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竜人をさがして!
13玲子からの電話
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正人に薬をのませてから、一週間はたちました。
カオルが自分の部屋にいると、下からお母さんの声がしました。
「カオル、玲子ちゃんから電話ですよ」
「はい」と言って、カオルは階段をおりて居間に行きました。
お母さんから受話器を受け取り、耳にあてました。
「カオルちゃん?」
「はい、カオルです」
「今日ね。お兄ちゃんのいる病院に行ってみたの。お医者さんから、お兄ちゃんの体からガン細胞がまったく見られなくなったと言われたのよ」
玲子は明るい声を出しています。
「それは、よかったわね」と言って、カオルは笑いました。
「カオルちゃん、ありがとう。ほんとうにありがとう」
「どういたしまして」
玲子が受話器をおろした音を聞いて、カオルは手に持っていた自分の受話器をおろしました。
その後、カオルは鼻歌を歌いながら二階にあがりました。
部屋に戻ったカオルは、壁に吊り下がっているバッグを開けて中に手を入れました。
そして、瓶をとりだしました。瓶の中には、緑色の丸薬が入っています。それはカオルを恐ろしい竜に変えることができる丸薬でした。
「返すのを忘れてしまったわ」と言ったカオルはにやりと笑っていました。
終
(付記)
ここまで読まれた方、本当に有難うございました。
私も、最後まで書き終えて、ほっとしている所です。
カオルが自分の部屋にいると、下からお母さんの声がしました。
「カオル、玲子ちゃんから電話ですよ」
「はい」と言って、カオルは階段をおりて居間に行きました。
お母さんから受話器を受け取り、耳にあてました。
「カオルちゃん?」
「はい、カオルです」
「今日ね。お兄ちゃんのいる病院に行ってみたの。お医者さんから、お兄ちゃんの体からガン細胞がまったく見られなくなったと言われたのよ」
玲子は明るい声を出しています。
「それは、よかったわね」と言って、カオルは笑いました。
「カオルちゃん、ありがとう。ほんとうにありがとう」
「どういたしまして」
玲子が受話器をおろした音を聞いて、カオルは手に持っていた自分の受話器をおろしました。
その後、カオルは鼻歌を歌いながら二階にあがりました。
部屋に戻ったカオルは、壁に吊り下がっているバッグを開けて中に手を入れました。
そして、瓶をとりだしました。瓶の中には、緑色の丸薬が入っています。それはカオルを恐ろしい竜に変えることができる丸薬でした。
「返すのを忘れてしまったわ」と言ったカオルはにやりと笑っていました。
終
(付記)
ここまで読まれた方、本当に有難うございました。
私も、最後まで書き終えて、ほっとしている所です。
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