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竜人をさがして!
4七坂神社
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次の日。
お母さんは、お昼のお弁当用にお握りを四つ、別のパックに玉子焼きとソーセージを入れてくれました。それらと水を入れた水筒をバッグに入れて肩にかけました。その前にお守りのぬいぐるみのクマを入れたリュックと紐のついたホウキを背負いました。さらに魔法の杖を胸ポケットに入れ、お金の入った財布もバッグに入れました。
「いくらなんでもホウキは持って行かなくてもいいでしょう?」と、お母さんは首をかしげています。これ以上、お母さんと話をすると余計なことを言ってしまいます。
「お父さん、お母さん、行ってきます」
カオルは、元気にでかけていきました。
待ち合わせの約束をしたコンビニの前で待っていると、玲子がやってきました。
「コンビニ前のバス停からバスにのって行きましょう。バス停七坂神社前でおりて、山路を少し歩き、その後石段を登れば七坂神社に行けるわよ」
カオルは初めて行く所なので、玲子の言う通りに従うことにしました。
すぐにコンビニそばのバス停に行き、二人が待っているとバスがきました。
しばらくバスにのっていると、バス停の七坂神社を案内するアナウンスが流れ、そこでバスはとまりました。
「おりましょう」と言って、玲子は運転手席そばにある料金箱にお金を入れバスをおりて行きました。カオルもすぐに後に続いてバスをおりました。
その後、山路を二十分くらい歩くと玲子の言う通り、今度は石段が並んでいたのでした。
「すごいわ。三十段はありそうだね」
それをかけ上がると、玉砂利がしいてある道になっていました。
そこで、カオルは上体を前にたおして、玉砂利を9個ほど拾って、バッグの中に入れました。
何かと戦うことが起きたときには、これを武器として使うつもりですが、そんなことが起きるとは、その時は思ってもいませんでした。
やがて、社が見えてきました。山の中にある神社は、街の中の神社と違って何もありません。
社の前に立つと二人は儀礼的なお参り、二拍二礼一拍をしました。
「これで罰が当たらないよね」とカオルは玲子に聞きました。
「おばあちゃんと一緒にここにきたこともあるのよ。おばあちゃんでなければ、分からないことだってあると思ったからよ。でも、何も分からなかった」
「じゃ、中に入ってみる」
そう言ったカオルは社の中に入りました。中は暗く、社の真ん中に石板がたってあるだけでした。
「こんな所に男の子なんかいないでしょう」と言いながら、玲子は石板の周りをぐるっと回って見せました。次に石板を叩きながら回って見せたのです。
今度は、カオルが自分で石板を叩きながら歩いてみました。たしかに、固い石板に穴は開いているようには見えません。
でも、風を感じたのです。石板の周りで空気が流れているようです。それも下から吹いてきている感じでした。
念を込めて動くはずだと思い、石板をじっと見ていると、石板がさがりだしたのです。
そして、そこに穴が開いていました。下におりなければならないようです。
空気が流れているので、風の精に運んでもらうしかありません。
そう思うと、カオルは背中からホウキをおろし、すぐにカオルはホウキの上にまたがりました。
「玲子ちゃんも、ホウキの上にのって」
「えっ、カオルちゃんと同じにすればいいのね」と言って、玲子もホウキをまたいで、その上にのりました。
「行くよ。風の精。流れている所につれていって」
すると、二人をのせたホウキは穴の上で一度浮かび上がりました。そして、その後一気に穴の中に入り、さがり始めたのです。
やがて、見知らぬ場所に二人はいたのでした。
お母さんは、お昼のお弁当用にお握りを四つ、別のパックに玉子焼きとソーセージを入れてくれました。それらと水を入れた水筒をバッグに入れて肩にかけました。その前にお守りのぬいぐるみのクマを入れたリュックと紐のついたホウキを背負いました。さらに魔法の杖を胸ポケットに入れ、お金の入った財布もバッグに入れました。
「いくらなんでもホウキは持って行かなくてもいいでしょう?」と、お母さんは首をかしげています。これ以上、お母さんと話をすると余計なことを言ってしまいます。
「お父さん、お母さん、行ってきます」
カオルは、元気にでかけていきました。
待ち合わせの約束をしたコンビニの前で待っていると、玲子がやってきました。
「コンビニ前のバス停からバスにのって行きましょう。バス停七坂神社前でおりて、山路を少し歩き、その後石段を登れば七坂神社に行けるわよ」
カオルは初めて行く所なので、玲子の言う通りに従うことにしました。
すぐにコンビニそばのバス停に行き、二人が待っているとバスがきました。
しばらくバスにのっていると、バス停の七坂神社を案内するアナウンスが流れ、そこでバスはとまりました。
「おりましょう」と言って、玲子は運転手席そばにある料金箱にお金を入れバスをおりて行きました。カオルもすぐに後に続いてバスをおりました。
その後、山路を二十分くらい歩くと玲子の言う通り、今度は石段が並んでいたのでした。
「すごいわ。三十段はありそうだね」
それをかけ上がると、玉砂利がしいてある道になっていました。
そこで、カオルは上体を前にたおして、玉砂利を9個ほど拾って、バッグの中に入れました。
何かと戦うことが起きたときには、これを武器として使うつもりですが、そんなことが起きるとは、その時は思ってもいませんでした。
やがて、社が見えてきました。山の中にある神社は、街の中の神社と違って何もありません。
社の前に立つと二人は儀礼的なお参り、二拍二礼一拍をしました。
「これで罰が当たらないよね」とカオルは玲子に聞きました。
「おばあちゃんと一緒にここにきたこともあるのよ。おばあちゃんでなければ、分からないことだってあると思ったからよ。でも、何も分からなかった」
「じゃ、中に入ってみる」
そう言ったカオルは社の中に入りました。中は暗く、社の真ん中に石板がたってあるだけでした。
「こんな所に男の子なんかいないでしょう」と言いながら、玲子は石板の周りをぐるっと回って見せました。次に石板を叩きながら回って見せたのです。
今度は、カオルが自分で石板を叩きながら歩いてみました。たしかに、固い石板に穴は開いているようには見えません。
でも、風を感じたのです。石板の周りで空気が流れているようです。それも下から吹いてきている感じでした。
念を込めて動くはずだと思い、石板をじっと見ていると、石板がさがりだしたのです。
そして、そこに穴が開いていました。下におりなければならないようです。
空気が流れているので、風の精に運んでもらうしかありません。
そう思うと、カオルは背中からホウキをおろし、すぐにカオルはホウキの上にまたがりました。
「玲子ちゃんも、ホウキの上にのって」
「えっ、カオルちゃんと同じにすればいいのね」と言って、玲子もホウキをまたいで、その上にのりました。
「行くよ。風の精。流れている所につれていって」
すると、二人をのせたホウキは穴の上で一度浮かび上がりました。そして、その後一気に穴の中に入り、さがり始めたのです。
やがて、見知らぬ場所に二人はいたのでした。
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