48 / 57
竜人をさがして!
4七坂神社
しおりを挟む
次の日。
お母さんは、お昼のお弁当用にお握りを四つ、別のパックに玉子焼きとソーセージを入れてくれました。それらと水を入れた水筒をバッグに入れて肩にかけました。その前にお守りのぬいぐるみのクマを入れたリュックと紐のついたホウキを背負いました。さらに魔法の杖を胸ポケットに入れ、お金の入った財布もバッグに入れました。
「いくらなんでもホウキは持って行かなくてもいいでしょう?」と、お母さんは首をかしげています。これ以上、お母さんと話をすると余計なことを言ってしまいます。
「お父さん、お母さん、行ってきます」
カオルは、元気にでかけていきました。
待ち合わせの約束をしたコンビニの前で待っていると、玲子がやってきました。
「コンビニ前のバス停からバスにのって行きましょう。バス停七坂神社前でおりて、山路を少し歩き、その後石段を登れば七坂神社に行けるわよ」
カオルは初めて行く所なので、玲子の言う通りに従うことにしました。
すぐにコンビニそばのバス停に行き、二人が待っているとバスがきました。
しばらくバスにのっていると、バス停の七坂神社を案内するアナウンスが流れ、そこでバスはとまりました。
「おりましょう」と言って、玲子は運転手席そばにある料金箱にお金を入れバスをおりて行きました。カオルもすぐに後に続いてバスをおりました。
その後、山路を二十分くらい歩くと玲子の言う通り、今度は石段が並んでいたのでした。
「すごいわ。三十段はありそうだね」
それをかけ上がると、玉砂利がしいてある道になっていました。
そこで、カオルは上体を前にたおして、玉砂利を9個ほど拾って、バッグの中に入れました。
何かと戦うことが起きたときには、これを武器として使うつもりですが、そんなことが起きるとは、その時は思ってもいませんでした。
やがて、社が見えてきました。山の中にある神社は、街の中の神社と違って何もありません。
社の前に立つと二人は儀礼的なお参り、二拍二礼一拍をしました。
「これで罰が当たらないよね」とカオルは玲子に聞きました。
「おばあちゃんと一緒にここにきたこともあるのよ。おばあちゃんでなければ、分からないことだってあると思ったからよ。でも、何も分からなかった」
「じゃ、中に入ってみる」
そう言ったカオルは社の中に入りました。中は暗く、社の真ん中に石板がたってあるだけでした。
「こんな所に男の子なんかいないでしょう」と言いながら、玲子は石板の周りをぐるっと回って見せました。次に石板を叩きながら回って見せたのです。
今度は、カオルが自分で石板を叩きながら歩いてみました。たしかに、固い石板に穴は開いているようには見えません。
でも、風を感じたのです。石板の周りで空気が流れているようです。それも下から吹いてきている感じでした。
念を込めて動くはずだと思い、石板をじっと見ていると、石板がさがりだしたのです。
そして、そこに穴が開いていました。下におりなければならないようです。
空気が流れているので、風の精に運んでもらうしかありません。
そう思うと、カオルは背中からホウキをおろし、すぐにカオルはホウキの上にまたがりました。
「玲子ちゃんも、ホウキの上にのって」
「えっ、カオルちゃんと同じにすればいいのね」と言って、玲子もホウキをまたいで、その上にのりました。
「行くよ。風の精。流れている所につれていって」
すると、二人をのせたホウキは穴の上で一度浮かび上がりました。そして、その後一気に穴の中に入り、さがり始めたのです。
やがて、見知らぬ場所に二人はいたのでした。
お母さんは、お昼のお弁当用にお握りを四つ、別のパックに玉子焼きとソーセージを入れてくれました。それらと水を入れた水筒をバッグに入れて肩にかけました。その前にお守りのぬいぐるみのクマを入れたリュックと紐のついたホウキを背負いました。さらに魔法の杖を胸ポケットに入れ、お金の入った財布もバッグに入れました。
「いくらなんでもホウキは持って行かなくてもいいでしょう?」と、お母さんは首をかしげています。これ以上、お母さんと話をすると余計なことを言ってしまいます。
「お父さん、お母さん、行ってきます」
カオルは、元気にでかけていきました。
待ち合わせの約束をしたコンビニの前で待っていると、玲子がやってきました。
「コンビニ前のバス停からバスにのって行きましょう。バス停七坂神社前でおりて、山路を少し歩き、その後石段を登れば七坂神社に行けるわよ」
カオルは初めて行く所なので、玲子の言う通りに従うことにしました。
すぐにコンビニそばのバス停に行き、二人が待っているとバスがきました。
しばらくバスにのっていると、バス停の七坂神社を案内するアナウンスが流れ、そこでバスはとまりました。
「おりましょう」と言って、玲子は運転手席そばにある料金箱にお金を入れバスをおりて行きました。カオルもすぐに後に続いてバスをおりました。
その後、山路を二十分くらい歩くと玲子の言う通り、今度は石段が並んでいたのでした。
「すごいわ。三十段はありそうだね」
それをかけ上がると、玉砂利がしいてある道になっていました。
そこで、カオルは上体を前にたおして、玉砂利を9個ほど拾って、バッグの中に入れました。
何かと戦うことが起きたときには、これを武器として使うつもりですが、そんなことが起きるとは、その時は思ってもいませんでした。
やがて、社が見えてきました。山の中にある神社は、街の中の神社と違って何もありません。
社の前に立つと二人は儀礼的なお参り、二拍二礼一拍をしました。
「これで罰が当たらないよね」とカオルは玲子に聞きました。
「おばあちゃんと一緒にここにきたこともあるのよ。おばあちゃんでなければ、分からないことだってあると思ったからよ。でも、何も分からなかった」
「じゃ、中に入ってみる」
そう言ったカオルは社の中に入りました。中は暗く、社の真ん中に石板がたってあるだけでした。
「こんな所に男の子なんかいないでしょう」と言いながら、玲子は石板の周りをぐるっと回って見せました。次に石板を叩きながら回って見せたのです。
今度は、カオルが自分で石板を叩きながら歩いてみました。たしかに、固い石板に穴は開いているようには見えません。
でも、風を感じたのです。石板の周りで空気が流れているようです。それも下から吹いてきている感じでした。
念を込めて動くはずだと思い、石板をじっと見ていると、石板がさがりだしたのです。
そして、そこに穴が開いていました。下におりなければならないようです。
空気が流れているので、風の精に運んでもらうしかありません。
そう思うと、カオルは背中からホウキをおろし、すぐにカオルはホウキの上にまたがりました。
「玲子ちゃんも、ホウキの上にのって」
「えっ、カオルちゃんと同じにすればいいのね」と言って、玲子もホウキをまたいで、その上にのりました。
「行くよ。風の精。流れている所につれていって」
すると、二人をのせたホウキは穴の上で一度浮かび上がりました。そして、その後一気に穴の中に入り、さがり始めたのです。
やがて、見知らぬ場所に二人はいたのでした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。

お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。
児童小説をどうぞ
小木田十(おぎたみつる)
児童書・童話
児童小説のコーナーです。大人も楽しめるよ。 / 小木田十(おぎたみつる)フリーライター。映画ノベライズ『ALWAIS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版』『小説 土竜の唄』『小説 土竜の唄 チャイニーズマフィア編』『闇金ウシジマくん』などを担当。2023年、掌編『限界集落の引きこもり』で第4回引きこもり文学大賞 三席入選。2024年、掌編『鳥もつ煮』で山梨日日新聞新春文芸 一席入選(元旦紙面に掲載)。

昨日の敵は今日のパパ!
波湖 真
児童書・童話
アンジュは、途方に暮れていた。
画家のママは行方不明で、慣れない街に一人になってしまったのだ。
迷子になって助けてくれたのは騎士団のおじさんだった。
親切なおじさんに面倒を見てもらっているうちに、何故かこの国の公爵様の娘にされてしまった。
私、そんなの困ります!!
アンジュの気持ちを取り残したまま、公爵家に引き取られ、そこで会ったのは超不機嫌で冷たく、意地悪な人だったのだ。
家にも帰れず、公爵様には嫌われて、泣きたいのをグッと我慢する。
そう、画家のママが戻って来るまでは、ここで頑張るしかない!
アンジュは、なんとか公爵家で生きていけるのか?
どうせなら楽しく過ごしたい!
そんな元気でちゃっかりした女の子の物語が始まります。
クラゲの魔女
しろねこ。
児童書・童話
クラゲの魔女が現れるのは決まって雨の日。
不思議な薬を携えて、色々な街をわたり歩く。
しゃっくりを止める薬、、猫の言葉がわかる薬食べ物が甘く感じる薬、――でもこれらはクラゲの魔女の特別製。飲めるのは三つまで。
とある少女に頼まれたのは、「意中の彼が振り向いてくれる」という薬。
「あい♪」
返事と共に渡された薬を少女は喜んで飲んだ。
果たしてその効果は?
いつもとテイストが違うものが書きたくて書きました(n*´ω`*n)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中です!
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる