IRIAMクエスト

らい

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戻ってきた夜

9、降臨

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「おお・・・。これほどまでに自由自在に動けるとは・・・。この主はとても良き依代である。少しあそぼうかのぅ・・・。」

そう言った信長が倒れたレイラの横を通り大通りへと姿を現す。それはのようだった。誰かが今信長を見てはこう言うだろう。だと。次の獲物を探しに信長が刀を振ろうと上段にあげた。

「紫伝一刀流。一の太刀《先駆け一閃》」

上段から振り下ろされた刀が紫の斬撃を真っ直ぐに放つ。そしてその斬撃が建物を切り裂き・・・はしなかった。

聖鳳結界ホーリーシールド!」

大きな声と共に純白の盾が出来上がる。そこには大きな大盾をもった堕天使黒い羽の男と天使がいた。

「この街を!そしてらいくんを守る!」

普通の盾を大きくしたような大盾を持つ堕天使の横に居る彼女が、天使がそう叫ぶ。

「この街を私は守らなければならない!」

堕天使ことさくまが叫ぶ。彼の武器を右手に掲げる。この大盾は真理ノ盾ダオロスと言う。その盾は誰にも破られない盾となり、天使を守る最強の守護である。この黒と白の大盾は天界のものにしか使えないのだが、堕天使である彼ならその大盾は扱えてしまうのである。

「ふむ・・・。面白い、その守護とやら我が討ち取ってしんぜよう!我こそは第六天魔王、織田上総介信長なり!」

「元天界天使ヘルメス改め、さくま!アテナの御使い天使まこの近衛である!」

白黒の大盾と紫の刀が火花を散らす。

「私の街を、貴方は壊そうとしましたね・・・?私の!街を!精霊武装スピリットアーマータイプ1装備!女神アテナ!」

彼女は・・・いや、天使は怒らせては行けない。彼女は彼女の物を、街を、大切な人を、守るためにここにいるのだ。彼女には彼女なりの理由がありここにいるのだ。彼女の身を包むのはと呼ばれる装備アーマーの一種である。そして彼女が装備したのは女神アテナの加護の乗ったである。

「なるほど・・・。神の御使いか・・・。相手にとって不足なし!」

そう言うと信長が紫に染まった篭手を口の前に持ってきた。

「ゲート=サモンコール。戦術召喚!。」

そう言った彼の真上にゲートホールが現れそこから刀が落ちてきた。それを空中で手に取り、こう言うのだ。

金属操作コントロール。」

破壊ノ王シヴァとヒュドラという刀が彼の前で混ざり始める。黒と紫の刀はひとつになった。
聖魔融合刀虚無ノ神ノーデンスへと刀は姿を変えた。

「さぁ、準備はできたぞ、貴殿らはよろしいのか?」

「くっ・・・。これでは押し切られる。天使様。の許可を!」

「許可致します。」

「ありがとうございます。」

許可が下された彼の大盾は真の姿へと形を変える。

「彼は円。お前は盾。かの物を護りし全ての盾。未だその名、枯れぬる栄光である。 お前の真価は守るに在らず。さぁその姿を元の物へと変えよ!!!!『アロンダイト』!」

大盾は詠唱とともに形を変える。白黒だった色は混ざり灰色へと。形は剣のように。されどその覇気は増している。さくまが空を一振すれば覇気が飛ぶ。いつの間にか、さくまにあったはずの黒い羽はなくなっていた。その代わりに黒かった目は黄色に、髪は灰色へと変化する。そして一息着くとこう言った。

「準備。完了だ。」

「愉快。非常に愉快である!あぁ!我の時代において、このような強き者はいなかった!我はお前のような強き者を求めていたのだ!踊ろうではないか。この体朽ち果てるまで!この体の主には感謝せねばならぬ!このような強者と会いみまえるなどこんなにも気分が高揚するものなのだな!さぁはやく死合おうではないか!」

信長が兜を脱ぎ捨て、刀を上段あげたその時だった。

「うちの緑猫を返せ。」

後ろから極大の魔力を手に込めた魔王蛇蝎紫蘭が信長の一瞬の隙を逃さず仕留める。

「き・・さま・・・っ。」

力尽きた信長は次元に帰り、信長が消えたその体には、らいが戻っていた。
しかし、彼の意識は無かった。









「信長を確認。やはりが持っていた様です。如何致しましょう。」

「まだ良い、俺のがそう言っている。手に入れるならどこかにまだあると、からだ。戦力は多い方が良いからな。お前たちのはどうだ?慣れたか?」

「いえ、未だにまだ全て把握はできていません。しかし、もう少しで掌握するでしょう。」

「それは重畳。」

部屋の中に響く、その声と揺らめくろうそくの炎。そのろうそくが照らしている声の主の姿は冒険者とは似つかない服をしており、置いてあった剣も大きく、丸みを帯びていた。
豪華な椅子から立ち上がる彼は少し笑うと、扉を開け、外へと消えていった。
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