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8第二の殺人
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俺が再び車に戻ると竹内がタバコをもみ消し、すぐに声をかけてきた。
「ほう、何かをつかんだ顔だね。で、どうするね?」
俺はこわばった顔をしていた。
「大友署に戻ってくれ」
大友署につくと喫煙タイムを楽しみたい竹内を駐車場に残して建物の中に俺は入っていった。刑事課に行き、俺はまっすぐに斎藤の机に向かった。どうやら署内で別の事件は起きてなかったようだ。席にすわっていた。
「何かようかい?」
「調べて貰いたいことがあるんだ」
「何だい?」
「監視カメラがある所は商店街が多い。それでなければ、裕福な家の前だ。そんな場所を通らないで走り回っているかもしれない車をみつけたよ。病院に来る患者をのせて病院に運んでいるバスだよ。交番の近傍を通っている病院バスを調べて欲しい」
「なるほど、それに沢田から拳銃を奪った男が乗っていたということだな。面白い。すぐに病院に電話をかけて調べさせるよ。それに乗ることができたということは、星(犯人)は患者か病院関係者ということだな」
「するどいな」と俺は斎藤に笑いかけていた。そして、話を続けた。
「病院に電話をかける時に、入院患者か、病院関係者に田島優成という者がいるかどうかも聞いて欲しいんだ」
「田島が拳銃強奪犯だと見込んでいるみたいだね?」
「そうかもしれんな。田島という者がいる病院を知りたいんだよ」
「それは相当な手掛かりじゃないか。私から捜査本部に報告をしてもいいかな?」
斎藤の眼がキラリと光った。
「勝手にしてくれ。ともかく、急げよ。そして、その結果は一番先に俺に知らせてくれ。俺の条件は、それだけだ」
俺は言うべきことだけを言って刑事課の部屋をでた。
駐車場に戻り、俺は車にのった。すぐに、竹内が話しかけてきた。
「捜査本部から連絡が入ったよ。品川区にある小鳩公園で男が拳銃で撃たれた。すぐに病院に運び込まれたそうだ」
「それで」
「これから、捜査会議を開くそうだ。至急、捜査本部に集まるように命令が出たよ」。
「じゃ、戻るしかないな」
一時間後。会議室に他の捜査員たちに混じって俺たちも席についた。ひな壇で立ち上がった管理官は怒りで顔を赤くしていた。
「小鳩公園で松山博之という者が撃ち殺された。それに使われた弾丸をすぐに調べさせているが、警察拳銃で使われている弾丸であることに間違いなさそうだ。ついに我々が恐れることが起きてしまった。ふたたび警察拳銃を人殺しに使われてしまったのだ。松山射殺のの初動捜査に当たっている後藤係長から報告をしてもらう」
前もって呼ばれていたのだろう。最前列のテーブルにすわっていた後藤が立ち上がった。
「松山は公園にいた鳩たち向かって餌をまいていた。すると黒いコートをきた男がどこからか現れ、松山を撃ったそうです。それを見ていた川中恵美がすぐに救急車を呼び、救急車は松山を品川西病院に運び込んでおります。公園にいた他の者に聞くと松山が撒いた餌を食べた鳩や雀たちは十五分後に死んでしまったそうです。さらに公園に来たことのある者たちから聞き込みますと、たびたび毒の入った餌を巻いていたようです」
「それは動物愛護法違反ですよ。松山を撃った男は、鳩たちの敵討ちをしたということですか?」と、山本班の者が声をあげた。
「そうかもしれんが、だからと言って、人を殺していいどおりはない」そう言った後藤は唇を震わせていた。
「ところで、使われた拳銃は警察拳銃だとどうして分かったのかね?」と管理官が聞いていた。
「松山の応急手術をした時に銃弾をとり出したのですが、その形から警察拳銃用の銃弾だと分かりました」と後藤が答えた。
すると、山本班長が手をあげて立ち上がった。
「その銃弾は沢田の拳銃から撃ち出された物なんですか?」
「それはまだ分かりません。いま、科捜研で高野を撃った銃弾の旋条痕と同じかどうか調べてもらっています。その結果をみれば、少なくとも高野殺しの犯人と同じか、また使用した拳銃も同じであるかも分かると思います」
俺は俺なりに推理をしていた。
高野をやったのは田島だ。それもマンション・レオの元住んでいた部屋から高野を撃った。父親である高野を窓の開いたベランダに近づけさせたのは正夫だった。撃たれた高野が居間で倒れたのを見て、ベランダの窓をしめたのも正夫だ。高野がマンション外部から撃たれたと思わせないためにしたことだ。正夫は正夫なりに田島を助けようとしていたのだ。
そんな時に俺の携帯のバイブが鳴った。
俺は立ち上がり、会議室をでた。通路の壁を背にして、俺は携帯を耳にあてた。
「斎藤さんかい」
「頼まれていた病院がわかったよ。安藤治療病院だ。そこの患者送迎バスが交番の近くを走り回っている。たしかに、監視カメラのない所を走っているようだ。そっちの捜査で田島という男はまだ犯人となっていないのかい?」
「なってはいないな。そちらでバスの動く路線図か何かを見ているのかな?」
「ああ、そうだよ。地図の上に赤い線でルートをいれておいてある。早くとりに来いよ」
「じゃ、そのバスは品川区の小鳩公園の傍を走っているかね?」
「どおれ、走っているな」」
「そうか、やっぱりな」
病院バスの中から田島は松山が公園で鳩を殺している姿を見てしまったのだ。おそらく何度も見たのだろう。
「なにが、やっぱりなんだ?」
「いい話、ありがとうよ」
俺は会議室に戻ると山本班の捜査員の一人に近づき、斎藤からの報告をそのまま伝えた。だが、その捜査員は、突然なぜ俺がそんな報告をするのか、判らないようだった。だが、メモをしながら頷いていた。俺は自分の席に戻ると、携帯を出して、安藤治療病院のホームページを出して見ていた。竹内は面白そうに横から覗いてくる。
安藤治療病院は老人たちばかりを集めて入院させ終末治療を行っている病院だった。その場所は大沢市と大田区の境にあった。
「さあ、でかけるぞ。安藤治療病院だ」と、竹内に言った。そして、俺たちは会議室を出た。
南に向かって車を走らせた。
約一時間後、俺たちは安藤治療病院の駐車場に車を停めていた。広い敷地はゴルフ場を思いださせた。建物は大きく塔があることから白い教会を思わせた。
突然、俺の携帯が鳴った。俺は携帯を耳にあてた。沢田からだった。
「どうしたんだ。沢田。いる所ぐらい報告をしろよ」
「片倉さん、私はもう警官じゃありませんよ」
「退職届を出したと言うんだろう。わかっている。何をしているんだ?」
「わたしは田島さんの願いをかなえてやりたいんです」
「願いってなんだ?」
「罰されない悪人を斃すことです」
「馬鹿なことをいうな。悪人を斃すのは警察にまかせろ!」
乾いた笑い声が聞こえた。
「警官がやってこれなかったから、田島さんが命がけで、消えかかっている命を使って正義を実行しようとしているんです」
「馬鹿な、これから後何人殺すきなんだ!」
「後五人は田島さんはやらなければならない」
「いま、どこにいるんだ! 場所だけでも教えろ」
「安藤治療病院ですよ」
携帯は切れていった。
「ほう、何かをつかんだ顔だね。で、どうするね?」
俺はこわばった顔をしていた。
「大友署に戻ってくれ」
大友署につくと喫煙タイムを楽しみたい竹内を駐車場に残して建物の中に俺は入っていった。刑事課に行き、俺はまっすぐに斎藤の机に向かった。どうやら署内で別の事件は起きてなかったようだ。席にすわっていた。
「何かようかい?」
「調べて貰いたいことがあるんだ」
「何だい?」
「監視カメラがある所は商店街が多い。それでなければ、裕福な家の前だ。そんな場所を通らないで走り回っているかもしれない車をみつけたよ。病院に来る患者をのせて病院に運んでいるバスだよ。交番の近傍を通っている病院バスを調べて欲しい」
「なるほど、それに沢田から拳銃を奪った男が乗っていたということだな。面白い。すぐに病院に電話をかけて調べさせるよ。それに乗ることができたということは、星(犯人)は患者か病院関係者ということだな」
「するどいな」と俺は斎藤に笑いかけていた。そして、話を続けた。
「病院に電話をかける時に、入院患者か、病院関係者に田島優成という者がいるかどうかも聞いて欲しいんだ」
「田島が拳銃強奪犯だと見込んでいるみたいだね?」
「そうかもしれんな。田島という者がいる病院を知りたいんだよ」
「それは相当な手掛かりじゃないか。私から捜査本部に報告をしてもいいかな?」
斎藤の眼がキラリと光った。
「勝手にしてくれ。ともかく、急げよ。そして、その結果は一番先に俺に知らせてくれ。俺の条件は、それだけだ」
俺は言うべきことだけを言って刑事課の部屋をでた。
駐車場に戻り、俺は車にのった。すぐに、竹内が話しかけてきた。
「捜査本部から連絡が入ったよ。品川区にある小鳩公園で男が拳銃で撃たれた。すぐに病院に運び込まれたそうだ」
「それで」
「これから、捜査会議を開くそうだ。至急、捜査本部に集まるように命令が出たよ」。
「じゃ、戻るしかないな」
一時間後。会議室に他の捜査員たちに混じって俺たちも席についた。ひな壇で立ち上がった管理官は怒りで顔を赤くしていた。
「小鳩公園で松山博之という者が撃ち殺された。それに使われた弾丸をすぐに調べさせているが、警察拳銃で使われている弾丸であることに間違いなさそうだ。ついに我々が恐れることが起きてしまった。ふたたび警察拳銃を人殺しに使われてしまったのだ。松山射殺のの初動捜査に当たっている後藤係長から報告をしてもらう」
前もって呼ばれていたのだろう。最前列のテーブルにすわっていた後藤が立ち上がった。
「松山は公園にいた鳩たち向かって餌をまいていた。すると黒いコートをきた男がどこからか現れ、松山を撃ったそうです。それを見ていた川中恵美がすぐに救急車を呼び、救急車は松山を品川西病院に運び込んでおります。公園にいた他の者に聞くと松山が撒いた餌を食べた鳩や雀たちは十五分後に死んでしまったそうです。さらに公園に来たことのある者たちから聞き込みますと、たびたび毒の入った餌を巻いていたようです」
「それは動物愛護法違反ですよ。松山を撃った男は、鳩たちの敵討ちをしたということですか?」と、山本班の者が声をあげた。
「そうかもしれんが、だからと言って、人を殺していいどおりはない」そう言った後藤は唇を震わせていた。
「ところで、使われた拳銃は警察拳銃だとどうして分かったのかね?」と管理官が聞いていた。
「松山の応急手術をした時に銃弾をとり出したのですが、その形から警察拳銃用の銃弾だと分かりました」と後藤が答えた。
すると、山本班長が手をあげて立ち上がった。
「その銃弾は沢田の拳銃から撃ち出された物なんですか?」
「それはまだ分かりません。いま、科捜研で高野を撃った銃弾の旋条痕と同じかどうか調べてもらっています。その結果をみれば、少なくとも高野殺しの犯人と同じか、また使用した拳銃も同じであるかも分かると思います」
俺は俺なりに推理をしていた。
高野をやったのは田島だ。それもマンション・レオの元住んでいた部屋から高野を撃った。父親である高野を窓の開いたベランダに近づけさせたのは正夫だった。撃たれた高野が居間で倒れたのを見て、ベランダの窓をしめたのも正夫だ。高野がマンション外部から撃たれたと思わせないためにしたことだ。正夫は正夫なりに田島を助けようとしていたのだ。
そんな時に俺の携帯のバイブが鳴った。
俺は立ち上がり、会議室をでた。通路の壁を背にして、俺は携帯を耳にあてた。
「斎藤さんかい」
「頼まれていた病院がわかったよ。安藤治療病院だ。そこの患者送迎バスが交番の近くを走り回っている。たしかに、監視カメラのない所を走っているようだ。そっちの捜査で田島という男はまだ犯人となっていないのかい?」
「なってはいないな。そちらでバスの動く路線図か何かを見ているのかな?」
「ああ、そうだよ。地図の上に赤い線でルートをいれておいてある。早くとりに来いよ」
「じゃ、そのバスは品川区の小鳩公園の傍を走っているかね?」
「どおれ、走っているな」」
「そうか、やっぱりな」
病院バスの中から田島は松山が公園で鳩を殺している姿を見てしまったのだ。おそらく何度も見たのだろう。
「なにが、やっぱりなんだ?」
「いい話、ありがとうよ」
俺は会議室に戻ると山本班の捜査員の一人に近づき、斎藤からの報告をそのまま伝えた。だが、その捜査員は、突然なぜ俺がそんな報告をするのか、判らないようだった。だが、メモをしながら頷いていた。俺は自分の席に戻ると、携帯を出して、安藤治療病院のホームページを出して見ていた。竹内は面白そうに横から覗いてくる。
安藤治療病院は老人たちばかりを集めて入院させ終末治療を行っている病院だった。その場所は大沢市と大田区の境にあった。
「さあ、でかけるぞ。安藤治療病院だ」と、竹内に言った。そして、俺たちは会議室を出た。
南に向かって車を走らせた。
約一時間後、俺たちは安藤治療病院の駐車場に車を停めていた。広い敷地はゴルフ場を思いださせた。建物は大きく塔があることから白い教会を思わせた。
突然、俺の携帯が鳴った。俺は携帯を耳にあてた。沢田からだった。
「どうしたんだ。沢田。いる所ぐらい報告をしろよ」
「片倉さん、私はもう警官じゃありませんよ」
「退職届を出したと言うんだろう。わかっている。何をしているんだ?」
「わたしは田島さんの願いをかなえてやりたいんです」
「願いってなんだ?」
「罰されない悪人を斃すことです」
「馬鹿なことをいうな。悪人を斃すのは警察にまかせろ!」
乾いた笑い声が聞こえた。
「警官がやってこれなかったから、田島さんが命がけで、消えかかっている命を使って正義を実行しようとしているんです」
「馬鹿な、これから後何人殺すきなんだ!」
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