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物理系魔法少女、荷物発見
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「その証拠はどこに?」
「まずは男の人が倒れていた地形と違う、景色が違いますわ。これはわたくしの記憶なので証拠にはなりませんわね。ただ確実に違う場所が一つ」
時間ないので端的にお願いしたいところでございますわ。
「男の人はかなりの量出血して、木にも付着しておりましたわ」
それだけ聞いて俺も分かった。
確かに、この辺には血痕のようなモノはどこにも無い。
つまり、男が倒れていた場所ではないと言う事。
そうなればリュックを置いて、回復薬を取り出そうとした場所じゃないと言う訳だ。
納得できる情報を得たのだが、だからと言って何かが変わる訳では無い。
むしろ、方向などを間違えたならこの森の中探すのは困難に近くなった。
距離の感覚は間違ってないと思うんだけど。
「それとこの森にはトレントがいます。動いていたら当然景色は変わりますわ。そしたらわたくしの記憶も役立たず」
「ど、どうすれば良いの?」
「おまかせくださいませ。わたくし、このダンジョンについては少しだけ詳しいのですわよ」
俺達は少しだけ移動して、木の上で気配を殺す。下を見れば、狼のような魔物が一体、歩いている。
「こちらは回復魔法を使う時に近づいて、付着した血です」
どこからか手に入れたのか、血の着いた布を取り出した。
「そして、適当な石ですわ」
石に布を擦り付ける。
「これで少しでも匂いを着けて、投げますわ」
「投げようか?」
「倒しては意味が無いので」
シロエさんは狼のような魔物に匂いを着けた石を投げて当てた。
狼は顔をキョロキョロとしてから、動き出した。
「血の匂いがする方へ行くはずです。攻撃して来た敵を殺すために」
「なるほど。それじゃ、後は追いかけるだけだね」
「そうですわ。気づかれてはダメですわよ」
俺はシロエさんを抱えて、ウルフの背後を木の上を伝って追いかける。
トレントが攻撃をして来る時は避けて、追いかけるのを優先する。
ウルフが到着した場所には血痕がまだあり、匂いを嗅いでいる。
「景色の変化は無いですわね。あそこで間違いないと思いますわ」
「じゃ、アイツ倒すか」
俺はジャンプして、上から狼を踏みつけて倒した。
リュックを探すが、それらしい姿は無かった。
「ちぃ。魔物に奪われたか」
「⋯⋯足跡がありましたわ」
シロエさんが足跡を発見したので、その後を気をつけながら追っていく。
そして、魔物の集団を発見した。
「なんだこれ? ドローンか? 売れるかなぁ。それと弁当か?」
俺のリュックの中身を漁っている奴が独り言をブツブツ言っている。
人様の荷物を⋯⋯。
俺が飛び出そうとしたら、シロエさんが冷静に止めてくれた。
「魔物の足跡だったのに、人間と思われる存在が持ってますわ。まずは警戒するべきです」
「ぐぬぬ」
俺はシロエさんに説得されて、観察する事にする。
弁当とカメラに手を出したら、止められても向かう予定だ。
「ん~トレントの魔石が一つだけか。しょぼいな」
あーうぜぇ。
見ていると、魔物がそいつの下にやって来た。
「お、中々に良いもんじゃねぇか」
魔物が持って来た荷物を受け取って、中身を物色する。
俺の荷物には興味を失ったようだ。
「むっ」
白でさんの顔が引き締まったのが分かった。
何かあるのかもと集中して観察すると、魔物の持って来た荷物に血が着いてる事に気づいた。
「なぁ、行って良いか?」
それだけでコイツが何をしているのかなんとなく分かった。
テイムの悪用だな。
「ですが、まだ確定した訳ではありませんわ」
シロエさんは俺の考えを分かってか、そう口にする。
確かにその通りだ。勘違いで殴ったら、それは俺が悪い。
「やっぱり、普通に魔物を倒すよりも他人から貰った方が、効率的だなぁ!」
その言葉を聞いて、シロエさんは俺から手を離した。
刹那、俺は飛び出て、自分の荷物を回収した。
「なんだお前!」
「お前、魔物を使って何をしている?」
リュックの中身を確認してから、背中に回す。
「ちぃ。聞かれたか。安心しろよ。多分殺しちゃいねぇ。ただ、隙見て貰ってんだよ!」
「ただの盗人じゃねぇか!」
とりあえず、ゲート近くの自衛隊に突き出すか。
自白させるために軽くボコす事に決めた。
「うるせぇ! ふざけた格好しやがって!」
魔物が俺に襲いかかるので、手を抜く必要は無いな。
魔物なら手加減も何も要らねぇだろ。
「シャラ!」
俺は魔物を蹴り上げた。
「馬鹿め! ここの魔物の大半は物理攻撃無効⋯⋯なんでぇ?」
俺は全ての魔物を拳でねじ伏せて倒し、残った男に向かって歩み寄る。
恐怖に染まった顔をして、あいつは俺に背中を見せてみっともなく走って逃げる。
それを逃がす俺じゃないので、走って追いかける。
「ッ!」
すぐさまその男を追い抜いて、地面を蹴り抉る。
その風圧で男を吹き飛ばし、男を殺そうと迫って来た長い爪の斬撃をステッキをバットにして防ぐ。
「倒れてた男が言っていたのは、コイツだな」
真っ黒な魔物、武器は爪だろう。
バックステップで距離を取り、男の首根っこを掴む。
「なんだよ、離せ!」
俺は近くの木に向かって投げた。その衝撃で気絶する。
「さっさと片付ける」
「まずは男の人が倒れていた地形と違う、景色が違いますわ。これはわたくしの記憶なので証拠にはなりませんわね。ただ確実に違う場所が一つ」
時間ないので端的にお願いしたいところでございますわ。
「男の人はかなりの量出血して、木にも付着しておりましたわ」
それだけ聞いて俺も分かった。
確かに、この辺には血痕のようなモノはどこにも無い。
つまり、男が倒れていた場所ではないと言う事。
そうなればリュックを置いて、回復薬を取り出そうとした場所じゃないと言う訳だ。
納得できる情報を得たのだが、だからと言って何かが変わる訳では無い。
むしろ、方向などを間違えたならこの森の中探すのは困難に近くなった。
距離の感覚は間違ってないと思うんだけど。
「それとこの森にはトレントがいます。動いていたら当然景色は変わりますわ。そしたらわたくしの記憶も役立たず」
「ど、どうすれば良いの?」
「おまかせくださいませ。わたくし、このダンジョンについては少しだけ詳しいのですわよ」
俺達は少しだけ移動して、木の上で気配を殺す。下を見れば、狼のような魔物が一体、歩いている。
「こちらは回復魔法を使う時に近づいて、付着した血です」
どこからか手に入れたのか、血の着いた布を取り出した。
「そして、適当な石ですわ」
石に布を擦り付ける。
「これで少しでも匂いを着けて、投げますわ」
「投げようか?」
「倒しては意味が無いので」
シロエさんは狼のような魔物に匂いを着けた石を投げて当てた。
狼は顔をキョロキョロとしてから、動き出した。
「血の匂いがする方へ行くはずです。攻撃して来た敵を殺すために」
「なるほど。それじゃ、後は追いかけるだけだね」
「そうですわ。気づかれてはダメですわよ」
俺はシロエさんを抱えて、ウルフの背後を木の上を伝って追いかける。
トレントが攻撃をして来る時は避けて、追いかけるのを優先する。
ウルフが到着した場所には血痕がまだあり、匂いを嗅いでいる。
「景色の変化は無いですわね。あそこで間違いないと思いますわ」
「じゃ、アイツ倒すか」
俺はジャンプして、上から狼を踏みつけて倒した。
リュックを探すが、それらしい姿は無かった。
「ちぃ。魔物に奪われたか」
「⋯⋯足跡がありましたわ」
シロエさんが足跡を発見したので、その後を気をつけながら追っていく。
そして、魔物の集団を発見した。
「なんだこれ? ドローンか? 売れるかなぁ。それと弁当か?」
俺のリュックの中身を漁っている奴が独り言をブツブツ言っている。
人様の荷物を⋯⋯。
俺が飛び出そうとしたら、シロエさんが冷静に止めてくれた。
「魔物の足跡だったのに、人間と思われる存在が持ってますわ。まずは警戒するべきです」
「ぐぬぬ」
俺はシロエさんに説得されて、観察する事にする。
弁当とカメラに手を出したら、止められても向かう予定だ。
「ん~トレントの魔石が一つだけか。しょぼいな」
あーうぜぇ。
見ていると、魔物がそいつの下にやって来た。
「お、中々に良いもんじゃねぇか」
魔物が持って来た荷物を受け取って、中身を物色する。
俺の荷物には興味を失ったようだ。
「むっ」
白でさんの顔が引き締まったのが分かった。
何かあるのかもと集中して観察すると、魔物の持って来た荷物に血が着いてる事に気づいた。
「なぁ、行って良いか?」
それだけでコイツが何をしているのかなんとなく分かった。
テイムの悪用だな。
「ですが、まだ確定した訳ではありませんわ」
シロエさんは俺の考えを分かってか、そう口にする。
確かにその通りだ。勘違いで殴ったら、それは俺が悪い。
「やっぱり、普通に魔物を倒すよりも他人から貰った方が、効率的だなぁ!」
その言葉を聞いて、シロエさんは俺から手を離した。
刹那、俺は飛び出て、自分の荷物を回収した。
「なんだお前!」
「お前、魔物を使って何をしている?」
リュックの中身を確認してから、背中に回す。
「ちぃ。聞かれたか。安心しろよ。多分殺しちゃいねぇ。ただ、隙見て貰ってんだよ!」
「ただの盗人じゃねぇか!」
とりあえず、ゲート近くの自衛隊に突き出すか。
自白させるために軽くボコす事に決めた。
「うるせぇ! ふざけた格好しやがって!」
魔物が俺に襲いかかるので、手を抜く必要は無いな。
魔物なら手加減も何も要らねぇだろ。
「シャラ!」
俺は魔物を蹴り上げた。
「馬鹿め! ここの魔物の大半は物理攻撃無効⋯⋯なんでぇ?」
俺は全ての魔物を拳でねじ伏せて倒し、残った男に向かって歩み寄る。
恐怖に染まった顔をして、あいつは俺に背中を見せてみっともなく走って逃げる。
それを逃がす俺じゃないので、走って追いかける。
「ッ!」
すぐさまその男を追い抜いて、地面を蹴り抉る。
その風圧で男を吹き飛ばし、男を殺そうと迫って来た長い爪の斬撃をステッキをバットにして防ぐ。
「倒れてた男が言っていたのは、コイツだな」
真っ黒な魔物、武器は爪だろう。
バックステップで距離を取り、男の首根っこを掴む。
「なんだよ、離せ!」
俺は近くの木に向かって投げた。その衝撃で気絶する。
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