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竜人をさがして!
1空から
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カオルは小学校に通う五年生、まず学校で教わる授業を一生懸命やることにしています。でも、眠り姫のいる世界で魔法学校に行き、白魔法を使えるようになっていましたので、カオルは魔法も訓練を続け、さらにすぐれた魔法使いになりたいと思っていました。
ですから、学校が休みの時には魔法の修行をしていました。
日曜日。
カオルはホウキにのって空を飛ぶ練習を続けたおかげで、かなり高いところを飛べるようになっていました。自信がついたカオルは自分の家から少し遠くまで飛んできていたのです。
山のふもとにある林の上から見ていると、高島玲子が大野総合病院から出てくるのが見えました。暗い顔してバス停に向かって歩いていきます。
バス停でバスを待っている間も、玲子は暗い顔をし続け、何かを考え込んでいるようでした。
やがて、バスがやってきました。大きな深呼吸を一つしてから、玲子がバスにのりこむと、舗装されていない道路を細かく揺れながらバスは遠ざかって行きました。
次の日。月曜日。
カオルが学校に行くとすぐに玲子が声をかけてきたのです。
「カオルちゃん。おはよう」
「玲子ちゃん。おはよう」
「カオルちゃん、お願いがあるの」
「なあに、玲子ちゃん」と言って、カオルは玲子を真正面からみつめました。病院から出てきた玲子を見た時から、相談されそうな気がしていたのです。
これって、白魔女の勘かしら?
「お兄ちゃんに会って欲しいの?」
「いいわよ。でも、なぜかしら?」
「お兄ちゃん、カオルちゃんに会って、頼みたいことがあるんだって」
そう言った玲子は目を落としていました。
「じゃ、まず玲子ちゃんの家に行けばいいのかな? 玲子ちゃんの家には今まで行ったことがなかったから、一度行ってみたいと前から思っていたのよ」
「違うの。お兄ちゃんは、いま大野総合病院にいるのよ」
「そうなの。わかったわ。放課後、一度家に帰ってからでいい? どこで待ち合わせをする?」
「カオルちゃんは家にいて、私が迎えに行くから」
「ええ、いいわよ」
いつもなら、放課後は珠代や知世といっしょに帰っていたのですが、「ちょっと玲子ちゃんから秘密の相談ごとがあると言われたの。だから、まっすぐに家に帰って玲子ちゃんからの連絡を待つことになったのよ」と二人に言って、カオルは一人で家に帰りました。
家の中に入ったカオルは、すぐにランドセルを自分の部屋におきに行きました。それから、階段をおりて、居間に行くと、お母さんあてに、玲子といっしょに玲子の兄がいる病院に行くことを書いたメモを食卓テーブルの上においときました。
その後、カオルは家の前で玲子を待っていました。玲子と一緒にホウキにのれば、すぐに病院に行くことができるのにと思いました。でも、それはやりません。まだ魔法を使えることをみんなに知られたいと思っていなかったからです。
やがて、家の前にタクシーがとまり、後部ドアがあき、玲子が中から体をのりだしてきました。
「カオルちゃん、のってちょうだい!」
玲子に手招きをされたので、カオルはすぐにタクシーにのりこみました。
ですから、学校が休みの時には魔法の修行をしていました。
日曜日。
カオルはホウキにのって空を飛ぶ練習を続けたおかげで、かなり高いところを飛べるようになっていました。自信がついたカオルは自分の家から少し遠くまで飛んできていたのです。
山のふもとにある林の上から見ていると、高島玲子が大野総合病院から出てくるのが見えました。暗い顔してバス停に向かって歩いていきます。
バス停でバスを待っている間も、玲子は暗い顔をし続け、何かを考え込んでいるようでした。
やがて、バスがやってきました。大きな深呼吸を一つしてから、玲子がバスにのりこむと、舗装されていない道路を細かく揺れながらバスは遠ざかって行きました。
次の日。月曜日。
カオルが学校に行くとすぐに玲子が声をかけてきたのです。
「カオルちゃん。おはよう」
「玲子ちゃん。おはよう」
「カオルちゃん、お願いがあるの」
「なあに、玲子ちゃん」と言って、カオルは玲子を真正面からみつめました。病院から出てきた玲子を見た時から、相談されそうな気がしていたのです。
これって、白魔女の勘かしら?
「お兄ちゃんに会って欲しいの?」
「いいわよ。でも、なぜかしら?」
「お兄ちゃん、カオルちゃんに会って、頼みたいことがあるんだって」
そう言った玲子は目を落としていました。
「じゃ、まず玲子ちゃんの家に行けばいいのかな? 玲子ちゃんの家には今まで行ったことがなかったから、一度行ってみたいと前から思っていたのよ」
「違うの。お兄ちゃんは、いま大野総合病院にいるのよ」
「そうなの。わかったわ。放課後、一度家に帰ってからでいい? どこで待ち合わせをする?」
「カオルちゃんは家にいて、私が迎えに行くから」
「ええ、いいわよ」
いつもなら、放課後は珠代や知世といっしょに帰っていたのですが、「ちょっと玲子ちゃんから秘密の相談ごとがあると言われたの。だから、まっすぐに家に帰って玲子ちゃんからの連絡を待つことになったのよ」と二人に言って、カオルは一人で家に帰りました。
家の中に入ったカオルは、すぐにランドセルを自分の部屋におきに行きました。それから、階段をおりて、居間に行くと、お母さんあてに、玲子といっしょに玲子の兄がいる病院に行くことを書いたメモを食卓テーブルの上においときました。
その後、カオルは家の前で玲子を待っていました。玲子と一緒にホウキにのれば、すぐに病院に行くことができるのにと思いました。でも、それはやりません。まだ魔法を使えることをみんなに知られたいと思っていなかったからです。
やがて、家の前にタクシーがとまり、後部ドアがあき、玲子が中から体をのりだしてきました。
「カオルちゃん、のってちょうだい!」
玲子に手招きをされたので、カオルはすぐにタクシーにのりこみました。
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