IRIAMクエスト

らい

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32、LASTBOSS

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空を、いや私を見た時から恐らく稚空はとらいは見抜いていたのかもしれない。そしてやはり彼はこちらを見た。私はその期待に答えなければならない。彼女は純白の翼を広げて地上へと降りてくる。そして彼女は黄金に輝く目を開ける。

「シスター!」

目の前にいるらいが叫ぶ。そして彼女はそれに応えるように、口を開く。彼女は言葉を、歌を紡ぐ。

「我は光、彼は闇。汝の誠なりて、彼を封じ込める檻となる。夕暮れの光よ朝日の光よ。彼を封じ込める鎖となれ。」

歌いきった彼女は紅い服に黒い髪。そして誰もが吸い寄せられる黄金の瞳に変質していた。そして彼女は技を発動させる。

「彼の者を封じ込める檻となる『聖なる闇鎖エイストニール』!」

それは彼に絡みつき、彼の能力を封じ込める。それは彼に破れる代物ではない。彼はもがくがよりいっそう絡みつく。そして、『聖なる闇鎖エイストニール』には「魔」と「悪」を払う能力がある。稚空がもがくのをいきなり止めると震え始める。すると稚空の中から出てきたのはだった。それを見たらいは目を見開く。

「やっぱり・・・・おかしいと思ったんだ。どこから俺たちの、いや、街の情報が漏れたのか。エトさんはそんなヘマはしない。だとするとエトさんに繋がる前・・・・・・!そして今そのポリゴンを見て確信したよ。やっぱり箱兄・・・いや、あなただったんですね、atrあーと.ぼっくす・・・!」

「やっぱりらいくんにはバレるかぁ・・・」

「当たり前でしょう。なんなら情報があっちに流れていると言う話を聞いた時から何となく疑ってたよ。でも思いたくなかった。今の今までないだろうと思ってたよ。でも見てしまったからには倒さなければならないとね。今目の前にしても信じられないよ。箱兄」

「あはははははははは!信じられない?そうだろうね!僕が全力で隠蔽しながら進めたからね!逆によくわかったと思うよ!僕は特別なんだ!君達のような下等生物とは違い、格別された最強の生物。睡眠も食事もいらない!そんな僕に君たちが勝てるわけないだろう!戦っても無駄なのさ!」

そういうと緑の人間が稚空の持っていた剣から出て、地面に降り立つ。それにらいが目を見開く。

「なぜ、お前はなんの命令もなしに権限している・・・?それが原点オリジナルだからとでも言うのか?」

「さぁ?それはどうだろうね?でも一つだけ教えてあげよう。意志の力があればどんなことでも乗り越えられるのさ。」

「戯言が。お前はこの街を乗っ取った。それだけで許せない。なぜお前はそんなことをしたんだ。今までの生活じゃダメなのか?なぜ稚空を使った?」

「五月蝿いなぁ・・・。稚空がいたのはそいつの勇者思考を逆手にとっただけで、乗っ取ったのはそっちの方が刺激的でだったからに決まってるだろう?」

「面白そうってだけでここまでのことをするのか?お前は何がしたいんだ?」

「僕はゲームマスターだ。ゲームするために盤上を作るのはマスターの仕事だ。そして今回ゲームマスターとラスボスがだっただけで。何も変わらないだろう?」

「大勢の人が死んだんだぞ?絶望に落とされてなおゲームマスターとでも言うつもりか?お前はなんなんだ」

「そうだな教えてやろう。僕は電脳世界、機械内部を動き回れる神が作りし、電脳人エレクトマン。それが僕art.ぼっくすなのさ。」

そう言うと彼は自身の手に電気を纏わせる。
そして何もしていないにも関わらず、彼は姿を変える。

「僕は電脳世界の住人。念じれば念じるほど自分の身体を強くも弱くも、柔らかくも硬くもなる。全ては僕の想像次第。それが僕なのさ。」

彼の姿は180cm程の長身になり筋肉質の男に変質した。そして彼の手には大ぶりの刀が握られる。それを振れば、刀には電気がまとわりつく。それを見たぼっくすは満足そうにしていた。

「あはっ・・・さぁ倒そうよこのラスボスを!ラスボスが僕なんだよ?倒そうぜ?BOSSは勇者に負けるんだぜ?そんな悲劇的なゲームはいらない。BOSSが勝ち、勇者に勝つゲームを僕が作ってみせる!」

「させねぇよ!この街は俺達が守る!」

「やってみればいいよ!僕に勝てないんだよ君たちはね!」

12人対1人の最後のBOSS戦が始まる。
それでもBOSSは嗤う。それは余裕の笑みを見せて嗤う。その理由がらいには分からなかった。しかしそれを考える暇もなく戦いが始まる。最高の舞台が整いつつある。
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