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ハジメ
残月を覗く度に
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早朝3時40分
静かな帳の中だった。
まだほとんどの人が眠りの底へいる中、彼女はそっと身体を起こす。布団を剥ぎ、服を着替える。
まだ暗い中いつものように家の裏手の丘へ登る。
少し肌寒い外気温を感じながら丘の上に立つ。
丁度、丁度その瞬間だった。
夜の帳が壊れた。
ヒビが入った東側は明るく暖かな光が辺りを照らす。
夜の帳は壊れたけれど、光から逃げるように月が残っている。
いわゆる残月と言うやつだ。
白い月が暖かな陽から逃げるのをちっぽけな何かが地上から見守っていた。
暁が始まる。朝露が草木を濡らす。
薄く明るい光が周辺照らしていく。
私はこの一瞬が好きだ。
私はこの一瞬の為に早起きをして外へ出るのだ。
「おはようございます」
この挨拶がないとダメなのだ。
朝独特の雰囲気が、陽から逃げる残月が。
朝の時間を知らせる陽が顔をあげるのも。
美しい星々が強い光に負けて消えるのも。
私に取っては日課のようなものなのだ。
明け方のこの時間は、私の時間なのだ。
「明日も早起きしなきゃね」
ほんの数分間。
ほんの一瞬の穏やかな時間。
この瞬間の為に私は眠い目を擦る。
私はまだ寝ていたいという身体を無理矢理起こす。
その時間が大切で、大好きであるから。
明日も、明後日も何年でも。
この時間を大切にしよう。
静かな帳の中だった。
まだほとんどの人が眠りの底へいる中、彼女はそっと身体を起こす。布団を剥ぎ、服を着替える。
まだ暗い中いつものように家の裏手の丘へ登る。
少し肌寒い外気温を感じながら丘の上に立つ。
丁度、丁度その瞬間だった。
夜の帳が壊れた。
ヒビが入った東側は明るく暖かな光が辺りを照らす。
夜の帳は壊れたけれど、光から逃げるように月が残っている。
いわゆる残月と言うやつだ。
白い月が暖かな陽から逃げるのをちっぽけな何かが地上から見守っていた。
暁が始まる。朝露が草木を濡らす。
薄く明るい光が周辺照らしていく。
私はこの一瞬が好きだ。
私はこの一瞬の為に早起きをして外へ出るのだ。
「おはようございます」
この挨拶がないとダメなのだ。
朝独特の雰囲気が、陽から逃げる残月が。
朝の時間を知らせる陽が顔をあげるのも。
美しい星々が強い光に負けて消えるのも。
私に取っては日課のようなものなのだ。
明け方のこの時間は、私の時間なのだ。
「明日も早起きしなきゃね」
ほんの数分間。
ほんの一瞬の穏やかな時間。
この瞬間の為に私は眠い目を擦る。
私はまだ寝ていたいという身体を無理矢理起こす。
その時間が大切で、大好きであるから。
明日も、明後日も何年でも。
この時間を大切にしよう。
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