない事は分かる。
あの事件があったのだ。私の人生は、変わっているのかもしれない。
そう、思っていた。
しかし、私はいつものように呼び出された。
羽織、美波、花美のクソサンメンバーである。
「ちょっと強く成ったからってチョーシ乗んなよ!」
美波は傷が既に癒えている様で、いち早く牙を私に向けた。
今日は珍しく、と言うか初めてかもしれない。あの男が教室までついて来たのだ。
その影響か、三人ともイライラしている。
「そんなにカリカリしてるとシワが増えるぞ」
「ッ!」
そう言うと、美波から割と速い拳が顔面に飛んで来た。
なので、横に倒して避ける。修復して強化もされただろう、体育館の壁はその打撃を無傷で耐えた。
あのオーガの攻撃をどこまで耐えられるのだろうか。
「腹はもう良いのか?」
「陰キャのカスが、イキがるな!」
足の振り上げ。流石は武術経験者。その蹴り上げは速く鋭かった。
しかし、軽く横にステップしたら避けられるし、攻撃直後の隙で一撃を与えられる。
「ごふっ」
力の流れを一点に集中して強い打撃を生み出す。
そんな事をやった拳で美波を殴り飛ばした。
一点に攻撃を集中した事により、普通のパンチよりも当然痛い。
それだけではなく、衝撃も強く、美波は少しだけ吹き飛んでいた。
「あーあー、やっちゃったなぁ! これは完璧な暴力行為だなぁ!」
羽織がそう叫ぶ。先にやってるのはお前だろうが。
クソサンリーダーの羽織。こいつのレベルっていくつだろ?
「お前もう学校に⋯⋯がっ」
頭を握り、そのまま地面に倒した。歯が数本折れた気がする。
血も少し流れている。軽くやったけど、やりすぎたみたいだ。これがレベルの差ってヤツだね。
「そうだね。だからさ、最後くらい楽しくやろうかねぇ!」
「まじで、雑魚が、調子に、乗るな!」
スキルを使用して、流れ星の様に移動して来た美波が拳を突き出す。
武器を必要としない拳がメイン武器の場合、こう言う時に便利だ。
確かに、今の私でもきちんと集中してないと殴られそうだ。
だけどね。私は⋯⋯油断も何もしてない。
「調子に乗る? イキがってる? 残念だけどさ、私は至って冷静だし集中してるよ」
「なっ」
拳を躱し、隙だらけの相手の腹に鋭い突き出しを放つ。
そのまま背中を抑えて地面に突き倒す。一撃一撃の衝撃音が心を踊らされる。
「あ、あんた」
少しだけ震えている花美。何もしてこないなら都合が良いので、二人を足で顔を上に向けさせる。
そのままマウントポジションを取る。
今からする事なんて一つだけなのに、自称神は何も言ってこない。
見てないのか、それとも『世界』が重要であり、『個人』に興味はないのか。
「じゃ、一発目~」
まずはリーダー羽織。さっきので力加減は分かった。
成る可く長くなる様に殴る。何か言っている気がするが、歯が無くて上手く喋れてない。
段々と目に恐怖が現れて、涙を流し始める。
「人を殴るって何が楽しいのか私には分からなかった。でも、実際殴ってみると感想が出て来るね」
とある作品では楽しくないとか面白くないとか言ってたりする。
実際そんなもの、そんな感じだと私も思っていた。
私は腐っているようだ。腐っている風を装っている主人公とは違い、私は本当に腐っている。
「弱い者を殴るって、結構楽しいね。サンドバッグを殴るのってこんな感じなのかな」
羽織が完全に潰れたら、今度は美波を殴る。
さっきよりも少しだけ力を込めれるのでもっと楽しいと感じた。
だけど、ここで世奈や裕也さん達、家族の光景や紗奈さんが頭に浮かんだ。
どんな事情があろうとも、この人達を殴るのは⋯⋯嫌だな。
「終わったか」
だいぶ殴ったら、気絶した。残ったのは僕っ子で一番何もして来ない花美だけである。
「ドーン」
「ッ!」
マウントポジションから足に力を込めて無理矢理跳躍する。
地面を少し抉る高熱の光線が出現していた。
焦った。もしもあれが直に当たっていたら制服が破けているどころか、体に穴が出来ている。
「へーあそこから躱すのか。本当に強く成ったね」
猫なで声が基本で、僕っ子でぶりっ子な花美。
そんな奴なのに、今出ている声はどす黒く、低い声だった。
「あーあー、ボロボロにしちゃって」
羽織の顔に足を乗せてグリグリする。
その光景に私は目を見開いた。
「何驚いてんの? 僕はこの二人が嫌いなんだよねぇ。親が僕の親よりも立場が上だからさぁ、偉そうにされてたんだよねぇ。だからちょーぴっりスッキリしてたりね」
しかし、その声とは裏腹に、一瞬で肉薄して空気を切り裂く拳が突き出される。しかし、わざと私の顔の横に拳が来るように成っていた。
「うん。目で追えてるね」
私は大きくバックステップして距離を取る。すると、準備運動を始める花美。
「まーこいつらと滝宮くんの事は別だから。なんであの人がてめぇに靡いているのか分かんねぇけどさ。その顔が更に傷付いたら問題ないかな?」
「はは。そりゃあ無いよ」
刹那、花美の左目が蒼く輝いた。
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