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物理系魔法少女、防御は嬉しい
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「ほっ!」
八本の斬撃が舞い狂う中を必死に避けて、魔法もきちんと弾いて躱していく。
俺には体力があるのだが、まだ減っている気配は無い。
しかし、無限ではなくていずれは体力切れを起こしてしまうのが俺だ。対して相手はアンデッドであり体力と言う概念がない。
だから長期戦なら俺の方が不利である。
「相手に防御すると言う考えはあるかな」
数歩後ろに下がって助走距離を稼いで、強く踏み込んで接近する。
強く固めた拳を走った勢いに乗せて突き出す。
八本の剣を交差して防ごうとする。あがたいね。
「俺の拳が、剣で止まるか!」
脳みそねぇのかよ! 無いね、うん。
交わった剣の中心を正確に貫いて、相手の胴体をぶん殴り吹き飛ばした。
吹き飛ばしたのと同時に踏み込んで接近し、再び固めた拳を押し付ける。
最後の人押しとして回し蹴りでがしゃどくろの背中から身を投げ出した。
「バイバイ。紐なしバンジーを楽しめ~」
心臓に向かって走るのを再開する。
『防ぐ事にありがたみを感じる魔法少女』
『ああ言うのって、大抵背後から攻撃したりするんだけどなぁ』
『ヘイトを集める役とか、本当に必要ないな』
『アカツキを倒すなら圧倒的な火力じゃないとな』
『打たれ強いからそれも難しくね?』
『魔法も跳ね返すしな』
時々さっきのようなスケルトンが出て来るが、攻略法が分かれば大して強くは無い。
数もそこまで出て来ない。
心臓部に着いたらどうやって攻撃するべきか⋯⋯コアっぽいのがここからじゃ見えない。
無数の骨で囲まれているとかコメント欄では言われていたので、骨で守らているのだろう。
だからここからじゃ分からない。
「重いな」
心臓部に近づけば近づく程にがしゃどくろから発せられる殺意が強くなる。
どんよりとした殺意が強くなれば、身体に重りがかかるように重くなる。
あるいは空気が薄くなっているからか。
だけどその程度じゃ止まらないのがこの俺だ。
「うわっ」
足を滑らせて地面に向かって落下して行く。
「まだだ!」
ステッキをワイヤーとフックに変えてがしゃどくろの身体に付けて、ブラブラ揺れる。
「ギリギリセーフ」
『ビビった』
『良かったぁ』
『まじで万能かよステッキ』
『このステッキ欲しいな~』
『あ、アカツキちゃんが頭脳を使った、だと?』
『とっさの反応がすごいな。⋯⋯空気を蹴るんじゃないのか』
「うっ」
風が強いな。揺れる⋯⋯怖いな。
『怖がってるアカツキちゃん可愛いな』
『普段はオレオレ系だからな』
『守ってあげたい可愛さがある』
とりあえず外れる事は無さそうだな。
あ、ちょっと止めようぜ?
俺を囲むように魔法陣が出現した。色的に闇か?
もしも形があるならこれを利用できるんじゃないかな?
「良し、今だ!」
放たれる寸前の輝きが出た瞬間に腕を使って少し身体を上に上げ、魔法が放たれた。
魔法の形は球体だ。
「ナイスっ!」
瞬時に足場にして、力を込めて跳躍する。
「良し、着地⋯⋯トト」
骨に捕まる。ここら辺なんか滑るな。
ツルツルしているせいで歩きにくいのだ。
「こう言う時は⋯⋯魔法少女のチート性能を活かす時だな」
靴を変更して滑らなくして、俺は登るのを再開した。
今の形的に、人間で言えばアバラ当たりだろう。その下ら辺に入った気がする。
「もうすぐで心臓部だろうな。⋯⋯こ、今度はなんだ」
揺れている。
体勢を変えようとしているのか。
「落ちて、たまるか」
踏ん張って、心臓に向かって走る。
魔法陣の展開スピードが上がった。
「ちぃ。なんだよ、これ!」
鋭いトゲが魔法陣から伸びて俺を突き刺そうとする。
しかも魔法陣が出て来てから一秒もしないで出て来る。
「クソ。危ねぇな」
『集中力上がってる?』
『すげぇ反射神経』
『やけど進めてないな』
ああ、すごくめんどくさい。
⋯⋯こうなったらやるしかないな。できるか分からないけど。
まずはトゲを一本回収する。
出て来た魔法陣に一瞬で回収したトゲを押し込む。
「お」
『まじか~』
『そうなるの?』
『初めて知ったわ』
魔法陣はその場にとどまって、トゲを出そうとするが、俺が押し込んだトゲのせいで出て来れない。
トゲが出なければ発現しないので、魔法陣はその場に残ったまま。
なんとも不思議な光景だ。
「じゃ、他のもやるか」
魔法陣がいくつか空中に停止している⋯⋯なんともシュールな。
と、鑑賞している場合ではないな。
俺は歩みを進める。
「⋯⋯あれが心臓か」
『骨に囲まれてるね』
『どれだけ分厚いのか分かんないよね』
『とりま殴ろうぜ』
コアに接近して殴ってみないと、どれくらいかは分からない。コアっぽいのは見えない。
だけど、異様に一部を守るように骨が渦巻いているので間違いないのだろう。
目の前に大きな魔法陣がある。
「はは。結局戻るんか」
そこからは目を赤く光らせたオーガが出て来ていた。
骨が一部露出しているが、ゾンビって訳ではない。
なんと言えば良いのか、スケルトンに寄生されている?
「そういや、オーガ達はがしゃどくろから逃げてたよな⋯⋯これを分かっていたのかもしれないね」
俺は一度強く、骨を踏む。
「何はともあれ」
手の平に拳を打ち付ける。
「殴って突破できない障害はねぇんだよ!」
八本の斬撃が舞い狂う中を必死に避けて、魔法もきちんと弾いて躱していく。
俺には体力があるのだが、まだ減っている気配は無い。
しかし、無限ではなくていずれは体力切れを起こしてしまうのが俺だ。対して相手はアンデッドであり体力と言う概念がない。
だから長期戦なら俺の方が不利である。
「相手に防御すると言う考えはあるかな」
数歩後ろに下がって助走距離を稼いで、強く踏み込んで接近する。
強く固めた拳を走った勢いに乗せて突き出す。
八本の剣を交差して防ごうとする。あがたいね。
「俺の拳が、剣で止まるか!」
脳みそねぇのかよ! 無いね、うん。
交わった剣の中心を正確に貫いて、相手の胴体をぶん殴り吹き飛ばした。
吹き飛ばしたのと同時に踏み込んで接近し、再び固めた拳を押し付ける。
最後の人押しとして回し蹴りでがしゃどくろの背中から身を投げ出した。
「バイバイ。紐なしバンジーを楽しめ~」
心臓に向かって走るのを再開する。
『防ぐ事にありがたみを感じる魔法少女』
『ああ言うのって、大抵背後から攻撃したりするんだけどなぁ』
『ヘイトを集める役とか、本当に必要ないな』
『アカツキを倒すなら圧倒的な火力じゃないとな』
『打たれ強いからそれも難しくね?』
『魔法も跳ね返すしな』
時々さっきのようなスケルトンが出て来るが、攻略法が分かれば大して強くは無い。
数もそこまで出て来ない。
心臓部に着いたらどうやって攻撃するべきか⋯⋯コアっぽいのがここからじゃ見えない。
無数の骨で囲まれているとかコメント欄では言われていたので、骨で守らているのだろう。
だからここからじゃ分からない。
「重いな」
心臓部に近づけば近づく程にがしゃどくろから発せられる殺意が強くなる。
どんよりとした殺意が強くなれば、身体に重りがかかるように重くなる。
あるいは空気が薄くなっているからか。
だけどその程度じゃ止まらないのがこの俺だ。
「うわっ」
足を滑らせて地面に向かって落下して行く。
「まだだ!」
ステッキをワイヤーとフックに変えてがしゃどくろの身体に付けて、ブラブラ揺れる。
「ギリギリセーフ」
『ビビった』
『良かったぁ』
『まじで万能かよステッキ』
『このステッキ欲しいな~』
『あ、アカツキちゃんが頭脳を使った、だと?』
『とっさの反応がすごいな。⋯⋯空気を蹴るんじゃないのか』
「うっ」
風が強いな。揺れる⋯⋯怖いな。
『怖がってるアカツキちゃん可愛いな』
『普段はオレオレ系だからな』
『守ってあげたい可愛さがある』
とりあえず外れる事は無さそうだな。
あ、ちょっと止めようぜ?
俺を囲むように魔法陣が出現した。色的に闇か?
もしも形があるならこれを利用できるんじゃないかな?
「良し、今だ!」
放たれる寸前の輝きが出た瞬間に腕を使って少し身体を上に上げ、魔法が放たれた。
魔法の形は球体だ。
「ナイスっ!」
瞬時に足場にして、力を込めて跳躍する。
「良し、着地⋯⋯トト」
骨に捕まる。ここら辺なんか滑るな。
ツルツルしているせいで歩きにくいのだ。
「こう言う時は⋯⋯魔法少女のチート性能を活かす時だな」
靴を変更して滑らなくして、俺は登るのを再開した。
今の形的に、人間で言えばアバラ当たりだろう。その下ら辺に入った気がする。
「もうすぐで心臓部だろうな。⋯⋯こ、今度はなんだ」
揺れている。
体勢を変えようとしているのか。
「落ちて、たまるか」
踏ん張って、心臓に向かって走る。
魔法陣の展開スピードが上がった。
「ちぃ。なんだよ、これ!」
鋭いトゲが魔法陣から伸びて俺を突き刺そうとする。
しかも魔法陣が出て来てから一秒もしないで出て来る。
「クソ。危ねぇな」
『集中力上がってる?』
『すげぇ反射神経』
『やけど進めてないな』
ああ、すごくめんどくさい。
⋯⋯こうなったらやるしかないな。できるか分からないけど。
まずはトゲを一本回収する。
出て来た魔法陣に一瞬で回収したトゲを押し込む。
「お」
『まじか~』
『そうなるの?』
『初めて知ったわ』
魔法陣はその場にとどまって、トゲを出そうとするが、俺が押し込んだトゲのせいで出て来れない。
トゲが出なければ発現しないので、魔法陣はその場に残ったまま。
なんとも不思議な光景だ。
「じゃ、他のもやるか」
魔法陣がいくつか空中に停止している⋯⋯なんともシュールな。
と、鑑賞している場合ではないな。
俺は歩みを進める。
「⋯⋯あれが心臓か」
『骨に囲まれてるね』
『どれだけ分厚いのか分かんないよね』
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コアに接近して殴ってみないと、どれくらいかは分からない。コアっぽいのは見えない。
だけど、異様に一部を守るように骨が渦巻いているので間違いないのだろう。
目の前に大きな魔法陣がある。
「はは。結局戻るんか」
そこからは目を赤く光らせたオーガが出て来ていた。
骨が一部露出しているが、ゾンビって訳ではない。
なんと言えば良いのか、スケルトンに寄生されている?
「そういや、オーガ達はがしゃどくろから逃げてたよな⋯⋯これを分かっていたのかもしれないね」
俺は一度強く、骨を踏む。
「何はともあれ」
手の平に拳を打ち付ける。
「殴って突破できない障害はねぇんだよ!」
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