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3 この国を知る

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 フロイトの部屋に、忠司の方からフロイトを訪ねていった。この国のことをまず知らなければと思ったからだ。
「サルタン王子様の方から、おいでいただけるとは光栄に存じます」
「さっそくですが、ヒューム王国とはどんな国なのですか?」
「ここには約千の村、百の町がございますかな。市場も四つある国でございますよ。あなたの育てられた国、日本がある世界とは並んで存在できる世界なのです。ですから、お互いの世界に行き来できる道が生まれることもある。そもそも、ここの住民はアトランティスにいた人たちです。アトランティスは、あなた方の世界にあって、アフリカとアメリカの間、大西洋上にあった。だが、1万2千年前に、大地震がおき、海の中に沈んでしまった。その時に、異空間に逃げる道をヘラ様がみつけ、初代のヒューム国王は民を引き連れてその空間に逃げ出し、この国を作ったのですよ」
「でも、今はなぜ、魔神グールが支配しているんですか?」
「冥界からもヒューム国へくる道があったからです。その道を通って魔神グールは冥界からやってきた。冥界の者たちは、私どもすべてを獣人に変えようと思っている。それは、この国を人肉牧場にして冥界に人肉を送り続けたいと思っているからですよ」と言ったフロイトは暗い顔をしていた。
「そうだったのですか」と、忠司は大きくうなずいた。
「まず、俺は平和な時に、この国はどうだったかを知りたい。四つの市場があると言っていたよね。じゃ、そこでは、どのようなものを売っていたのか、教えてよ」
「わかりました。それでは、ご説明申し上げましょう」
 この後、忠司はフロイトからこの国の経済についての勉強をすることになった。
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