28 / 179
物理系魔法少女、コラボライブする
しおりを挟む
12万円⋯⋯最低限の性能があり、レベル3推奨ダンジョンなら問題ない、カメラドローン。
「ついに、買うか」
ステッキを使うと、どうしても撮影が一点の視点に固定されてしまう。
ライブを見返してみたんだが、リッチとの戦いが全然映って無いのだ。
コメントは盛り上がっていたが、やはり同じ映像感が否めない。
耐えた人がいるっぽいコメントもあるが、それが真実かは不明だ。
何はともあれ、この調子なら普通に広告は付けられるだろうから、より良質な動画を届けないといけない。
多くの人に見てもらい、金を得るにはドローンが必要だ。
球体型で小型、追尾式でAIが付属しているドローン、このくらいの性能なら十分だろう。
「高い出費だけど、その元をいずれは取り戻す」
購入して、スマホと連動させておく。
翌日、紗奈ちゃんに頼んで登録してもらい、ダンジョンに持って行ける許可を貰った。
「ドローン買うなら、武器とかを買って欲しいんだけどなぁ。ポーションとか、アイテムを揃えて欲しい。狩りが楽になるよ」
「まぁ、おいおいね? やっぱり出費が大きくなるのは避けたいからさ。それと今日は⋯⋯」
「はいはい。たまたま偶然出会った人とパーティ組んで、一個上のダンジョン、傀儡の迷宮だよね? 分かってるよ」
仕事モードに入らない紗奈ちゃんを見ると、少しだけ拗ねているような気がした。投げやり感を感じる。
「⋯⋯気をつけてね、本当に。レベルが1違うだけでも大きな差になるからさ」
「ああ。ちゃんと定時帰りはするから、待ってて」
「うん」
もう周りの目とか面倒で気にしないでいる。
ゲートを通り、俺はダンジョンに入る。
「明るさはある程度あるな」
鉱山と違い、ここは明かりが確保されていた。
自衛隊の人達もゲート付近に居て、俺を見て笑うのを我慢していた。
⋯⋯ヒラヒラな魔法少女衣装でダンジョン来るって、そりゃあ笑うよな。
少し離れる。
「えっと、こうやって設定して、電源ボタンを押せば⋯⋯お、飛んだ飛んだ」
飛行石って言うダンジョン産の石が埋め込められているらしく、魔力で飛んでいるらしい。
もちろん、撮影とかに電気が必要なんだけどさ。
「後はアオイさんを待てば良いか」
アオイさんがやって来た。
衣装を隠すためか、ローブを羽織っていた。
俺は手に持ってないと意味ないから、その方法は使えないな。
継続されるし、入る前に衣装を外で変更させておけば良いかな?
面倒そうだ。
「またせたわ」
「いやまぁ、まだ約束の時間前ですし大丈夫ですよ。それじゃ、コラボライブ始めますか」
「頼むわ」
俺がするのは純粋にチャンネル登録者数が多いからだ。
告知はしたけど、変に思われない事を祈る。
『魔法少女グループ』と言う謎の単語は既にできあがっている。
「えっと、今回は⋯⋯」
「どうもみなさーん。おはようこざいまーす。気高く熱い、蒼炎の魔法少女、アオイでーす! 知ってるかな?」
「⋯⋯」
だ、誰だ貴様!
そんな高いトーンでテンションアゲアゲのギャルっぽい女、俺は知らねぇーぞ!
え、そんなにキャラ作ってるの! 嘘でしょ!?
こっちは素なのに⋯⋯ズルいってよりも恐怖だよ。
ここまで豹変するとは⋯⋯。
「恐ろしいな魔法少女⋯⋯ごほん。今日は推奨レベル3のダンジョンで、レベル4の魔法少女、アオイさんと一緒に攻略するよ。俺はレベル2だから、それとコラボなのでそこんとこもよろしくって事で。行きますか」
「そうだねぇ」
ああ、違和感が凄い!
『魔法少女の二人!』
『アオイちゃんのファンなので嬉しい!』
『アオイちゃんとか馴れ馴れしいと思います。しっかりとした距離感を保ってください』
スマホで少しだけ確認したけど、ミズノさん居ない?
「えっと、一応ここについて聞いても良いですか?」
「もちのろんよ」
傀儡の迷宮でエンカウントする魔物は主に岩人形。
物理攻撃耐性が高く、魔法攻撃に弱い特性を秘めている。
身体に利用されている鉱石によって、その強さが分かる。
ここで出て来るのは、普通の岩、鉄、銀、金、白金である。
時たまにレア魔物として金属が居るらしい。
金属人形を倒すとレアメタルが大量に落ちるとか⋯⋯そして硬くて物理攻撃無効と言われているらしい。
「後は迷宮特有のトラップ、宝箱、ボーナスエリアがあるね。トラップには気をつけてね。宝箱は中身が復活していたら取れるけど、あまり期待はできないね。ボーナスエリアはランダムだから」
「ふむふむ」
迷宮特有とか、あるんだね。
そんな基礎知識みたいな事を言われても、初めて知ったわ。
紗奈ちゃんもこれは知っている前提で俺と話していたのかな?
ダンジョンにも複数の種類があるのね。
「と、早速出たわね」
「見た目は鉄かな?」
「いや、あれは銀人形ね。だいたい鋼色は遠目だと分かりにくいモノよ。それじゃ、まずは自分が行くね!」
その、キャピキャピはやめて欲しいな。
『殴るのか!』
『どう戦う?』
『マジカル!』
「蒼炎!」
熱が籠る心配があったが、壁にその辺は吸収されているらしい。
ゴーレムは炎の中で溶けていく。
「これで魔石と運が良ければ銀が落ちるわね。さらに運が良ければ、ゴーレムコアが手に入るわ。それは一つ20万よ」
めっちゃ欲しい!
『普通に魔法使うのかよ』
『新鮮に見える』
『注意、これが普通です』
『金の額聞いてからアカツキちゃんの目が輝いている』
『中身本当に少女かね?』
『約一日活動しているのに姿が変わらなかったから、間違いなくJKです⋯⋯多分』
「ついに、買うか」
ステッキを使うと、どうしても撮影が一点の視点に固定されてしまう。
ライブを見返してみたんだが、リッチとの戦いが全然映って無いのだ。
コメントは盛り上がっていたが、やはり同じ映像感が否めない。
耐えた人がいるっぽいコメントもあるが、それが真実かは不明だ。
何はともあれ、この調子なら普通に広告は付けられるだろうから、より良質な動画を届けないといけない。
多くの人に見てもらい、金を得るにはドローンが必要だ。
球体型で小型、追尾式でAIが付属しているドローン、このくらいの性能なら十分だろう。
「高い出費だけど、その元をいずれは取り戻す」
購入して、スマホと連動させておく。
翌日、紗奈ちゃんに頼んで登録してもらい、ダンジョンに持って行ける許可を貰った。
「ドローン買うなら、武器とかを買って欲しいんだけどなぁ。ポーションとか、アイテムを揃えて欲しい。狩りが楽になるよ」
「まぁ、おいおいね? やっぱり出費が大きくなるのは避けたいからさ。それと今日は⋯⋯」
「はいはい。たまたま偶然出会った人とパーティ組んで、一個上のダンジョン、傀儡の迷宮だよね? 分かってるよ」
仕事モードに入らない紗奈ちゃんを見ると、少しだけ拗ねているような気がした。投げやり感を感じる。
「⋯⋯気をつけてね、本当に。レベルが1違うだけでも大きな差になるからさ」
「ああ。ちゃんと定時帰りはするから、待ってて」
「うん」
もう周りの目とか面倒で気にしないでいる。
ゲートを通り、俺はダンジョンに入る。
「明るさはある程度あるな」
鉱山と違い、ここは明かりが確保されていた。
自衛隊の人達もゲート付近に居て、俺を見て笑うのを我慢していた。
⋯⋯ヒラヒラな魔法少女衣装でダンジョン来るって、そりゃあ笑うよな。
少し離れる。
「えっと、こうやって設定して、電源ボタンを押せば⋯⋯お、飛んだ飛んだ」
飛行石って言うダンジョン産の石が埋め込められているらしく、魔力で飛んでいるらしい。
もちろん、撮影とかに電気が必要なんだけどさ。
「後はアオイさんを待てば良いか」
アオイさんがやって来た。
衣装を隠すためか、ローブを羽織っていた。
俺は手に持ってないと意味ないから、その方法は使えないな。
継続されるし、入る前に衣装を外で変更させておけば良いかな?
面倒そうだ。
「またせたわ」
「いやまぁ、まだ約束の時間前ですし大丈夫ですよ。それじゃ、コラボライブ始めますか」
「頼むわ」
俺がするのは純粋にチャンネル登録者数が多いからだ。
告知はしたけど、変に思われない事を祈る。
『魔法少女グループ』と言う謎の単語は既にできあがっている。
「えっと、今回は⋯⋯」
「どうもみなさーん。おはようこざいまーす。気高く熱い、蒼炎の魔法少女、アオイでーす! 知ってるかな?」
「⋯⋯」
だ、誰だ貴様!
そんな高いトーンでテンションアゲアゲのギャルっぽい女、俺は知らねぇーぞ!
え、そんなにキャラ作ってるの! 嘘でしょ!?
こっちは素なのに⋯⋯ズルいってよりも恐怖だよ。
ここまで豹変するとは⋯⋯。
「恐ろしいな魔法少女⋯⋯ごほん。今日は推奨レベル3のダンジョンで、レベル4の魔法少女、アオイさんと一緒に攻略するよ。俺はレベル2だから、それとコラボなのでそこんとこもよろしくって事で。行きますか」
「そうだねぇ」
ああ、違和感が凄い!
『魔法少女の二人!』
『アオイちゃんのファンなので嬉しい!』
『アオイちゃんとか馴れ馴れしいと思います。しっかりとした距離感を保ってください』
スマホで少しだけ確認したけど、ミズノさん居ない?
「えっと、一応ここについて聞いても良いですか?」
「もちのろんよ」
傀儡の迷宮でエンカウントする魔物は主に岩人形。
物理攻撃耐性が高く、魔法攻撃に弱い特性を秘めている。
身体に利用されている鉱石によって、その強さが分かる。
ここで出て来るのは、普通の岩、鉄、銀、金、白金である。
時たまにレア魔物として金属が居るらしい。
金属人形を倒すとレアメタルが大量に落ちるとか⋯⋯そして硬くて物理攻撃無効と言われているらしい。
「後は迷宮特有のトラップ、宝箱、ボーナスエリアがあるね。トラップには気をつけてね。宝箱は中身が復活していたら取れるけど、あまり期待はできないね。ボーナスエリアはランダムだから」
「ふむふむ」
迷宮特有とか、あるんだね。
そんな基礎知識みたいな事を言われても、初めて知ったわ。
紗奈ちゃんもこれは知っている前提で俺と話していたのかな?
ダンジョンにも複数の種類があるのね。
「と、早速出たわね」
「見た目は鉄かな?」
「いや、あれは銀人形ね。だいたい鋼色は遠目だと分かりにくいモノよ。それじゃ、まずは自分が行くね!」
その、キャピキャピはやめて欲しいな。
『殴るのか!』
『どう戦う?』
『マジカル!』
「蒼炎!」
熱が籠る心配があったが、壁にその辺は吸収されているらしい。
ゴーレムは炎の中で溶けていく。
「これで魔石と運が良ければ銀が落ちるわね。さらに運が良ければ、ゴーレムコアが手に入るわ。それは一つ20万よ」
めっちゃ欲しい!
『普通に魔法使うのかよ』
『新鮮に見える』
『注意、これが普通です』
『金の額聞いてからアカツキちゃんの目が輝いている』
『中身本当に少女かね?』
『約一日活動しているのに姿が変わらなかったから、間違いなくJKです⋯⋯多分』
0
お気に入りに追加
159
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる