そこは夢の詰め合わせ

らい

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紫蘭ママ

136.執念

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昔、蛇を殺すなと言われていた村があった。
昔、蛇は祟ると言われていた。
昔、蛇を怒らせた村があったという。
その村の話をしよう。

「蛇だ!殺せ!」

「うわ今回は多いぞ!殺せ!」

その蛇はまだ幼かった。
親が必死となり子を逃がした。
自分達の命と引き換えに。

(なぜ私達は奪われなきゃ行けない?)

神のイタズラなのか、それは果たしてわかるところでは無いが、彼女は意志を持った。確固たる復讐の意思だ。彼女は数十年努力した。人に復讐するにはどうしたらいいのかを。

彼女は上半身を人の姿へと自分を変形させたのだ。それはなぜ出来たのかも彼女自身も分からないだろう。しかし彼女は成ったのだ。

『復讐のために生きた蛇』として。

彼女は生まれ育った山を降りた。
幼い頃親と過ごした山を降りた。
人に親を殺された恨みのために。
それだけのために生きていたのだから。

大きな人の姿をした蛇。
それとしか言いようがないその姿はすぐに村全体に広まった。
もうすぐそこまで来ている。
人の力では勝ち目がない。
村の人々は降伏をした。

『分からない分からない分からない』

なぜ降伏したら許してくれると思うのか?
私の親は殺されたのに?何故?

いつの間にか意識を取り戻した時には村は破壊され、蹂躙されていた。それが自分のせいであると言う事に気がついたのはすぐだった。

血の匂い。倒れ、赤く染った衣服。
あぁ私がやったのかと。ようやく復讐は終わったのだと。そう思えた。

彼女の執念によって、彼女の復讐は成された。空を見た彼女に雨が降り注ぐ。
天が泣いているかのような大雨の中、彼女は立ち竦んでいた。
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