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物理系魔法少女、連携を申し出る
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想像以上に数が多い。隠れていたゴブリンも居たようだ。
さすがに、面倒だな。
ホブゴブリンに近寄りたいけど、なにぶん数が多い。
しかも連携が良くて、余計に進めない。
「なら、これでどうだ!」
近くの木に手を突き刺して根っこから抜き取る。
「おっらああああ!」
ゴブリンが固まっている場所にそれを振り下ろす。
だが、ゴブリンの攻撃を回避したミズノさんが攻撃範囲に入って来る。
「ミズノさん!」
「⋯⋯ッ!」
手に全力で力を込めて、木を破壊した。
ミズノさんが軽いステップで俺の横に並ぶ。
「ターゲットが違う!」
「勘違いです! ミズノさんが入って来たんじゃないですか!」
「⋯⋯まぁ良い。気をつけて」
「はいはい」
狩りを続けている。特に危険は感じないな。
「ん?」
「邪魔⋯⋯」
今度は背中合わせになってしまった。
互いに戦い方を完璧に把握できている訳では無い⋯⋯連携の力がない事で。
「厄介な事になったな」
「ん?」
術士⋯⋯あいつら魔法を一度も使ってない。だけど俺達を見ている。
こいつらは捨て駒なのか?
俺達の戦い方を把握しているのか⋯⋯。
術士のゴブリンが動く。刹那、ゴブリンの動きが変わった。
「個々に相手するんじゃなくて、二人同時にか?」
「愚策。水の魔、形容クナイ、四方撃ち、ウォータースピア!」
「って、俺にも当たる!」
屈んで水のクナイを回避する。
「近くで戦っているので、範囲攻撃は気をつけてください」
「ちぃ。アオイちゃんは後方で戦うから問題なかった」
「俺は前衛ですよ」
再びゴブリン退治に精を出す。
火の球体、魔法が俺に向かって飛来する。
ナイスだ。
「ほらっ。お返しだ!」
それを掴み、投げ飛ばす。
ホブゴブリンが大剣でそれを防いだ。
俺と目が合う。
「⋯⋯待ってろ」
その大剣、魔法を受けても一切の傷が無い。
相当に良い剣なんだろうな。
金になるなら、手に入れたい。それに、大型討伐がレベルアップの近道だ。
投石も気をつけてれば当たらない。
手刀で心臓、魔石を貫き同時に二体倒せる。
ステッキは右手でバット⋯⋯殴るなら棒よりもこっちの方が使いやすい。
長い棒は中距離攻撃用にしておこう。近距離はバットだ。
一撃の火力もこっちの方が高い。
「っと、危ない」
「さっきから邪魔!」
俺が左手でゴブリンを貫き、右手のバットで粉砕しようとしたらミズノさんが割り込んで来た。
「いや、今のは俺が倒す流れだったでしょ」
「知らない。ちゃんと周りを見ろ」
「それはこっちのセリフですよ!」
大きめな魔法が飛んで来たので回避する。
「ミズノのサポートに回れ。その方が確実」
「嫌ですよ。倒せる相手は倒しておきたい⋯⋯レベルアップの為に来てるんですから」
「⋯⋯ちぃ」
舌打ちが多い事で。
まぁ良いや。
そろそろ手下のゴブリンの殲滅が終わる。
二分後、残りは術士とホブだけだ。
「はぁはぁ」
「おつかれなら座っててくださいよ」
「バカを言うな⋯⋯アレはミズノが倒す」
「じゃあ俺は術士で」
結局ゴブリンを倒し切るまで、俺は普段の動きができないでいた。
ミズノさんに気を使いながら戦っているからだ。
巻き込んでしまったら、レベル2の差があってもダメージを与えてしまう。
それはこの俺も一緒だ。だから魔法を必死に避けている。
だけど、何回か当たりそうな時があった。
倒すゴブリンがバラバラだから、同時に攻撃してしまう時もあり、危険な時があった。
色々と考えモノだ。
「ぐるぎゃ!」
術士は火の球体を飛ばすだけ。⋯⋯そのスピードは確かに速い。
ネクロマンサーの魔法よりも速いだろう。
だが、レベルアップした俺ならキャッチは可能だ。
「熱量も上がっているのか。だけど、関係ねぇな!」
術士に投げ飛ばすと、再びホブゴブリンが防ぎ、強い踏み込みを見せて俺に近寄って来る。
振り下ろされる凶刃。
「人生一度はやってみたかった、真剣白刃取り!」
おお、中々のパワーじゃないですか。
だがなぁホブゴブリンよ。パワーだけなら俺も負けてねぇぞ!
「そらっ!」
持っている手を蹴り上げる。そのままの流れで腹にも一撃を加える。
「ぐぅ」
「くっ」
ミズノさんがホブゴブリンの背後に回っての攻撃タイミングに合ってしまい、ホブゴブリンと一緒に後ろに吹き飛ぶ。
「ミズノが殺る!」
「そんな意地⋯⋯」
ミズノさんに飛んで来た魔法を素早く接近して砕く。
そのまま抱えて、ホブゴブリンから距離を取る。
「何する離せ!」
「ミズノさん。きちんと協力しましょう」
「はぁ?」
「疲れてるでしょ? さっきから肩が上下に揺れている。疲れの証拠だ。それに判断力も落ちてる。さっきのは普通に躱せたよね?」
「油断していた」
「ミズノさんは周りをずっと警戒していた。油断なんかしてない。その分疲労が溜まっている。だから協力しよう」
アオイさんの狙いはこれじゃないのかと、思っている。
ミズノさんはアオイさん信者だ。
あの人がなんか言えば従う、それも死ねと言われたら死ぬレベルの。
だから協調性に欠ける。
ゴブリン殲滅だけなら問題は無いけど、術士が生存している中、ホブと戦うのは難しい。
逃げたら普通に追われるだろう。
「アイツらは戦いを学習している。俺の蹴りも読まれてた。さっきの戦いで使ってない魔法は?」
「⋯⋯なんで指示に従わないといけない」
「指示じゃない。情報共有だ。互いに自由に動けば良い。だけど最低限の条件は決めておこう。その方が互いに動きやすい」
「⋯⋯しかたない。今だけは乗ってやる」
さすがに、面倒だな。
ホブゴブリンに近寄りたいけど、なにぶん数が多い。
しかも連携が良くて、余計に進めない。
「なら、これでどうだ!」
近くの木に手を突き刺して根っこから抜き取る。
「おっらああああ!」
ゴブリンが固まっている場所にそれを振り下ろす。
だが、ゴブリンの攻撃を回避したミズノさんが攻撃範囲に入って来る。
「ミズノさん!」
「⋯⋯ッ!」
手に全力で力を込めて、木を破壊した。
ミズノさんが軽いステップで俺の横に並ぶ。
「ターゲットが違う!」
「勘違いです! ミズノさんが入って来たんじゃないですか!」
「⋯⋯まぁ良い。気をつけて」
「はいはい」
狩りを続けている。特に危険は感じないな。
「ん?」
「邪魔⋯⋯」
今度は背中合わせになってしまった。
互いに戦い方を完璧に把握できている訳では無い⋯⋯連携の力がない事で。
「厄介な事になったな」
「ん?」
術士⋯⋯あいつら魔法を一度も使ってない。だけど俺達を見ている。
こいつらは捨て駒なのか?
俺達の戦い方を把握しているのか⋯⋯。
術士のゴブリンが動く。刹那、ゴブリンの動きが変わった。
「個々に相手するんじゃなくて、二人同時にか?」
「愚策。水の魔、形容クナイ、四方撃ち、ウォータースピア!」
「って、俺にも当たる!」
屈んで水のクナイを回避する。
「近くで戦っているので、範囲攻撃は気をつけてください」
「ちぃ。アオイちゃんは後方で戦うから問題なかった」
「俺は前衛ですよ」
再びゴブリン退治に精を出す。
火の球体、魔法が俺に向かって飛来する。
ナイスだ。
「ほらっ。お返しだ!」
それを掴み、投げ飛ばす。
ホブゴブリンが大剣でそれを防いだ。
俺と目が合う。
「⋯⋯待ってろ」
その大剣、魔法を受けても一切の傷が無い。
相当に良い剣なんだろうな。
金になるなら、手に入れたい。それに、大型討伐がレベルアップの近道だ。
投石も気をつけてれば当たらない。
手刀で心臓、魔石を貫き同時に二体倒せる。
ステッキは右手でバット⋯⋯殴るなら棒よりもこっちの方が使いやすい。
長い棒は中距離攻撃用にしておこう。近距離はバットだ。
一撃の火力もこっちの方が高い。
「っと、危ない」
「さっきから邪魔!」
俺が左手でゴブリンを貫き、右手のバットで粉砕しようとしたらミズノさんが割り込んで来た。
「いや、今のは俺が倒す流れだったでしょ」
「知らない。ちゃんと周りを見ろ」
「それはこっちのセリフですよ!」
大きめな魔法が飛んで来たので回避する。
「ミズノのサポートに回れ。その方が確実」
「嫌ですよ。倒せる相手は倒しておきたい⋯⋯レベルアップの為に来てるんですから」
「⋯⋯ちぃ」
舌打ちが多い事で。
まぁ良いや。
そろそろ手下のゴブリンの殲滅が終わる。
二分後、残りは術士とホブだけだ。
「はぁはぁ」
「おつかれなら座っててくださいよ」
「バカを言うな⋯⋯アレはミズノが倒す」
「じゃあ俺は術士で」
結局ゴブリンを倒し切るまで、俺は普段の動きができないでいた。
ミズノさんに気を使いながら戦っているからだ。
巻き込んでしまったら、レベル2の差があってもダメージを与えてしまう。
それはこの俺も一緒だ。だから魔法を必死に避けている。
だけど、何回か当たりそうな時があった。
倒すゴブリンがバラバラだから、同時に攻撃してしまう時もあり、危険な時があった。
色々と考えモノだ。
「ぐるぎゃ!」
術士は火の球体を飛ばすだけ。⋯⋯そのスピードは確かに速い。
ネクロマンサーの魔法よりも速いだろう。
だが、レベルアップした俺ならキャッチは可能だ。
「熱量も上がっているのか。だけど、関係ねぇな!」
術士に投げ飛ばすと、再びホブゴブリンが防ぎ、強い踏み込みを見せて俺に近寄って来る。
振り下ろされる凶刃。
「人生一度はやってみたかった、真剣白刃取り!」
おお、中々のパワーじゃないですか。
だがなぁホブゴブリンよ。パワーだけなら俺も負けてねぇぞ!
「そらっ!」
持っている手を蹴り上げる。そのままの流れで腹にも一撃を加える。
「ぐぅ」
「くっ」
ミズノさんがホブゴブリンの背後に回っての攻撃タイミングに合ってしまい、ホブゴブリンと一緒に後ろに吹き飛ぶ。
「ミズノが殺る!」
「そんな意地⋯⋯」
ミズノさんに飛んで来た魔法を素早く接近して砕く。
そのまま抱えて、ホブゴブリンから距離を取る。
「何する離せ!」
「ミズノさん。きちんと協力しましょう」
「はぁ?」
「疲れてるでしょ? さっきから肩が上下に揺れている。疲れの証拠だ。それに判断力も落ちてる。さっきのは普通に躱せたよね?」
「油断していた」
「ミズノさんは周りをずっと警戒していた。油断なんかしてない。その分疲労が溜まっている。だから協力しよう」
アオイさんの狙いはこれじゃないのかと、思っている。
ミズノさんはアオイさん信者だ。
あの人がなんか言えば従う、それも死ねと言われたら死ぬレベルの。
だから協調性に欠ける。
ゴブリン殲滅だけなら問題は無いけど、術士が生存している中、ホブと戦うのは難しい。
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「アイツらは戦いを学習している。俺の蹴りも読まれてた。さっきの戦いで使ってない魔法は?」
「⋯⋯なんで指示に従わないといけない」
「指示じゃない。情報共有だ。互いに自由に動けば良い。だけど最低限の条件は決めておこう。その方が互いに動きやすい」
「⋯⋯しかたない。今だけは乗ってやる」
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