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エピローグ
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「お父さん、死んだお母さんのお墓に行って手をあわせたいんだけど」と、忠司は父を振り返った。
「そうだな」と言った父は、とまどっている感じだった。
「ともかく、城に戻ってみるしかない」と父は言っていた。
理由がわからないが、父の顔色はよくない。
数日後、馬に乗り、父の後について忠司は破壊されつくした城に行った。
大理石の柱は倒され、建物の壁もはげ落ちていた。こうなっているのは、獣人たちが、この城を襲っていたからだ。
庭園にきた父の足がとまった。
「やはり、何も起きてはなかったか!」
「お父さん、何を言っているの?」と言って、忠司は父が見ている方に顔を向けた。父が見ていた所には、塑像が立っていたのだ。それは白い大理石で作られたように見える。
誰をモデルにして、誰が作ったものなのだろうか?
像の髪は長く背に垂らしていた。目は一重の切れ長。その東洋的な顔立ちは、自分に似ているように思えた。
「この人は、誰?」
「お前の母、私の妻、アンナだよ」
「えっ、そうなの!」と、忠司は声をあげた。
「どうして、こんな姿に!」
「グールの呪いで石にされてしまったんだ」
「……」
「もし、サルタン、おまえがグールを倒していたならば、妻のアリサも人に戻っていたはずだった」と言った父は悲しげだった。
「呪いを解く方法はないの? 例えば、呪いを解く薬とか…」
「他に方法はない。方法はただ一つ、呪いをかけた者を倒すしかない。グールが倒されたはずなのに、妻が蘇らないのはグールがまだ生きている証拠だ」
「きっと、逃げ出した子グモにグールの命が乗りうっていたんだ!」
子グモなんか簡単に足で踏みつぶすことができたのに、忠司は何もしないでいたことを悔やんでいた。
「逃げたグールを探し出して、今度こそやつけてやるよ」と忠司は泣きながら声を大きくしていた。
それは、忠司の新たな冒険の旅への宣言になっていた。
「そうだな」と言った父は、とまどっている感じだった。
「ともかく、城に戻ってみるしかない」と父は言っていた。
理由がわからないが、父の顔色はよくない。
数日後、馬に乗り、父の後について忠司は破壊されつくした城に行った。
大理石の柱は倒され、建物の壁もはげ落ちていた。こうなっているのは、獣人たちが、この城を襲っていたからだ。
庭園にきた父の足がとまった。
「やはり、何も起きてはなかったか!」
「お父さん、何を言っているの?」と言って、忠司は父が見ている方に顔を向けた。父が見ていた所には、塑像が立っていたのだ。それは白い大理石で作られたように見える。
誰をモデルにして、誰が作ったものなのだろうか?
像の髪は長く背に垂らしていた。目は一重の切れ長。その東洋的な顔立ちは、自分に似ているように思えた。
「この人は、誰?」
「お前の母、私の妻、アンナだよ」
「えっ、そうなの!」と、忠司は声をあげた。
「どうして、こんな姿に!」
「グールの呪いで石にされてしまったんだ」
「……」
「もし、サルタン、おまえがグールを倒していたならば、妻のアリサも人に戻っていたはずだった」と言った父は悲しげだった。
「呪いを解く方法はないの? 例えば、呪いを解く薬とか…」
「他に方法はない。方法はただ一つ、呪いをかけた者を倒すしかない。グールが倒されたはずなのに、妻が蘇らないのはグールがまだ生きている証拠だ」
「きっと、逃げ出した子グモにグールの命が乗りうっていたんだ!」
子グモなんか簡単に足で踏みつぶすことができたのに、忠司は何もしないでいたことを悔やんでいた。
「逃げたグールを探し出して、今度こそやつけてやるよ」と忠司は泣きながら声を大きくしていた。
それは、忠司の新たな冒険の旅への宣言になっていた。
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