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2 俺だけに聞こえた!
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(サルタン王子、きてくれたのね)
突然、忠司の耳に声が聞こえた。
忠司は、すぐに花音の顔を見た。しかし、花音は口を閉じている。それに、なぜ、私を見るのと言う顔をしていた。
「誰、誰なんだい?」
思わず声をあげながら、忠司は窓から外をのぞいた。しかし、外では、小屋の中に人がいることに気がついている者はいない。
(私は、ヒューム家とヒューム王国の守護神ヘラ。あなたがこの世界にきてくれたので、やっと話をすることができるようになりました)
「神様だったのか。ふ~ん。神様でも、できないことあるんだね」
忠司は思わず嫌味な言い方をしてしまった。
(神様と言っても、宇宙を支配しているわけじゃないわ)
「でも、ヘラは、ヒューム家の守護神なんだろう?どうして、親父を助けてくれなかったんだい?」
(私の力が足りなかった。いえ、魔神グールのずるさに負けてしまったのよ。私も今は力をうばわれているの)
今度は、忠司も何も言えない。隣で花音は腕を組んで、何をやっているんだという顔で不審げに忠司を見つめてくる。
(魔神グールの力はさらに強くって、今はヒューム王国のすべてに及んでしまっているわ)
「そんな強い魔神を相手にして、俺に何かできるわけがない。喧嘩しても強くないし、頭もよくない。俺はそんなガキだよ」
(でも、魔神グールの力が及んでいない者で、ここに来られたのは、サルタン王子、あなたしかいないのよ)
「言ったろう。俺になんの能力があるっていうんだ!魔神を相手にして戦えるわけがない」
(あなたには、私の残っている力のすべてを送っているのよ。ここにきたあなたは、それを使えるようになっているはず)
「もし、そんな能力を持っていても、俺だよ。俺!勝てるわけがない」
(戦ってくれる人は、あなたしかいない!)
その声は、悲しみに、にじんでいた。もし、忠司がことわれば、もうへラは何も言わないに違いない。そして、もとの世界に戻してくれるかもしれない。
だが、こんな時に、あんたなら断れるかい?
忠司は断れなかった。
「本当に俺でいいんだよな?」
(ええ、サルタン王子、あなたしかいないのよ)
「で、どうすればいい?」
(サルタン王子。あなたには、もう、この世界の言葉を理解して話せるはず。従者の女の子にも、同じ力をあたえたわ)従者とは、花音のことだ。
「外にいる奴らは一体なんだ?」と、忠司は大声をあげた。
「忠司、一体誰と話をしているの?」
さすがに、ほっておかれた花音は口をとがらし聞いてきた。それは、それで無理もない。
(アンリー夫婦があなたを連れて消えた小屋を、魔神グールは獣人たちの兵士をおいて見張らせているのよ。あなたがここに戻ってきた時に、あなたをすぐに殺してしまうために)
「じゃ、ここから出るためには、獣人と戦わなければならないのか?」
(そう、オリハルコンの剣の力を信じて、ドアを開けて!)
言われたように、腰にさげていたオリハルコンの剣を忠司は抜いた。すると、短剣の長さしかなかった剣は伸びて、刃もつきサーベルとして使える長さになっていたのだ。
「花音、外へでるぞ」
「えっ、少し前はとめたのに」
そう言いながら、花音は腰につけたヌンチャクを手に取っていた。
突然、忠司の耳に声が聞こえた。
忠司は、すぐに花音の顔を見た。しかし、花音は口を閉じている。それに、なぜ、私を見るのと言う顔をしていた。
「誰、誰なんだい?」
思わず声をあげながら、忠司は窓から外をのぞいた。しかし、外では、小屋の中に人がいることに気がついている者はいない。
(私は、ヒューム家とヒューム王国の守護神ヘラ。あなたがこの世界にきてくれたので、やっと話をすることができるようになりました)
「神様だったのか。ふ~ん。神様でも、できないことあるんだね」
忠司は思わず嫌味な言い方をしてしまった。
(神様と言っても、宇宙を支配しているわけじゃないわ)
「でも、ヘラは、ヒューム家の守護神なんだろう?どうして、親父を助けてくれなかったんだい?」
(私の力が足りなかった。いえ、魔神グールのずるさに負けてしまったのよ。私も今は力をうばわれているの)
今度は、忠司も何も言えない。隣で花音は腕を組んで、何をやっているんだという顔で不審げに忠司を見つめてくる。
(魔神グールの力はさらに強くって、今はヒューム王国のすべてに及んでしまっているわ)
「そんな強い魔神を相手にして、俺に何かできるわけがない。喧嘩しても強くないし、頭もよくない。俺はそんなガキだよ」
(でも、魔神グールの力が及んでいない者で、ここに来られたのは、サルタン王子、あなたしかいないのよ)
「言ったろう。俺になんの能力があるっていうんだ!魔神を相手にして戦えるわけがない」
(あなたには、私の残っている力のすべてを送っているのよ。ここにきたあなたは、それを使えるようになっているはず)
「もし、そんな能力を持っていても、俺だよ。俺!勝てるわけがない」
(戦ってくれる人は、あなたしかいない!)
その声は、悲しみに、にじんでいた。もし、忠司がことわれば、もうへラは何も言わないに違いない。そして、もとの世界に戻してくれるかもしれない。
だが、こんな時に、あんたなら断れるかい?
忠司は断れなかった。
「本当に俺でいいんだよな?」
(ええ、サルタン王子、あなたしかいないのよ)
「で、どうすればいい?」
(サルタン王子。あなたには、もう、この世界の言葉を理解して話せるはず。従者の女の子にも、同じ力をあたえたわ)従者とは、花音のことだ。
「外にいる奴らは一体なんだ?」と、忠司は大声をあげた。
「忠司、一体誰と話をしているの?」
さすがに、ほっておかれた花音は口をとがらし聞いてきた。それは、それで無理もない。
(アンリー夫婦があなたを連れて消えた小屋を、魔神グールは獣人たちの兵士をおいて見張らせているのよ。あなたがここに戻ってきた時に、あなたをすぐに殺してしまうために)
「じゃ、ここから出るためには、獣人と戦わなければならないのか?」
(そう、オリハルコンの剣の力を信じて、ドアを開けて!)
言われたように、腰にさげていたオリハルコンの剣を忠司は抜いた。すると、短剣の長さしかなかった剣は伸びて、刃もつきサーベルとして使える長さになっていたのだ。
「花音、外へでるぞ」
「えっ、少し前はとめたのに」
そう言いながら、花音は腰につけたヌンチャクを手に取っていた。
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