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第六話 憎しみ
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アンナが有名になると、そのうわさはフタ―ク国にも伝わってきていた。アンナのことを夜会服の手直しを頼んでいた仕立屋から聞き込んだ聖女頭のガーナルはリカード王子の所にすぐにのりこんでいった。
「この国で追放になった者が、異国で聖女の力を利用して評判になっておりますわ」
「それはアンナのことだね?」
「王子のお耳にも入っていたのですね。好き勝手にさせていいのですか!」
ガーナルが強く言えるのは、理由があった。
ガーナルの父、ヒックス公爵は闇金融業をやっていて、フタ―ク国の高官たちに金を貸していた。金を借りた弱みを持つ彼らは、国王夫婦にリカードの花嫁としてガーナルを推挙し、国王夫妻もそれを認め出していたのだ。
将来、自分の妻になるかもしれないガーナルからの申し出をリカードは無視することはできない。
「そうだね。どうしたらいいのかな?」
「兵士を行かせて、アンナを捕まえ、牢屋に入れてください。牢屋の中ならば、聖女のふりなど、できなくなりますわ」
「わかった。すぐに私を護衛してくれている警備隊長を呼ぼう」
やがて、警備隊長のモリスがやってきた。
「リカード王子、お呼びでございますか?」
リカードが言い出す前に、ガーナルは「ここにいたアンナがガンダ国で聖女のふりをしているわ。それは、私らの国の品位を汚していることになるのよ。捕まえてきてちょうだい」と声をあげていた。
「捕まえてきた後は、どのようにされるのですか?」
「決まっているでしょう。牢に入れて、閉じ込めてもらいます」
「リカード王子。それでよろしいのですか?」
リカードは黙ってうなずいていた。
「わかりました。明日、さっそく旅立つことにいたします」と言って、モリスは頭を下げ、引きさがろうとした。
すると、ガーナルは美しい顔をこわすように額に三本のしわを作った。
「何を言っているのですか! すぐに旅立ってください」
「リカード王子がそれをお望みであれば、そのようにいたしますが?」と、モリスはこまり顔をリカードの方に向けた。
「ガーナルが、言うようにしてもらうかな」
「わかりました。そのようにさせていただきます」
モリスはリカードに向かって頭を下げると、王子の間から出て行った。
すぐにモリスは警護隊員二人をつれて馬にのりガンダ国に向かった。
モリスたちはガンダ国に入ると街中でアンナがやっている診療所の居場所を聞くと、すぐに教えてくれた。治療にきた者と思われたのだろう。
診療所の中に入ると待合室にベンチがいくつも置かれ、番を待つ患者たちがすわっていた。カーテンでしきられた治療室の中にモリスたちが入っていくと、アンナは治療台に横たわっている患者の背に手をかざしていた。治療に専念をしているアンナに警護の者などついてはいなかった。
これならば、簡単にフタ―ク国にアンナを連れて行くことができる。そう思ったモリスは声をかけた。
「あなたは、以前フタ―ク国にいたアンナだな。勝手に聖女のふりをして治療にあたることなど許されていないはずだ。逮捕させてもらうぞ」
この時、エルザが治療所の様子を見にきていた。それは戦から戻ってきたギルドの傭兵たちで怪我をした者が多かったからだ。
もし、もう一日後であれば、エルザと遭遇することはなかったに違いない。
モリスと一緒にきた警護隊員たちがアンナの肩に手をかけた時に、カーテンが開かれ治療室にエルザが入ってきた。
「何をやっているのです。この国で私に許しも受けずに勝手な真似をされては困りますね」
モリスは、顔をエルザに向けて片眉をあげた。
「私は、フタ―ク国にかかわる者を逮捕しにきただけです。あなたはどなたでしょうか?」
「私はこの国の王妃、エルザですよ。私の国に入って何をしようとしているのです。そもそも届けを出してくれていますか? 届けがあったという報告を受けてはおりませんね」
「それは、失礼を申し上げた。私はフターク国の警護隊長モリスと申します。この場を借りて、アンナの引き渡しをお願いいたしたい」
「ほほう、面白いことを言われるな。たしか、フタ―ク国ではアンナを追放したと聞いている。追放ということは、すでにアンナはあなた方の国の者でなくなっていることだ。それなのに、逮捕にしようとしている。おかしな話じゃ」
「しかし、私たちはリカード王子から逮捕してくれるように命令を受けておりますので」
「アンナは今この国の住民。その者を連れて行こうとするからには、あなたたちこそ、この国での誘拐罪に該当をすることになる。この場で逮捕しなければならなくなりますよ」
エルザがそう言ったとたん、治療を受けることになってベンチにすわっていたギルドの傭兵たちが立ちあがり、モリスたちを囲んでいた。モリスたちは剣に手をかけていたが、とり囲んだギルドの男たちを見まわした後、剣から手をおろしていた。
「たしかに、私どもに非があったようでございますな。今のご意見を国の方に持ち返り、報告をさせていただきたい」
モリスは、エルザに向かって頭を大きく下げると、警護隊員二人をひきつれて診療所から出ていった。
二日後。
ガンダ国から戻ったモリスはフタ―ク国の宮殿に行き、リカードとガーナルを前にして、エルザに阻止をされてアンナをつれてくることができなかったことを報告をした。
「エルザがそう言ったですって! リカード様、すぐにでもガンダ国に攻め入ってしまいましょうよ。ガンダ国は辺境の地にある小さな国ですもの」
「う~む。それは難しいな」
「どうしてですか。あの地はやせ地で、穀物もできない。もちろん、平地ですので鉱物もない。ただの貧乏国じゃありませんか!」
「その通りじゃ。だからこそ、あの国は人を派遣して稼ぐことを始めた。始めは自国の兵士だけで行っていたのだが、評判がよかったので、他の国から人材の募集をして人を集めることを思いついた。それが傭兵ギルドだよ。たくさんの兵士を出してもらった国は、ガンダ国に恩義を感じているし、お互いに防衛しあう協定も結んでいる。そんな国は多数あるはず。もし、ガンダ国を攻めたりすれば 、それらの国の兵が駆けつけてくるに違いない。まあ、よけいなことをしないことが一番ですね」
王子の話を聞いていたガーナルは顔を真っ赤にしていた。怒りで、頭に血がのぼっていたからだ。
「じゃ、アンナをどうすることもできないのですか!」
リカードは何も答えず口を閉じていた。
「そうだ、いいことを思いつきましたわ。モリス」
「なんでしょうか?」
「誰か、わからないようにして、アンナを殺してしまえばいいのよ」
「しかし、それを誰が?」
「モリス、あなたにしかお願いできないでしょう。他に話をすることはできませんわ。それには腕が立つ者でないとできないことですしね」
「しかし、私はガンダ国で顔が知られておりますし、フタ―ク国の警護隊長としての任務がございます」
「じゃ、その任務を解いてさしあげたら」と言って、ガーナルはリカードの方に顔を向けた。リカードは困った顔をしていた。
「モリスには、他国に視察に行ったことにして、今の倍のお手当をお出しすることで、よろしいのではないかしら?」
モリスの頭の中では、妻や子の顔が浮かんでいた。いつもの暮らしに戻ることができると思っていたのに、それがまたできなくなるのだ。
「そうだな。だが、彼の仕事を誰に引き継がせればいいのかな?」
しばらくの間、三人は黙り続けていた。しかたなさそうに、モリスはが声をあげた。
「私の隊の者たちは、優秀な者たちばかりです。したがいまして副隊長をしておりますマスギヤでも、よろしいかと。いや、ぜひ彼を昇進させてやってください。それに私がふたたびガンダ国に行くのでしたら、しばらくの間、妻や子とともに暮らしたいと思っております」
「モリスが、そう言ってくれるならば、それでいいのではないか。ひと月の間、モリスが妻子とともに過ごすことを許るそうぞ。ともかく、ガンダ国に入った時に、私らの指示があったことが、わかられては困る。何か手だてがあるかな?」
「はい、よくわかっております。ガンダ国に入る前に、眉毛をぬいて、その後に入れ墨をするつもりです。それに前髪もそり体重を三分の一ほど落としてからガンダ国に行きたいと思っております」
「なるほど、それならば、誰もモリスがガンダ国にふたたびやってきたと思われないですむな」と言って、リカードは安堵したようにガーナルの方に顔を向けた。
だが、ガーナルは面白くなさそうに頬をふくらませていた。
「この国で追放になった者が、異国で聖女の力を利用して評判になっておりますわ」
「それはアンナのことだね?」
「王子のお耳にも入っていたのですね。好き勝手にさせていいのですか!」
ガーナルが強く言えるのは、理由があった。
ガーナルの父、ヒックス公爵は闇金融業をやっていて、フタ―ク国の高官たちに金を貸していた。金を借りた弱みを持つ彼らは、国王夫婦にリカードの花嫁としてガーナルを推挙し、国王夫妻もそれを認め出していたのだ。
将来、自分の妻になるかもしれないガーナルからの申し出をリカードは無視することはできない。
「そうだね。どうしたらいいのかな?」
「兵士を行かせて、アンナを捕まえ、牢屋に入れてください。牢屋の中ならば、聖女のふりなど、できなくなりますわ」
「わかった。すぐに私を護衛してくれている警備隊長を呼ぼう」
やがて、警備隊長のモリスがやってきた。
「リカード王子、お呼びでございますか?」
リカードが言い出す前に、ガーナルは「ここにいたアンナがガンダ国で聖女のふりをしているわ。それは、私らの国の品位を汚していることになるのよ。捕まえてきてちょうだい」と声をあげていた。
「捕まえてきた後は、どのようにされるのですか?」
「決まっているでしょう。牢に入れて、閉じ込めてもらいます」
「リカード王子。それでよろしいのですか?」
リカードは黙ってうなずいていた。
「わかりました。明日、さっそく旅立つことにいたします」と言って、モリスは頭を下げ、引きさがろうとした。
すると、ガーナルは美しい顔をこわすように額に三本のしわを作った。
「何を言っているのですか! すぐに旅立ってください」
「リカード王子がそれをお望みであれば、そのようにいたしますが?」と、モリスはこまり顔をリカードの方に向けた。
「ガーナルが、言うようにしてもらうかな」
「わかりました。そのようにさせていただきます」
モリスはリカードに向かって頭を下げると、王子の間から出て行った。
すぐにモリスは警護隊員二人をつれて馬にのりガンダ国に向かった。
モリスたちはガンダ国に入ると街中でアンナがやっている診療所の居場所を聞くと、すぐに教えてくれた。治療にきた者と思われたのだろう。
診療所の中に入ると待合室にベンチがいくつも置かれ、番を待つ患者たちがすわっていた。カーテンでしきられた治療室の中にモリスたちが入っていくと、アンナは治療台に横たわっている患者の背に手をかざしていた。治療に専念をしているアンナに警護の者などついてはいなかった。
これならば、簡単にフタ―ク国にアンナを連れて行くことができる。そう思ったモリスは声をかけた。
「あなたは、以前フタ―ク国にいたアンナだな。勝手に聖女のふりをして治療にあたることなど許されていないはずだ。逮捕させてもらうぞ」
この時、エルザが治療所の様子を見にきていた。それは戦から戻ってきたギルドの傭兵たちで怪我をした者が多かったからだ。
もし、もう一日後であれば、エルザと遭遇することはなかったに違いない。
モリスと一緒にきた警護隊員たちがアンナの肩に手をかけた時に、カーテンが開かれ治療室にエルザが入ってきた。
「何をやっているのです。この国で私に許しも受けずに勝手な真似をされては困りますね」
モリスは、顔をエルザに向けて片眉をあげた。
「私は、フタ―ク国にかかわる者を逮捕しにきただけです。あなたはどなたでしょうか?」
「私はこの国の王妃、エルザですよ。私の国に入って何をしようとしているのです。そもそも届けを出してくれていますか? 届けがあったという報告を受けてはおりませんね」
「それは、失礼を申し上げた。私はフターク国の警護隊長モリスと申します。この場を借りて、アンナの引き渡しをお願いいたしたい」
「ほほう、面白いことを言われるな。たしか、フタ―ク国ではアンナを追放したと聞いている。追放ということは、すでにアンナはあなた方の国の者でなくなっていることだ。それなのに、逮捕にしようとしている。おかしな話じゃ」
「しかし、私たちはリカード王子から逮捕してくれるように命令を受けておりますので」
「アンナは今この国の住民。その者を連れて行こうとするからには、あなたたちこそ、この国での誘拐罪に該当をすることになる。この場で逮捕しなければならなくなりますよ」
エルザがそう言ったとたん、治療を受けることになってベンチにすわっていたギルドの傭兵たちが立ちあがり、モリスたちを囲んでいた。モリスたちは剣に手をかけていたが、とり囲んだギルドの男たちを見まわした後、剣から手をおろしていた。
「たしかに、私どもに非があったようでございますな。今のご意見を国の方に持ち返り、報告をさせていただきたい」
モリスは、エルザに向かって頭を大きく下げると、警護隊員二人をひきつれて診療所から出ていった。
二日後。
ガンダ国から戻ったモリスはフタ―ク国の宮殿に行き、リカードとガーナルを前にして、エルザに阻止をされてアンナをつれてくることができなかったことを報告をした。
「エルザがそう言ったですって! リカード様、すぐにでもガンダ国に攻め入ってしまいましょうよ。ガンダ国は辺境の地にある小さな国ですもの」
「う~む。それは難しいな」
「どうしてですか。あの地はやせ地で、穀物もできない。もちろん、平地ですので鉱物もない。ただの貧乏国じゃありませんか!」
「その通りじゃ。だからこそ、あの国は人を派遣して稼ぐことを始めた。始めは自国の兵士だけで行っていたのだが、評判がよかったので、他の国から人材の募集をして人を集めることを思いついた。それが傭兵ギルドだよ。たくさんの兵士を出してもらった国は、ガンダ国に恩義を感じているし、お互いに防衛しあう協定も結んでいる。そんな国は多数あるはず。もし、ガンダ国を攻めたりすれば 、それらの国の兵が駆けつけてくるに違いない。まあ、よけいなことをしないことが一番ですね」
王子の話を聞いていたガーナルは顔を真っ赤にしていた。怒りで、頭に血がのぼっていたからだ。
「じゃ、アンナをどうすることもできないのですか!」
リカードは何も答えず口を閉じていた。
「そうだ、いいことを思いつきましたわ。モリス」
「なんでしょうか?」
「誰か、わからないようにして、アンナを殺してしまえばいいのよ」
「しかし、それを誰が?」
「モリス、あなたにしかお願いできないでしょう。他に話をすることはできませんわ。それには腕が立つ者でないとできないことですしね」
「しかし、私はガンダ国で顔が知られておりますし、フタ―ク国の警護隊長としての任務がございます」
「じゃ、その任務を解いてさしあげたら」と言って、ガーナルはリカードの方に顔を向けた。リカードは困った顔をしていた。
「モリスには、他国に視察に行ったことにして、今の倍のお手当をお出しすることで、よろしいのではないかしら?」
モリスの頭の中では、妻や子の顔が浮かんでいた。いつもの暮らしに戻ることができると思っていたのに、それがまたできなくなるのだ。
「そうだな。だが、彼の仕事を誰に引き継がせればいいのかな?」
しばらくの間、三人は黙り続けていた。しかたなさそうに、モリスはが声をあげた。
「私の隊の者たちは、優秀な者たちばかりです。したがいまして副隊長をしておりますマスギヤでも、よろしいかと。いや、ぜひ彼を昇進させてやってください。それに私がふたたびガンダ国に行くのでしたら、しばらくの間、妻や子とともに暮らしたいと思っております」
「モリスが、そう言ってくれるならば、それでいいのではないか。ひと月の間、モリスが妻子とともに過ごすことを許るそうぞ。ともかく、ガンダ国に入った時に、私らの指示があったことが、わかられては困る。何か手だてがあるかな?」
「はい、よくわかっております。ガンダ国に入る前に、眉毛をぬいて、その後に入れ墨をするつもりです。それに前髪もそり体重を三分の一ほど落としてからガンダ国に行きたいと思っております」
「なるほど、それならば、誰もモリスがガンダ国にふたたびやってきたと思われないですむな」と言って、リカードは安堵したようにガーナルの方に顔を向けた。
だが、ガーナルは面白くなさそうに頬をふくらませていた。
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