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物理系魔法少女、助っ人と配信
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声をかけられた方を見ると、真っ白な服装に髪色をしたシロエさんが立っていた。
毎日のように会う訳では無いので、今回は偶然なのだろうか?
だけど、俺は朝早くからダンジョンに来ているし、何よりも今日は平日だ。
学生だと思われるシロエさんは普通に学校があるはず。
だと言うのにダンジョンに来ているのは怪しい。
「どうしてダンジョンに?」
「今日の学校は代休日なのですわ。なので自分の潜れる最高レベルのダンジョンに来ましたのよ。そしたら偶然アカツキさんが見えたんですもの。声をかけて参りましたわ」
経緯を説明してくれた。
平日なのを疑問に思っていた事がバレていたのか、しっかりと学校の話も挟んでくれる。
その理由に納得した俺はシロエさんと別れてからダンジョンを進もうと考える。
今日は配信予定だ。
平日の朝からライブしても見に来る人は基本的に少ないが、俺はそのスタンスを取っている。
学校に行く前にダンジョンで配信している、と言う設定が視聴者達の中で作られたくらいには、この時間帯でライブをする事が多い。
ライブなんて気まぐれでやってるしね。しかたない。
「良ければですが、ご一緒に探索しませんか? アカツキさんはこのダンジョン初めてですわよね?」
「そうだけど、ネットとかでは一応調べているよ」
「ネットの知識だけでは偏りがありますわ。それに現地じゃないと地理などは分からない。その点、わたくしはこのダンジョンについてそれなりに詳しい、どうでしょうか?」
確かに、それはそうだな。
鉱山だし迷子になる確率は低いと思われる。だけど確実だとは思えない。
シロエさんはしっかりしているし、驚異的な記憶力などを持っている。
一緒に探索してくれるのなら心強い。
だけど、俺はライブをしたい。
「えっと。実は今から生配信する予定なんだ?」
「それでは、助っ人ホワイトマジックガールとして参戦しましょうか?」
「ノリ良いね。それで良いなら、一緒に探索をして欲しいかな」
ゲートから離れて、俺はカメラを起動する。
始めの挨拶を雑に行い、目標も伝えて、シロエさんの存在を説明した。
配信者って訳ではないのでコラボと言う訳でもない。
ただ、助っ人の魔法少女である。
『白い!』
『可愛い』
『これは頭脳派の予感』
『脳筋に頭脳が備わってしまった』
『テンプレ的なコンビだな』
『知能と筋力、良いね』
『ロックドレイクか。まずは探すところからだな』
『中々大変だけど、必ず発見だぜ』
『見つけるまで探せば確率は百ぱーだから』
シロエさんと鉱山を登る。
「ロックドレイクの生息地は決まっておりませんが、特定の鉱物を餌として食べているので、その鉱石が密集した地帯なら、発見しやすいかもですわ」
シロエさんのアドバイスを聞き入れて、俺はロックドレイクの餌となる鉱石、パンニウムを探す事にした。
聞き馴染みのないその鉱石はこのダンジョンのみに生成され、レアメタルらしい。
ロックドレイクに食われるので、採掘するのはかなり困難を極めるとか。
希少で数も減らされる、見つけるのが大変そうだ。
「特徴としては真っ赤な鉱石の中に、金色の瞳孔のような筋が入っておりますわ」
「なるほど」
このダンジョンは鉱山の中と外で分かれている。
中もかなりの広さだが、時々マグマが浮上してくるのでかなり危険で熱い。
ある程度の熱さなら我慢できるが、危険を犯したくはないので、外側を散策する。
ロックドレイクが見つかればそれに超した事は無いが、難しいだろう。
「アカツキさん。お出ましですわよ」
「やっぱ、鉱石と言ったら居るよね」
ゴーレム、ベースは鉄だろうか?
鉄色でテッカテカである。
地面に手を突っ込み、ブロックとして持ち上げた。
それをどうするかなんてのは考えなくても分かるよな?
対処方法は単純、ステッキをぶん投げて終わりだ。
「相変わらず、ステッキの扱いが雑ですわ」
「ステッキは鈍器か投擲物だろ? 還ってくるから、投擲物として優秀だし」
俺が心の中で戻れと指示すれば、ステッキは投げた時のスピードで手に戻って来る。
気を抜くと、かなりのダメージを受けてしまうので気をつける必要がある。
『ツッコミ役!』
『アカツキとコラボした人はツッコミ役に回る事が多い』
『コラボまだ二人としかやった事ないけどね!』
『ルミナスさんとは結構やってるよね』
『アオイちゃんが⋯⋯』
『魔法少女コンビは実際どうなんだ?』
ゴーレムの倒し方は人やパーティ構成によって変わるだろう。
俺達の場合、単純だ。
まずは俺が近づく。
「物理攻撃反射がありますわよ! お気をつけて!」
「その情報はありがたい!」
『反射はアカツキの天敵だからなw』
『既に対策されてるけどね』
『なんでもありよ』
ゴーレムの足を抱きつく様に捕まえて、一旦転ばせる。
後はいつも通り力任せに、上に向かって放り投げる。
すると、重力に従ってゴーレムは落下して、ダメージを受ける。
身体が硬く重いだけ、そのダメージは蓄積されやすい。
「相変わらずのゴリ押しですわね! 嫌いではありませんわよ!」
『助っ人が解説役になってるがな!』
『でもしっかりサポーターはしてるよね。情報系で』
『アカツキに頭脳系のペアがいても戦闘はいつもと変わらない』
毎日のように会う訳では無いので、今回は偶然なのだろうか?
だけど、俺は朝早くからダンジョンに来ているし、何よりも今日は平日だ。
学生だと思われるシロエさんは普通に学校があるはず。
だと言うのにダンジョンに来ているのは怪しい。
「どうしてダンジョンに?」
「今日の学校は代休日なのですわ。なので自分の潜れる最高レベルのダンジョンに来ましたのよ。そしたら偶然アカツキさんが見えたんですもの。声をかけて参りましたわ」
経緯を説明してくれた。
平日なのを疑問に思っていた事がバレていたのか、しっかりと学校の話も挟んでくれる。
その理由に納得した俺はシロエさんと別れてからダンジョンを進もうと考える。
今日は配信予定だ。
平日の朝からライブしても見に来る人は基本的に少ないが、俺はそのスタンスを取っている。
学校に行く前にダンジョンで配信している、と言う設定が視聴者達の中で作られたくらいには、この時間帯でライブをする事が多い。
ライブなんて気まぐれでやってるしね。しかたない。
「良ければですが、ご一緒に探索しませんか? アカツキさんはこのダンジョン初めてですわよね?」
「そうだけど、ネットとかでは一応調べているよ」
「ネットの知識だけでは偏りがありますわ。それに現地じゃないと地理などは分からない。その点、わたくしはこのダンジョンについてそれなりに詳しい、どうでしょうか?」
確かに、それはそうだな。
鉱山だし迷子になる確率は低いと思われる。だけど確実だとは思えない。
シロエさんはしっかりしているし、驚異的な記憶力などを持っている。
一緒に探索してくれるのなら心強い。
だけど、俺はライブをしたい。
「えっと。実は今から生配信する予定なんだ?」
「それでは、助っ人ホワイトマジックガールとして参戦しましょうか?」
「ノリ良いね。それで良いなら、一緒に探索をして欲しいかな」
ゲートから離れて、俺はカメラを起動する。
始めの挨拶を雑に行い、目標も伝えて、シロエさんの存在を説明した。
配信者って訳ではないのでコラボと言う訳でもない。
ただ、助っ人の魔法少女である。
『白い!』
『可愛い』
『これは頭脳派の予感』
『脳筋に頭脳が備わってしまった』
『テンプレ的なコンビだな』
『知能と筋力、良いね』
『ロックドレイクか。まずは探すところからだな』
『中々大変だけど、必ず発見だぜ』
『見つけるまで探せば確率は百ぱーだから』
シロエさんと鉱山を登る。
「ロックドレイクの生息地は決まっておりませんが、特定の鉱物を餌として食べているので、その鉱石が密集した地帯なら、発見しやすいかもですわ」
シロエさんのアドバイスを聞き入れて、俺はロックドレイクの餌となる鉱石、パンニウムを探す事にした。
聞き馴染みのないその鉱石はこのダンジョンのみに生成され、レアメタルらしい。
ロックドレイクに食われるので、採掘するのはかなり困難を極めるとか。
希少で数も減らされる、見つけるのが大変そうだ。
「特徴としては真っ赤な鉱石の中に、金色の瞳孔のような筋が入っておりますわ」
「なるほど」
このダンジョンは鉱山の中と外で分かれている。
中もかなりの広さだが、時々マグマが浮上してくるのでかなり危険で熱い。
ある程度の熱さなら我慢できるが、危険を犯したくはないので、外側を散策する。
ロックドレイクが見つかればそれに超した事は無いが、難しいだろう。
「アカツキさん。お出ましですわよ」
「やっぱ、鉱石と言ったら居るよね」
ゴーレム、ベースは鉄だろうか?
鉄色でテッカテカである。
地面に手を突っ込み、ブロックとして持ち上げた。
それをどうするかなんてのは考えなくても分かるよな?
対処方法は単純、ステッキをぶん投げて終わりだ。
「相変わらず、ステッキの扱いが雑ですわ」
「ステッキは鈍器か投擲物だろ? 還ってくるから、投擲物として優秀だし」
俺が心の中で戻れと指示すれば、ステッキは投げた時のスピードで手に戻って来る。
気を抜くと、かなりのダメージを受けてしまうので気をつける必要がある。
『ツッコミ役!』
『アカツキとコラボした人はツッコミ役に回る事が多い』
『コラボまだ二人としかやった事ないけどね!』
『ルミナスさんとは結構やってるよね』
『アオイちゃんが⋯⋯』
『魔法少女コンビは実際どうなんだ?』
ゴーレムの倒し方は人やパーティ構成によって変わるだろう。
俺達の場合、単純だ。
まずは俺が近づく。
「物理攻撃反射がありますわよ! お気をつけて!」
「その情報はありがたい!」
『反射はアカツキの天敵だからなw』
『既に対策されてるけどね』
『なんでもありよ』
ゴーレムの足を抱きつく様に捕まえて、一旦転ばせる。
後はいつも通り力任せに、上に向かって放り投げる。
すると、重力に従ってゴーレムは落下して、ダメージを受ける。
身体が硬く重いだけ、そのダメージは蓄積されやすい。
「相変わらずのゴリ押しですわね! 嫌いではありませんわよ!」
『助っ人が解説役になってるがな!』
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